煙る嵐山が窓越しに見える。雨がしとしと降って、山には水煙がたなびき、水墨画のようだ。そんな幽玄の景色を前にしながら、今日は夕方の買い物をどうしようかと迷う。
足元が悪いのは苦手で、傘を持つと買い物もあまり出来ないからだ。食べものは冷蔵庫にあるので、2、3日ほど買い物に行かなくても困らないが、そんな時代になったのは、さほど古いことではない。だが、鳥はどんぐりを地面に埋めて、食べ物が少なくなった時にそれを掘り返すから、どんな生物でも「蓄え」を考え、またそのために行動する。生物の進化はその蓄えの度合いで計られると言ってよく、人間は生物の中では最も貪欲に蓄えを望む。よく言われるように、それは切りがない。そうしたことを悟って、父からもらったものを全部返し、聖フランチェスコという聖人が生まれたが、ジョットが描く、「聖フランチェスコ伝」のフレスコ画をいつか見たいなと思いながら、40年以上経ってしまった。さきほど、『旅物語』と題する旅行案内パンフレットが届いた。それを一瞥しながら、心はアッシジへと飛ぶ。少しでも若い時に海外旅行をしておくべきであることはよくわかっているが、時間と金がないのはいつものことで、あちこち這いずり回るような日々から抜け出すことがなかなか出来ない。それはともかく、ジョットの「聖フランチェスコ伝」には、「小鳥に説教する聖フランチェスコ」と題する絵がある。アッシジに行きたいのはこの絵を見るためだ。それがなかなかかなわないためか、4か月前にTWITTERを始めてからこっち、いつの間にか、筆者こと「ちわゆね」は、さまざまな鳥相手に話すことにし、贋の聖フランチェスコになった。さて、1か月前はTWITTERを始めて
最初の2か月分の投稿を全部掲載した。今日はそれから昨日までの2か月分を載せる。ということは、次の2か月分をまとめて掲げるのは、12月5日ということになる。このTWITTERに日記のように毎日書いている文章に題名をつけたいと思いながら、いいものが浮かばないが、ひとまず「鳥とちわゆねチェスコ」としておく。また、挿絵としてのマンガを添えたいが、描く時間がない。
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●8月5日
「ニンゲンは肉を食べるんだ。特にコッコさんの肉はおいしいので、ケンタッキーのおじさんが油地獄を発明したんだ。」「コケッコー! コッコ殺油地獄! 警察に言おう!」「警察もコッコさん大好きだよ。」「ち、ちわゆね、お前もか?」
●8月6日
「鳩さん、ツバメさん、烏さん、鵜さん、ひばりさん、とんびさーんに猛禽鷲さーん、みーんな雀々集まって。ちわゆねの説教が始まるよピー。」「わしが鳥王じゃワッシ! ちわゆねの聖フランチェスコ模写は我慢ならんぞウオッシ!」
●8月7日
「ちわゆねも油地獄行きになった後のぼくらを食べるんだろコッコ!」「すねてはならぬ。汝は鳥仲間みんなと手をつながないのか?」「仲よく出来るのは鵜さんだけだケッコ!」「すねてはならぬ。おいしい肉がまずくなる。」
●8月8日
「ケッコウコッケイ鶏々さん。ちわゆねの説教を聴かないのピー?」「雀々はじゃんじゃん鳥仲間を集めてケッコーじゃん!」「鶏々さんは、すねてばかりでは肉がまずくなってニンゲンに嫌われるよチー。」「こけにするなコケッコ!。」
●8月9日
「わしが鳥王じゃワッシ! ちわゆねの聖フランチェスコ模写は我慢ならんぞウオッシ!」「鳥王やーい、ちわゆねをこけにすると後が恐いよーケッコー。」「わしが聖フランチェスコの説教を代わってやるぞウオッシ!」
●8月10日
「鷲さーん、猛禽鷲さーん、もう来んといてねピー。」「わしは鳥王じゃワッシ! にらみを利かしてなんぼじゃウオッシ!」「だから誰も説教を聴かないんだよチー。」「聖人ぶるちわゆねもユッケ食うぞ。だまされるなウオッシ!」
●8月11日
「鳩さん、ツバメさん、烏さん、鵜さん、ひばりさん、とんびさーん、雀々集まって。ちわゆねの説教が始まるよピー。」「そんなもん知るかーギー。」「白鷺さーん。どこへ行くのチー。鷺は何でも詐欺だと疑っているんだからピー。」
●8月12日
「白鷺さーん。疑り深いことはよくないよピー。」「詐欺はニンゲンだろ? 鵜を使って鮎をごっそり獲ろうとするから、鷺族は川の下流でおこぼれを漁るしかないよギー。」「ちわゆねの説教を聴く暇があったら苦労しないねチー。」
●8月13日
「鳩さん、ツバメさん、烏さん、鵜さん、ひばりさん、とんびさーん、雀々集まって。ちわゆねの説教が始まるよピー。」「ホーホー、気高いナイトの拙者が駆け回るのは夜だからなホーホー。」「猛禽はもう来んといてよねチー。」
●8月14日
「ねー、ちわゆね。興味のない者は放っておいて、早く説教を雀々聞かせてよピー。」「汝らは何時にさえずりを止めるのだ?」「日が沈めばねチー。」「今日はその頃にお盆のような満月が浮かぶ。それを見て迷走せずに瞑想するように。」
●8月15日
「ホーホー、満月はきれいだが、拙者の姿が丸わかりになってまずいぞホー。」「世の中は危険でいっぱいコケッコ! 毎晩満月だといいのにケッコ!」「ホーホー、気まぐれな美女のような月は、毎晩気分を変えるのだホー。」
●8月16日
「ねー、ちわゆね。満月を見ながら、迷走している様子を瞑想したよピー。」「汝らはいたずらにさえずるだけのさまよえる小禽か?」「それはニンゲンも同じだよチー。ちわゆねだって小鳥相手に聖フランチェスコぶるだろピー?」
●8月17日
「鵜さん、鵜さん、たくさん鮎捕ってももらえるのは一匹だアーユーチー?」「食べ過ぎないのが健康の秘訣だウー!」「ニンゲンに洗脳されてるピー。」「ちわゆねチェスコが言ってたけど、生き物はみんな助け合うべきだって。」
●8月18日
「わしが鳥王じゃワッシ! ニンゲンの説教には我慢ならんぞウオッシ!」「鳥王やーい、ちわゆねチェスコはみんな助け合うべきだってチー。」「ワシや森の福老もそう思っとるから、小禽の弱い奴を選び食うんじゃウオッシ!」
●8月19日
「弱者が食べられるなら、弱肉強食だチー!」「神が創った世界ではそうなっとるが、強い者はいつも好き放題で満腹とは限らんぞウォッシ!」「ぼくも誰かから食べられないように強くないたいよピー。」「お前も小さな生き物食べとるがな。」
●8月20日
「ねー、ちわゆね。弱肉強食が真理なら、みんな助け合うことと矛盾しないのピー?」「仲よくしないのなら、弱肉強食だけの世の中になるだろ?」「仲よしなら、相手を食べられないよチー。」「だから、仲よし相手は食べないでいいの。」
●8月21日
「仲よし相手でない場合は食べていいのなら、ちわゆねチェスコが言う『助け合うみんな』は嘘だねピー?」「相手を食べることが大きな助け合いなんだ。それにみな殺しせずに、少しだけいただき、残さずきれいに食べること。」
●8月22日
「ちわゆねはユッケ食べるのピー?」「聖フランチェスコ気分の時は食べない。」「ぼくらは草食で、猛禽の餌だなチー。」「でも、猛禽の何万倍も仲間がいるだろ?」「数が多いのはニンゲンも同じだけど、誰からも食べられないよピー。」
●8月23日
「猛禽と出会うのは恐怖だピー。結局仲よしになれない相手はいるよチー。だからちわゆねも聖フランチェスコぶって、小鳥に話しかけようとするんだろピー?」「恐いニンゲンがいるけれど、ニンゲンは食べられはしないからね。」
●8月24日
「ニンゲンはニンゲンを食べないけれど、食べ物がなくなればどうかな。」「生き物はみな同じってことだねピー。」「生き物はとにかく生きて行こうとするんだ。子孫を作るのも同じ理由だよ。」「じゃんじゃん生まれて死んで、雀と同じだチー。」
●8月25日
「ニンゲンも雀も、どの生き物にも役割と義務がある。」「それは何? 生きて行くだけではないのピー?」「むやみに殺すなということと、憐れみの心を持つことだな。」「哀れなちわゆねチェスコ! ぼくが友だちになってあげるチー。」
●8月26日
「雀さんは家禽ではないけれど、ニンゲンの棲家の近くでないと生きて行けないから、ちわゆねと友だちになる鳥としては一番ふさわしいかも。」「かも? 鴨さんのように肉はたくさんついていないから、食べられる機会も少ないピー。」
●8月27日
「『いい鴨』という言葉があるように、鴨はニンゲンにとって有益な鳥だな。鴨、カモン!」「ニンゲンはあかんゾー。鴨の肝臓を無理矢理に太らせてフォアグラにして食べるよピー!」「ニンゲンにとって、純真は馬鹿と同義なんだ。」
●8月28日
「ニンゲンはいかんゾー。ニンゲンが近づいても逃げないアホウドリを阿呆と呼ぶんだからピー。」「ニンゲンにとって、無垢は馬鹿と同義だ。」「ではムクドリはバカドリと呼べばいいよチー。」「むっくりしたものは無垢に見えるね。」
●8月29日
「むっくりした鳥は鴨もそうだピー。」「鴨は無垢だからフォアグラ工場にされる。鴨ン、鴨!」「鴨がむっくりしているのは長旅をするからだよチー。」「雀は体が小さいからあまり食べられずに済んでいる。」「たまに焼き鳥にされるよピー。」
●8月30日
「LUNAさんが毎日曲がりくねった長い道を走るように、ちわゆねも曲がりくねった長い60年間を生きて来ました。LUNAさんの輝きのおかげです。」「哀れなちわゆねはまたわけのわからないことを言ってるピー。」
●8月31日
「ホーホー、新月の頃は拙者の姿が見えないのでいいぞホー。」「世の中は危険でいっぱいコケッコ! 新月の夜はなおさらだケッコ!」「ホーホー、ちわゆねもLUNAさんが見えないので気分が暗いようだホー。」
●9月1日
「烏さん、ニンゲンの食べ残しを漁って、ゴミを撒き散らしだねピー。」「それを言えば、ホームレスだって同じようなものだろ?」「だから、どっちも嫌われるよチー。」「誰かが食べ物の掃除をして、誰かがゴミの掃除をするだけだよ。」
●9月2日
「烏さん、日が暮れるのが早くなって、山へ帰るのも早まったねピー。」「こうもりが飛び回る頃に山へ帰るよ。」「どっちも嫌われ者だねチー。」「ニンゲンが勝手にそう考えているだけのことで、気にしない気にしない。」
●9月3日
「烏さん、台風にはさすがにどうしようもないねピー。」「大きな鳥が台風を起こしているとニンゲンは信じていたけど、台風は鳥の神さまかね?」「悪魔だチー。」「ニンゲンもなす術がなくて家にこもってる。お互い退屈だカー。」
●9月4日
「烏さん、台風が居座ってどうしようもないねピー。」「山の木々の陰で風雨が過ぎるのをしのぐしかないなカー。」「全くチー。」「極楽トンボちわゆねはまた出かけるようだけど、雀さん、お互い退屈だカー、カー。」「全くピー。」
●9月5日
「烏さん、昨日は風雨の中、ずぶ濡れになって飛び回っていたねピー。」「台風も威力がなくなったらどおってことないからなカー。」「たくましいチー。」「かわいい七つの子があるから、ちわゆねみたいに気楽トンボではいられないよカー。」
●9月6日
「雀さん、さっきは竹藪で見かけたよポッポ。」「鳩さん、きっとぼくらをおとぎ話に似合う古い連中と思ってるねピー。」「ま、そうだけどクー。」「鳩さんはやっぱり無礼だねチー。」「鳩サブレ食べたいクー。」
●9月7日
「烏さん、なぜカアカアと鳴くのピー?」「雀さんがピーとかチーと言うのと同じだカー。」「ほんとは母恋しいんだよねチー。」「雀さんも同じだカー。わが子がかわいいのも。」「カアカアは「かわいい」の省略形だったねピー。」
●9月8日
「「かわいい」は「可」を「愛す」の意味だ可ー。」「それ、「イエス、イット・イズ」みたいで、なかなかいいねピー。」「可は母でもあるんだなカー。」「烏さんのお母さんはよほど子どもに甘いんだチー。」「雀さんも同じだカー。」
●9月9日
「烏さん、大きくて真っ黒だから目立つねピー。夜行性でもないのにチー。」「雀さんはアサリの貝殻みたいで地味だカー。」「滋味と言ってよピー。」「黒は案外目立たないよ。それにみんなを脅かすにはいいんだカー。」「恐いチー!」
●9月10日
「鵜さん、鵜さん、鮎捕りの季節ももうすぐ終わりだねピー。」「そうなれば、後はのんびり休息だウー。」「鵜匠に飼ってもらって訓練されるのは気分いいのアーユーチー?」「親分の言うことを聞くのはねウー!」「「飼い鵜」だピー。」
●9月11日
「鵜さん、鵜さん、残暑がぶり返して、川潜りは気持ちいいねピー。」「仲間が増えれば害鳥として駆除されるから、満腹になるとは限らないウー。」「だから、「飼い鵜」の方がいいアーユーチー?」「雀さんも増えれば焼き鳥だウー!」
●9月12日
「鵜さん、鵜さん、仲間が増えると餌の奪い合いだろうピー?。」「ニンゲンは増えなくてもそうしているよウー。」「ニンゲンの方が鳥よりも野蛮だねチー。」「雀さんもそう思うだろウー。」「雀でよかったピー。」
●9月13日
「鵜さん、鵜さんはペリカンの仲間だねピー。」「嘴のデカさは負けるけどカー。」「あれ、烏さんの真似チー?」「いろんな鳴き声が出来るんだギャー。」「ぼくらはチッチチッチと平平凡凡チー。」「だから、ひばりさんに憧れるのかウー。」
●9月14日
「ねー、ちわゆね。一昨日は満月だったのに、小鳥を集めて説教をしなかったねピー。」「あのね、「ねちわゆね」はコッコさんも言うけど、ねちっとしていやだね。」「そんな説教は聞きたくないよチー。」
●9月15日
「ねー、ねちわゆね。昨日は蒸し暑くて、ねちっとしたねピー。」「雀さんは着替えられないからかわいそうだね。」「でも、羽ばたいて自分扇風機になれるよチー。」「動くとよけいに暑いよ。」「お互い、木陰で過ごすに限るピー。」
●9月16日
「ねー、ねちわゆねはねちねち言いそうだねピー。」「雀さんもチッチチッチと、ちまちま鳴き事言ってるジャン!」「雀をチャイニーズでジャンと呼ばないでよプリーズチーズ。麻雀パイにされる恐怖を感じるジャンピー!」「???」
●9月17日
「雀さん、雀さん、麻雀パイがなぜ恐い?」「ニンゲンが大麻の葉とぼくたちの擦り身を混ぜたパイで、中毒になるらしいピーピー!」「しかも4人で取り囲んで何時間も過ごすからね。」「チッチチッチ! ニンゲンはやっぱり野蛮だチー!」
●9月18日
「ねー、ねちわゆね。烏さんは夜明けとともに山から降りて来て、あちこちで鳴き合って、ちわゆねも目覚めるよねピー。」「全くそうだよ。おまけに烏さんの後に雀さんが裏庭に来て、チッチチッチとちわゆねに起きろと説教するからね。」
●9月19日
「ねー、ねちわゆね。また台風がやって来るねピー。」「実りの秋だから、食べ物には困らないだろう?」「ニンゲンがかわいそうと思ってるんだチー。」「雀さんは優しいね。」「だって、ニンゲンのそばに住むぼくらだからねピー」
●9月20日
「雀さん、ジャンジャン降るね。」「ちわゆね、大雨を茶化したらいけんピー。」「避難する人から非難されるけん。」「わかってるジャン、チー。」「わかっててもやるジャンキー。」「何か悪いもの食べたピー?」「ジャンジャン食った。」
●9月21日
「ねちわゆね。台風が吹き荒れているねピー。」「鳳さんが怒ってるんだ。」「ひどい話だチー。鳳さんはぼくらの善き神だろチー。」「誰でも機嫌の悪い時はあるよ。」「ねちわゆねもピー?」「ちもろん!」「ちもっ! チッチチッチ。」
●9月22日
「雀さん、この前、烏さんが300羽も空高く飛んでいたけど、まるで不良グループだね。」「ニンゲンたちが残飯をたくさん出すからだよピー。」「それ、警告?」「ニンゲンは動物の神と自惚れているけど、鳳さんに負けるからねチー。」
●9月23日
「雀さん、烏さんが空高く無数に飛ぶ夢を見たよ。」「部屋に蚊でも舞っていたんだピー。」「いやなものを本能が感じていたのかな。」「烏さんが聞いたら怒るよチー。」「ぼくの説教を聞かないしね。」「満月の夜でも烏さんは見えないよピー。」
●9月24日
「雀さん、尾が長いセキレイさんは格好いいね。」「ぼくらより数が少なくて珍しいからそう思うだけだよピーピー!」「妬いてるね。」「違わい! ちわゆねの考えが平凡だからだチッチチッチ!」「平平凡凡は雀さんだよ。」
●9月25日
「ヘイ、ボンジャクさん、秋晴れだね。」「ねちわゆね、何か含みがある言い方だピー。」「たくさん食べてころころ太って、冬に備えなくてはね。」「ちわゆねみたいに重ね着は出来ないからチー。」「まさに着たきり雀だからね。」
●9月26日
(「ヘイ・ジュード」のメロディで)「♪ヘイ、ボンジャク、ドント・レット・ミー・ダウン。」「♪ちわゆーね、ぼくー、何か悪いことしたピー?」「♪ひばりーさんの、鳴き声いつも真似てるよー。」「♪雀の勝手だよー、放っチッチー。」
●9月27日
(「ヘイ・ジュード」のメロディで)「♪ねー、ちわゆねー、ドント・レット・ミー・ダウン、ピー」「♪凡雀さーん、ぼくー、何か悪いことしたー?」「♪聖フランチェスコの、説教真似したがるチー。」「♪凡雀さんも楽しみだしー、いいことだよー。」
●9月28日
「雀さん、平凡なことはいいね。」「ちわゆねは本当はそう思ってないよピー。」「いいや、非凡は目立つけれど、つらさもあるから。」「ちやほやされていいジャン、チー。」「熱が冷めればポイだよ。」「けど、非凡雀になりたいピー!」
●9月29日
「ホーホー、平凡な雀が拙者のような非凡に憧れるとは思い上がりだぞホー。」「猛禽はもう来んといてよピーピー!」「心配するな。拙者は夜に徘徊する動物を狙うんじゃホー。新月の頃は拙者の姿が見えないのでいいぞホー。」「恐いチー!」
●9月30日
「ホーホー、日が暮れるとこうもりが飛び回るが、音を立てないのは拙者と同じだホー。」「森の福老さんはこうもりも食べるんかピー?」「ちもろん! ホー。」「ちもっ! ちわゆねの真似は駄目だよチッチチッチ!」
●10月1日
「セグロセキレイさん、背きれいだねピー。」「雀さんはアサリ貝みたいに地味だからねジッジ。」「雀の勝手だよー、放っチッチー。」「そうするけど、ほんとに平平凡凡だジッジ。」「ふん! さっきのは訂正するよ、背グロだピー。」
●10月2日
「雀さん、秋空の電線にたくさん並んで、遠いところに移住するのかなジッジ。」「ぼくらは集まるのが好きなんだピー。」「たくさんいるから平平凡凡ジッジ。」「目立てば損だチー。」「非凡雀になりたいのに、負け惜しみだジッジ。」
●10月3日
「雀さん、天気いいね。」「ちわゆねは眠たいだろピー。」「雀さんの朝早い鳴き声で起されたからね。」「また嘘を。烏さんの方が早いよチー。」「あんまり早いから夢の中だね。雀さんに起されたよ。」「明朝も夢中で鳴いてやるピー。」
●10月4日
「雀さん、秋晴れだね。」「ねちわゆね、昨日も言ったよピー。」「太ったね。」「実りの秋だよチー。」「病気のもとだよ。」「冬に備えて脂肪を蓄えるのピー。」「脂がのっておいしいかな?」「ちもっ! ちわゆねは猛禽かチー!」
●10月5日
「ちわゆね、一転して雨だねピー。」「雀さんは巣ごもりで太るね。」「いつも話をそこへ持って行くチー。」「肥満に課税する国もあるからね。罪悪だよ。」「誰しも事情があるの。お月さんも毎月太るよピー。」「LUNAほど!」以前の投稿はここをクリックしてください。
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