焦げた臭いがパソコンからしたので、慌てて階下の家内を呼んだ。花粉症で鼻がつまっていて、家内の鼻の方が敏感だと思ったのだ。3階に急いで上がって来た家内は、異臭に驚き、すぐに窓を開けた。
パチンと音が鳴って、パソコン画面が急に真っ暗になり、電源が切れたのは、3時間前のことだ。ブログ用の写真の整理のために、ヤフー・フォトの写真を出し入れしている時であった。パソコンに負荷がかかり過ぎたのだろう。数年前、あるサイトにアクセスすると、「このままではパソコンが破壊されます」という表示が出たことがある。強制的に表示させる仕組みを持ったサイトであったのだろう。古いパソコンはそのように見られない画面が多々あって不便だが、見なければいいだけの話で、さほど不便ではない。壊れた3階のぱそこんは、WINDOWS98のOSが入ったNECのVALUESTAR NXだ。数年前に息子用にネット・オークションで買ったものだ。一式で3000円ほどであった。息子が使わなくなってからは、隣家に保管しておいた。これと同じ機種を、やや遅れて同じほどの価格で買った。出品者は伏見の石峰寺の裏山に住んでいる60代の男性で、筆者は次点で落札出来なかったが、数日経って繰り上げで落札通知が来た。住所を伝えると、「持参してあげます」と言う。送料が助かった。筆者が昨年から本格的に使い始めたものは、そちらの方だ。出品者は、「愛着があるパソコンで、捨てるのはもったいなく、誰かに使ってほしかった」と言った。それにしても親切な人だ。パソコンは特製の輸送用ダンボールにきちんと入った形で届けてくれた。このパソコン、ここ1,2か月ほどは調子がよくなかった。スイッチが凹んだままとなり、毎日数回フリーズした。これを1階のWIN95と使い分けていた。そうそう、一昨日だったか、
キミドリ社に久しぶりにコメントを書くと、管理者から、「古いパソコンが長持ちですね」といった返事があった。その壊れないと思っていたパソコンが、3時間前に急に画面が消え、焦げ臭くなった。家内が窓を開けた後、スイッチを入れ直すと、また焦げた臭いが充満したので、完全に壊れたと考えることにした。さて、困った。ブログは1階のパソコンでも書くことは出来るが、3階で書くのが慣れている。それに壊れたパソコンには重要なデータをたくさん保存している。それらにはバックアップを取っていないものもある。そこで、まずパソコンを分解してみた。埃をていねいに掃除機で吸い取り、内部を見ると、燃えた跡がない。配線のビニールが焦げたのだろうが、それが見つからない。蓋を取ったままでまたスイッチを入れると、反応がない。次に考えたことは、隣家に置いてある同じ機種のパソコンだ。懐中電灯を持って隣に行き、本体だけ抱えて来た。扉を開けてほとんどすぐのところに置いてあるので、取りに行く気になった。
隣家から持って来た本体の蓋を開けると、恐ろしく埃が溜まっている。息子は蓋を開けて掃除したことがなかったと見える。壊れたパソコンは、メモリーが2枚がセットされていたので、1枚を抜き取り、隣家のものに嵌め込んだ。そのようにしてスイッチを入れると、青いランプがつかない。壊れているかと思ったが、メモリーをきちんと嵌めなかったことが後でわかった。それはさておき、隣家のパソコンも駆動しないとなれば、1階のパソコンでブログを書くしかない。だが、粘り強い筆者は、新品を買えという家内の声をよそに、ハード・ディスクを交換し、隣家のパソコンをどうにか使えるようにしてやろうと、作業を始めた。同じ機種であるのに、ハード・ディスクは別の会社の製品が入っていた。壊れたパソコンはのハード・ディスクを取り外すと、その底が少し焦げていた。これはハード・ディスクが熱を持っていたと考えてよいが、それを分解するには深夜になり過ぎているし、気力もない。そこで、一か八かで、その壊れたパソコンのハード・ディスクを隣家のパソコンに移植することにした。先に書いたように、保存しているデータをそのまま使いたいからだ。たとえばの話、このブログの冒頭の一字は同じ文字を使っていないが、その一字集とでもいうメモ帳のファイルをデスクトップに保存して、バックアップを取っていない。そのため、1階のパソコンでブログを書く場合、その一字が今までに使ったことがあるかどうかを調べる術がない。それはどうでもいいようなことだが、筆者には大問題で、その一字のために、どうにか壊れたパソコンの頭脳を別のパソコンに移植手術をして確かめたかった。配線や埃に手間取りながら、どうにか接続し終わり、おそるおそるスイッチを入れると、オレンジ色のランプがすぐに青になった。そしていつもの画面とデスクトップに保存しているファイルのアイコンが全部表示された。つまり移植手術が成功した。ということは、ハード・ディスクは壊れていなかったのだ。問題は他の基盤などにあった。詳しく調べるときっと燃えた配線が見つかるだろう。ともかく、2台あった同じパソコンの片方の、ハード・ディスク以外の部分が壊れたので、ハード・ディスクを取り外した状態で、回収業者に出そう。今のところ、こうして文章を書くことが出来るが、この頭脳移植パソコンがいつまた壊れるかわからない。データのバックアップは取っておくべきだ。
データを全く失わずに済んだはいいが、インターネットにつながらない。LANカードを壊れたパソコンのものを使えばいいが、また蓋を開けて取り外したりするのが面倒だ。あれこれ操作していると、ようやくカードを認識するようになり、すぐにインターネットに通じた。それが11時55分であった。それからすぐに冒頭の一字がだぶりがないかを確認し、このブログを書き始めた。筆者はメカには弱い方だが、以上のようなこと程度であればどうにか対処出来る。3000円で買ったパソコンをいつまで使うのか。不快になるよりさっさと新しいものを買えばいいようなものだが、昭和20年代半ば生まれの筆者はもったいない主義に染まり切っており、物はどうしようもないほどに壊れるまで使う。家内はそんなケチ根性によって、パソコンが燃えて火事になれば大損で馬鹿みたいと言うが、電器製品のコードが燃える経験はよくしているので、あまりその心配はしていない。そうそう、従妹が15年ほど前に結婚した時、その引き出物の商品カタログで注文したヘア・ドライヤーがあって、それを今も使っている。このドライヤーは今までに5回ほどコードが燃えた。髪を乾かしていると、急に焦げ臭くなり、見るとコードがパチパチと音を立てて燃えている。ちょうど花火を見るような感じだ。これはコードが折れ曲がるなどして中の銅線が劣化していることと、600ワットで長らく使うことに原因があるようだ。おそらくコードは600ワット用ではないのだろう。それで筆者は300ワットでしか使わないが、そうしていても焦げ臭くなって、やがて燃えることがある。内部は正常なはずで、燃えて銅線が剥き出しになった部分を切り取り、新たにつなぎ直すと、また数年は持つ。そうして数回それを繰り返していると、コードはかなり短くなり、当初の半分の長さもない。ほかにドライヤーは2,3あったが、どれも内部が壊れて手の施しようがなくなった。一番古いものが一番頑丈で、長持ちしている。とはいえ、いつまたコードが燃えるかという心配つきだ。燃えてもそう恐がることはない。すぐにコンセントを引き抜けばいい。数年前には仕事で使う電熱器が同じようにコードが燃えた。これもコードをつなぎ直すと使えるはずだが、まだつないでいない。ヘア・ドライアーは銅線を捻って絶縁テープで巻いているだけだが、電熱器はドライヤーとは違って長時間使い続けるので、ハンダづけしなければならない。そのための道具がない。