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●破壊と築造
徐に変化して行く様子を見るのが好きというわけではないが、すっかり壊されて跡形がなくなった状態、あるいは建造が終わった完成形よりかは面白い。



これは、作品づくりをしている最中が最も楽しいという思いと通じている。作品の製作に取りかかる前、あるいは完成が終わってしまうと、何だかつまらない。筆者は今そういう状態にあるが、こうして毎晩長文を書くことは、そういう気分を紛らわすのに一役買っているとも思える。それはいいとして、徐徐に変化するのは何事においてでもある。たとえば、建物が壊されて更地になった場所は、すぐに雑草が生えて変化が始まる。また、完成した建物はすぐに汚れが付着し始める。それに、一方ではある場所や建物を取り巻く、より大きな場所や隣り合った建物が変化しているので、ある範囲内に毎日変貌の跡が見られる。ま、それはそうだが、取り壊されて行く光景より、造り上げられて行く光景を見る方が気分はよい。それもあって筆者は「駅前の変化」というカテゴリーを始めた。とはいえ、その何か新しいものが造られる変化は、空き地がなくなり、自然がなくなることでもあって、手放しで好ましいとは言えない。それでも、たいていの人は何か大きなものが建っても、すぐにそれに慣れる。建物は老朽からは免れ得ないし、また地震の被害を少しでも軽減するために、耐震設計とやらをうるさく言うようになって、古い建物はより頑丈なものに建て返られ、あるいは鉄骨で外観を無骨に補強されたりもする。こう書いていて、あまり気分が乗らないので、早速今夜の写真について書く。筆者がデジカメを持って出かける際、現在建築中の建物で気になるものが2か所ある。そのどちらもこの2週間ほどの間に相次いで撮った。今夜はまたもや展覧会の感想を書かずに、それらの写真を載せる。まずは松尾橋東詰め南に建つマンションだ。松尾橋のバス停前から撮った。つまり、これからバスに乗って目的の地に向かうという気分がこの写真の背後にはある。この塀で囲まれた空き地には、3棟ほどのマンションのほかに、一戸建ても10や20は建てられる。以前はいかにも昭和の古さを感じさせる工場が建っていた。銅を精錬していたか、あるいは他の鉱物を扱っていて、取り壊された去年から数年前、あるいはもっと以前から操業していなかったように思う。それほどに薄暗い印象の一画であった。前の歩道はまさに工場の灰色の鬱陶しい空気が辺りに発散していて、歩いていてもそこが何かを気にかけない存在感に乏しかった。だが、今にして思うと、町中にそういう特異な場所があってもいい。ペラペラの規格住宅ばかり建ち並ぶのでは、それこそ町がペラペラの印象しか持ち得ない。だが、経済の論理にしたがって町は変化して行く。その広大な工場の社長は、土地を売って別のところに移転した方が儲かると踏んだ。そして、そこには嵐山を売りにした住宅が建つしかない。ちょうど四条通りをわたれば松尾橋のバス停で、スーパーも徒歩5分の範囲に3軒ある。人口が一気に増えて、筆者が通うムーギョ・モンガやトモイチは、安売り商品がすぐになくなるだろう。そのマンションが少しずつ建って行く様子を撮り続ける気力も関心もないが、マンションが立ちはだかる前の、まだ向こうが見わたせる状態は今のほんのわずかな期間だけで、これは撮っておくと貴重な写真になると考える。それが下の横長写真だ。歩行者がひとり写っている。この光景を夜にすれば、それはムーギョからの帰りの筆者のようだ。そのように、四条通りの北側の歩道をいつも往復するが、松尾橋東の信号の具合によっては、たまに南側を歩く。
●破壊と築造_d0053294_13164956.jpg
●破壊と築造_d0053294_124477.jpg もうひとつ気になる工事中の場所は堂島の渡辺橋南詰めにある朝日新聞のビルだ。これは四つ橋筋を挟んで、200メートルの超高層が2棟建つ。現在フェスティヴァル・ホールが入る東棟が、9割ほど外観は完成している。西側はまだ古いままの朝日新聞社ビルが建っている。これはビルの角が曲線で、そのレトロ・デザインが見ていて心地よい。この、空から見れば小判型のデザインは好ましい。ステレオのスピーカーもだが、角が丸くなっているデザインというのは珍しく、ほとんどが頭をぶつけると怪我をする直方体だ。それに灰色や黒ばかりで、木目を生かしたものがとても少ない。小判型のスピーカーがないかと思っていると、昔のテレフンケンにあった。だが、コンパクトなもので、音はレトロ調だろう。スピーカーならまだ安価でよいが、ビルとなると最低でも半世紀は建っているので、高級なデザイン感覚がほしい。もちろん機能との兼ね合いもあっての話だが。さて、ツイン・タワーと言えば、ニューヨークの貿易センター・ビルを思い出す。中之島にそれが建つのはあまりいい趣味ではないが、まさか9.11の事件でなくなったそのビルを思って、同じ形の超高層を2棟並べることを思いついたのではないだろう。西棟の完成は、現在のレトロ・ビルを取り壊してからの話で数年先になるが、2棟が建てば、店や地下街も一新され、中之島の新名所となるのは間違いない。また、フェスティヴァル・ホールはすでにその文字がビルの壁に記されていて、以前と同じ場所に出来るのもよい。この東棟の建築写真は以前に載せたことがある。あまりに高いので、近くからは全体がファインダーに収まらず、被写体としてはよくない。それもあって、本当を言えば、撮影したいとは思わない。それよりもっといい建築現場がすぐ近くにある。だが、その写真も以前に載せたことがある。関電ビルの東隣りの空き地だ。間近に国立国際美術館がある。この建築されつつあるビルの名前などには関心がない。また、歩道からかろうじて骨組みの最上部が見わたせる今頃までがいいのであって、もっと高くなると、先のツイン・タワーのようにカメラに入り切らない。そうなれば写真を撮る気が失せる。ともかく、中之島はますますビルだらけになりつつあり、殺風景この上ないが、美術館があるので筆者は今後も訪れる。相変わらずデジカメを持参するとして、中之島のその界隈にはビルが建つ空き地はほとんどないので、撮影するものがない。とはいえ、古いビルの取り壊しは永遠にある。
●破壊と築造_d0053294_13200940.jpg

by uuuzen | 2012-02-12 23:59 | ●新・嵐山だより
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