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●リスク回避の長道を楽しむ
ゴムの具合がおかしいことを先日書いた。その後それを買いに出かけた。従姉宅まで自転車を借りるために歩く時間でホームセンターに着くから、歩いて行くことにした。



さて、それがいつのことだったか。筆者は今日が何日であるかも気に留めないので、即座に思い出すことが出来ない。今調べると、先月16日の「嵐山駅前の変化、その157(円形階段)」に虫ゴムを買わねばならないと書いているので、その2,3日後だろう。そうそう、思い出した。その日は勤務先から家内が電話して来た。今まで1回か2回しか行ったことのないスーパーでウスター・ソースの安売りが4時から4時半までの間、先着100名に限りあるのでそれを買ってほしいと言う。いくら暇な筆者でもソース1本のために数キロの道を行くのはごめんだ。そこまで自転車でも15分ほどかかるが、家内は自転車の空気抜けがもう直ったと思っていたのだ。筆者はウスター・ソースが好きで、コロッケやとんかつには必ずかける。カレーライスにも面白がってかける。家内はいつもそれを見て趣味が悪いとしかめ面をするが、家内はウスターではなく、とんかつソース、つまりドロ・ソースが好きで、これをお好み焼きにはどぼどぼ垂らす。筆者はとんかつにドロ・ソースをかけるのはいやで、またドロ・ソースをおいしいとは思わない。ついでに書いておくと、わが家では、いや筆者のみだが、ウスター・ソースに対してドロ・ソースのことを「濃いター」と呼ぶ。粘度が「うすい」に対する「濃い」だ。それはいいとして、そのタイム・サービスの売り出しは確か火曜日であった。となると、18日だ。その日は天気がよかった。散歩するにはちょうどいい。それで、虫ゴムを買いに出たついでにそのスーパーに立ち寄り、そしていつもとは違って時間はうんと早いが、ムーギョ・モンガとトモイチに寄って買い物をすることに決めた。ホームセンター1か所、スーパー3か所巡りだ。まるで巡礼だが、そのように毎日徒歩で市内中のスーパーを巡ってスタンプを押せば、何か景品がもらえるような企画を、市内の全スーパーがタイアップして実施すれば、老人はどんどん歩くようになるのではないか。いやいや、自転車や車でさっさと周る者ばかりが増えるに違いない。4時からのタイム・サービスということは、3時から3時半の間に家を出ればよい。それで3時半ちょうどに家を出た。ホームセンターまで30分、そこで虫ゴムを買って、ウスター・ソースのスーパーに行くには、東南方向に行けばいいのはわかる。だが、どう道をたどればいいかわからない。途中でJRの線路を越える必要があり、昨年あたりに高架になっているので、踏み切りをわたる必要はないが、線路をくぐる道はそう何か所もあるわけではなく、下手をするとかなり大回りしなければならない。その時間のロスを思えば、ウスターは売り切れるかもしれない。ともかく早足で歩こうと考えた。虫ゴムは、ゴムだけの袋入りが2種と、空気の抜けないという新式の金具つきのものが売られていた。ゴムだけのものは短く切ったものと、自分で切るように長いものがある。どれを買おうか数分迷った。また同じホームセンターまで徒歩で出かけなければならなくなることを警戒し、結局短いが数本入ったものと新式のものを買った。
●リスク回避の長道を楽しむ_d0053294_135493.jpg

 さて、ホームセンターを、入った新丸太町側からではなく、南側の人だけ通れるところから出た。すると、すぐに有栖川が目に入った。その川沿いを南下すると三条通りに出るだろう。そう思って、初めて歩く道を行く。これがちょっとした旅行気分でなかなかよい。この川は四条通りまで続き、最後は桂川に合流する。四条通り辺りから南方はよく知っている。歩きながらまず思ったことは、有栖川という名前だ。これは宮家の名前だが、それに因むのだろうか。ならば、有栖川川と呼ぶべきだろう。有栖川川では川が余分なので、有栖川と呼ぶようになったのかもしれない。英語のidentity(アイデンティティ)のことを昔赤瀬川源平が、「ティ」がふたつあって、ひとつでもいいのではないかと書いていた。「identy(アイデンティ)」という英語はないので、「identity(アイデンティティ)」をそう呼ぶようになっても別段紛らわしくないはずだが、日本でよく言われる国語の乱れとか何とか、きっと反対意見が多く出るだろう。また、「ティ」を2回繰り返して言うことにそれほどのエネルギーの無駄はない。そんなことを言い始めると、マウスのダブル・クリックも1回でいいようにしようということになる。だが、ハイという返事は1回でいいと言われ続けた世代の筆者は、1回で済むものは1回がいいと思う。そういう合理精神があるので、虫ゴムを買うついでに、家内から頼まれた普段の半額のウスター・ソースを買うことにした。で、有栖川右岸を南下すると、見覚えのある三条通りに出た。目の前は京都バスの車庫だ。そこで初めて気づいたが、三条通りからは有栖川沿いを歩くことが出来なくなる。それが京都バスの敷地区間だけかどうかは知らない。ともかく、有栖川にはもう用はない。三条通りを200メートルほど東へ行くと、目指すスーパーがある。そこに入ってすぐの正面に臨時机がひとつ置かれ、タイム・サービスのウスター・ソースが並べてあった。後で家内から聞いてわかったが、ひとり2本まで買えたそうだ。それを知らない、あるいは広告札を確認しない筆者は即座に1本だけ手に取った。それは最後の10本ほどのうちの1本であった。4時20分で、どうにかタイム・サービスの時間内に買えた。ウスターだけではせっかく来た甲斐がないので、ほかに何か買おうと思って、店内を2,3度周った。だが、どれも高い。それでウスターだけにした。ともかく、道に全く迷わず、筆者の予想どおりに買えたことに大いに満足し、次はムーギョへと向かった。ウスターのスーパーからムーギョまでの道はよく知っているが、いつものように冒険心の湧く筆者は、そのよく知る道を通るのが退屈で、別の道を行くことにした。また一度も歩いたことのない道だ。10年ほど前は畑が目立ったのに、どんどん家が建った。そうした住宅地に入り込むと、あちこち袋小路がある。それを知るので、勘を働かせて、最短距離でムーギョに行こうとした。ところがどうも東寄りに進んでいるようだ。さてどっちへ行こうかと迷っていると、また川が見えた。『これは有栖川ではないな』と思いながら、また右岸を歩くと、やがて立て看板からそれが有栖川であることがわかった。
 さきほどの京都バスの敷地で一旦踏み込めなかった川沿いが、こうしてまた歩けるようになっているのはどの地点からか。それが気になりながら、帰宅してネットで調べればいいと思い、その一方で去年朝のTVで見た番組を思い出した。それは有栖川沿いに暮らすある西洋人の男性とその妻の日本人を紹介していて、ふたりは確か日本の伝統的な仕事に携わっていた。それが何か忘れたが、有栖川沿いとしては見慣れない、そしてなかなかいい景色が写り、番組を見終わった後、その場所をネット地図で確認したほどだ。だが、その頃はそこまでわざわざ行くことはなかった。そして、その広々として眺めのよい有栖川沿いの土地にかなり近いところを歩いているのではないだろうかと思いながら、右岸を歩くと、さきほどと同じように、犬を散歩させる女性や、近所の中年の人々がぽつぽつ歩いている.。筆者は虫ゴムとウスターの入った白いビニール袋を右手に提げ、傍目にはまるでその付近の住民といった雰囲気だろうが、すでに4,5キロは歩いているよそ者だ。有栖川は眼下5メートルほどにわずかに水が流れ、そこに鴨の番が一組いた。のんびりとした感じがよい。川沿いを歩きながら、それがどこにつながるかはよくわかっていたが、その場所に至るまでは歩いたことがない。途中で小学校の校舎が見えた。そして川沿いにびっしりと桜の木があって、その枝のトンネルをくぐる形で100メートル並木が続く。枝は川底に向かって長く垂れ、4月には見事な桜のトンネルとなるはずだ。すぐ左が川、右が学校の敷地で、その間の狭い道を歩くのは、私道をこっそり行く気分だ。夜は防犯上、好ましくないが、ちょっとした桜の名所として地元では知られているのではないだろうか。川沿いに桜を植えることは、桂川では全く禁止され、樹木は枯れるがままにされて、植樹は一切されない。それを思えば、この有栖川沿いの桜は学校の敷地内に根元があって、枝のみが川に向かっているということで許されていると思える。その桜のトンネル並木を過ぎると、やがて四条通りだ。そこに出る寸前の左岸には、今は経営しているのかどうか知らないが、家内の知り合いが経営しているアリスというスナックがある。有栖川宮とALICEは何の関係もないが、音で通じているのが面白い。四条通りに出ると、ムーギョまで400メートルほど西に向かう。最短距離で行こうと思いながら、どんどん方向が東にずれた。有栖川に沿ったからそうなったのであって、住宅地を抜けると、ムーギョの真北に出ることも出来たはずだ。ところが、その付近は住宅が密集しているうえ、わずかに残る畑が行く手をはばみ、目の前に見えている場所に行くことが出来なかったりする。今はどうか知らないが、以前はそうであった。それを警戒し、少々遠くなっても川沿いがいいと考えた。これはリスクを回避する性質によるだろう。虫ゴムを買った時もそうだ。リスクとはイタリア語のリスコ(岩礁)に由来する言葉で、船が海面下に隠れる岩を避けようと、どれだけ遠回りするかだ。リスクを回避すると、かなりよけいな労力を費やす。それを無駄と思う人は、リスクを冒す。筆者はいつもリスクを回避することはないが、どちらかと言えばそうだ。また、リスク回避による遠回りを無駄とは思わず、それはそれで楽しい経験に思えるし、またそうでも思わないと損だという気がしている。
 毎晩こうした長文を書くことは、リスクの回避だろうか。そうだとして、それはどんなリスクか。筆者がこうして書かなくなったとして、どんな岩礁にぶつかる危険が増えるのだろう。はははは、老人ボケかな。また、たとえば、筆者のこのブログを積極的に読む人があるとして、その人はわざわざそんな時間を費やして、それがどういうリスクの回避になっているだろう。リスクの回避とは、縁起かつぎと深い関係があるだろう。誰しも人生の岩礁に衝突したくないと思っている。そのため、少しでもリスクが少ないようにと、あちこちで願をかけたり、祈ったり、内心願ったりする。一昨日は歩道の真中にいた青虫について書いたが、青虫は鳥に食べられないようにリスクを常に回避するように遺伝子が仕組まれているはずだが、にもかかわらず、雨降る歩道の真中にいたりすることはどういうリスクを冒してどういう結果を期待してのことか。青虫を傍らの茂みに戻す時に、くねくねした様子は、いやいやの意志表示で、青虫はそのまま道の中央にいることが、かえってリスクの回避であったかもしれない。つまり、筆者は青虫のことを考えずに、よけいなお世話をしたかもしれない。青虫が鳥に食べられるのであれば、それはそれで鳥にとっては幸運で、筆者が青虫のことを思ってそれを茂みに戻すことは偽善的行為とも言える。話を戻す。トモイチとムーギョに寄ってたくさん買い物をした。買ったウスター・ソースをかけるためのコロッケも買った。やはり慣れたスーパーがいい。それからはいつもと同じ道で、新鮮味はどこにもなく、ただ疲れを感じるだけで、歩く速度もうんと落ちた。帰宅すると5時半であった。ちょうど2時間かけてぐるりと一周して来た。その道筋はだいたい平行四辺形だろうと思い、ヤフーの地図で調べた。距離を測ると9キロほどだ。2時間歩いたのであるから、それは妥当な距離だ。自転車の虫ゴムと、ウスター・ソース1本を買うのが目的でこの距離を歩くとは、よほど暇で呑気な人物と思われる。だが、一度くらいはこうして地元の知らないところを自分の足で歩くのもいい。案外知らないところがあり、また知らない感情を覚える。地図に記した赤い線が筆者が歩いた道筋だが、起点はもちろん阪急嵐山駅前付近だ。この赤線とは別に、筆者が歩く、あるいは自転車でよく行く道筋がある。それは四条通りから南方で、その道筋も同じほどの距離になるだろう。地元に大して愛着があるのでもないが、こうして地図に記すと面白い。今はGPSを使って、自分が歩いた、あるいは自転車で走った道筋を記録することが出来る。以前TVで、ある親子が自転車に乗って、道筋が大きな象に見えるように走ったことを特集していた。地図で予めどこをどう走れば象の形になるかを考え、その通りに走って自宅に戻って来るのだが、筆者はそこまで暇はない。また、そうした遊びは道が非常に多い東京であるから可能であって、京都市内ではどうか。碁盤目状の市中では意外な形は無理だろうが、それなりにデジタルっぽい図形を作るように道を行くことが出来るかもしれない。そういう遊びをしている人たちのサイトがきっとあると思うが、筆者がわざわざ2時間も歩いたのは、歩いた道がどういう形になるかを確認したかったためもある。予想どおりにひしゃげた箱みたいで、面白い形にはならなかったが。
by uuuzen | 2011-11-08 23:59 | ●新・嵐山だより
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