湯豆腐が昼食で、これではあまり満足出来ないかと思いながら、南禅寺の順正には行ったことがないので、参加することにした。
自治連合会の会長や副会長を初め、14の自治会の会長、そして民生委員や体育振興会、少年補導委員、交通安全委員など、各種団体の長などが集まって、年度末に近い2月下旬に研修会を毎年開催する。それに行って来たことを今夜は書く。観光バスを1台チャーターし、定員はそれに乗ることの出来る人数なので、予約は早い者勝ちだ。だが、平日であるし、思うほど多くは集まらない。今年は40名ほどであった。参加費は個人負担が2000円必要であった。これは自治会費から出した。また、前述した対象となる人たちのみでは、バスに空席が目立つであろうという予想があって、各自治会当たり、会長を含めたうえで、他は誰でもいいので、計2,3名の参加が求められた。筆者は女性がいいかと考え、民生委員(女性が担当している)に電話をかけ、人選してもらった。決まった2名は、自治会の役員というほどのことはしていない60代の婦人で、本人たちは遠足気分で喜んで参加した。飲料と菓子の袋が各人に手わたされ、実際遠足だ。朝8時45分に阪急嵐山駅前に集合、午後5時頃に同じ場所に戻って来た。ついでに書いておくと、去年の研修会はサッカーで有名らしき人の講演会が小学校で開催された。その経費が確か20万円ほどしたと思う。100人ほどを相手に2時間ほどしゃべってその額が妥当なのかどうか。1桁間違っているのではないか。ともかく、筆者は興味がないので参加しなかった。これもついでながら、一昨年は地元から南に数キロの国道9号線で数年以上工事をしている立体交差道路の工事現場をまず見た後、昼食は京都八条口前の新都ホテルでバイキング、そしてまたバスは北に戻って北部クリーンセンターというゴミ焼却場を見学した。同ホテルの昼食時の食べ放題は有名らしく、今も営業している。65歳以上だったと思うが、シニア料金は一般より500円安い2500円だ。研修会に参加する大半はその年齢を超えているから、思ったほど食事代は嵩まなかったのではないか。
今年の順正の湯豆腐定食はひとり3000円で、値引きはなかった代わりに交渉の結果、何か一品をつけてもらうことになった。だが、それが何であったかはわからない。湯豆腐は嵐山でも食べるところはあちこちあるし、また京都は豆腐がおいしいので今さらと思うが、桂三枝が司会を務めて有名になった湯豆腐の大食い競争をするこの店を一度覗いておくのはいいだろう。三枝はもうとっくにその食べ放題の司会を辞めたと思っていた。ところが、観光バスのガイドはもうすぐそのお祭りがあると言っていた。TVではもう放送していないのではないかと思うが、この点に関してはあまりTVを見ないのでわからない。それはともかく、今年の見学コースは、午前中に京都府警とみやこメッセ、午後に防災センターであった。後者は息子が小学生の頃に一度連れて行ったことがある。また、みやこメッセは月に2,3度はその前を歩くし、たまには中を覗くので、これも新鮮味がない。この数年の間に行くべき場所はだいたい行ったようで、見学すべき施設を探すのが難しいらしい。7年ほど前はMIHO MUSEUMに行ったというが、昼食は近江牛と松茸を使った定食とかで、経費をかなり使ったと聞く。また、自治会長や各種団体の委員に絞らず、誰でも参加出来るようにしたので、バスを3,4台仕立てて出かけたそうだ。家内はその申し込みの案内が回覧されたことを記憶しているが、筆者はさっぱり覚えていない。それほど自治会や同連合会の動きに関しては興味がなかった。それがこの3年で変わった。筆者は3年連続だが、他の13の自治会はどこも1年交代で、その分筆者は大勢の人と接していることになる。話好きなので、すぐに他の自治会長と仲よくなるが、たとえば今回の研修会ではバスの隣り合せになった人にいろんなことを聞き出して認識を新たにする。普段の自治連合会の集まりでは、そういう雑談の時間は持てない。そのためにも、この日帰りの研修会は得がたい機会だ。とはいえ、こちらから積極的に話しかけなければ、ひとりでぽつんと孤立するから、普段の連合会の会合で親しくしている必要がある。また、そういう機会しか、他の自治会の住民と親しくなれないから、自治会のことで動き回るのは、人好きにはそれなりに面白いことが経験出来る。だが、そのように積極的な意義を思う人は稀で、大半の人は仕方なしに活動しているのではないか。
さて、最初に訪れた京都府警広報センターについて書いておく。府庁の東にあって、近年出来た新しいビルだ。玄関を入ってすぐ、正面の壁に縦長の大きな織物が飾られていた。なかなかモダンなデザインで、近寄って作者名を確認した。グラフィック・デザイナーの早川良夫だ。去年大阪の国立国際美術館で展覧会があって見たが、感想を書く機会がなかった。大阪出身の早川の作品が、なぜ京都に飾られるのか。織物作家は京都にはたくさんいるし、わざわざ早川の原画を使って織り上げる必要もないと思うが、ま、有名人であるし、つまらぬ織りの作家のものよりいい。あるいはこの施設用に新しく織ったものではなく、以前どこかにあったものかもしれない。そういうことを質問しても、担当業務員は知らないだろう。筆者らの団体の中で筆者以外に早川良夫のデザインを用いた織物であることに関心を抱いた人は皆無で、芸術家というものは知名度の点では芸能人にはるかに劣る。それはさておき、この建物のまたの名を『110番指令センター』と言い、かかって来る110番をすべてここで受け取る。その様子をガラス越しに階上から見学出来る。大きな机にひとり当たりパソコン画面を10台もぐるりと据えていた。それだけでも比較的若い人でなければ務まらない業務だ。そうした大型の机が全部で20ほどあるような大きな空間だ。またそれらの机はみな同じ方向を向いていて、その正面の吹き抜けの大きな壁には、中央に市内の地図、その周囲に交差点をリアル・タイムで捉えた映像が映し出されている。市内のよく知る場所のほか、雪が積もっている場所もあったが、それは京都府の北部だろう。地図にはパトカーが現在どこでどうしているかの表示が出る仕組みになっている。この施設の1階左手は、小学生が見学して楽しいコーナーになっている。交通のことやおれおれ詐欺、犯人のモンタージュ写真作りなど、大半はゲーム感覚で学ぶことが出来る。自治連合会の団体が来ることを予め新聞社に知らせていたのだろう、40人のグループが二手に分かれて、筆者らのグループがそのコーナーに全員いたところ、京都新聞社の記者がやって来て数枚の写真を撮った。その中に筆者は確実に写ったはずだが、翌日の新聞を見ていない。写っていたとしてもごく小さいのでわからないかもしれない。だが、帽子を被っていたのは筆者のみで、それが目印ですぐにわかるか。府警広報センターの次はみやこメッセに行った。そのことは明日書く。そうそう、今夜の分を書く前に、昨夜うっかり掲載し忘れた写真をMOに見つけ、それを載せるついでに投稿の末尾に少し文章をつけ足した。そういうことはほとんど初めてのことだ。今日の投稿は、そのMOの中に収めている未掲載の写真を見ながら決めた。まず写真ありきというわけではないが、あまり気分が乗らない場合はその方法がよい。