人気ブログランキング | 話題のタグを見る

●『Feeding The Monkies At Ma Maison』その1
ろりと横になりたくなるのがいつも午後3時だが、今日はちょうど午後3時に、ザッパの90作目の新譜『FEEDING THE MONKIES AT MA MAISON』が意外にも早く届いた。



ところで、明日は朝7時半から地元の小学校に行って、地域体育祭のテントを張り、筆者はそのままそこに詰めて午後4時までは自宅に帰れない。朝7時半ということは7時に起きる必要があるが、最近は毎晩寝るのが深夜3時で、それでは体育祭の間に眠たくなるし、それどころか、トラック一周をまた全力疾走する派目になりうそうで、そんな体力を残しておくには、今日は日にちが変わるまでに寝なければならない。それには今日の投稿を夕方あたりから書き始めねばならないなと、今朝は考えていた。それが予約していたザッパのCDが届いたので、予定していた内容は後日にし、今日から数日はこのアルバムを取り上げようと思う。zappa.comから今回のアルバムの予約受けつけの案内メールが「Fine Dining」の名前で届いたのは、9月2日の金曜日、午前6時50分で、これは今までに買って名前が登録されている人に発送されている。画像つきメールで、その画像を最初に掲げておく。本来は画像をクリックすると、注文サイトに飛ぶようになっている。筆者はメールを見て即座に注文したが、送料込みで32ドル35セント、これは円高のため、通常のCDを日本で買うのとさほど変わらない価格だ。2枚注文して1枚をネット・オークションに出せばよかったが、シンクラヴィアものであるので、ザッパ・ファンでもあまり人気がないだろう。ともかく、22日に発送したとのメールが届き、今日の到着であるから、別段早くもないのかもしれない。紙ジャケットなので、1枚では発送用に段ボール紙の方が厚く、中身が入っていないのかと思わせられるほどで、これならもう2,3枚買ってもよかったか。だが、どんなに重量が軽いCDであっても、送料は複数買っても安くならない。それを思うので、いつも1枚だけ注文してしまう。閉店したバーのMOTERSの古賀さんは、東京のディスク・ユニオンでやや遅れて買っているとのことであったが、直接アメリカに注文する人は案外少ないのか。それはともかく、早速ラジカセで聴きながらこれを買いているが、4日に分けて投稿しようと思う。ただ、そこまで書く内容があるのかどうか。画像つき予約メールの文章にあるように、このCDは生前のザッパがLPの形で発売するつもりであった。それがテープの形でお蔵入りとなり、今回25年ぶりにCDで発売するに当たり、2曲追加して全5曲となった。このことからわかるように、どれも比較的演奏時間が長い。LPではA面に20分12秒のアルバム・タイトル曲、B面は11分35秒の「BUFFALO VOICE」と、6分37秒の「SECULAR HUMANISM」が収められる予定であった。B面の2曲は、かなり短く編集されて、没後すぐに発売された、同じくシンクラヴィア・アルバムの『CIVILIZATION PHAZE Ⅲ』に収録されたが、CDに足された2曲は未発表で、5分31秒の「WORMS FROM HELL」と11分29秒の「SAMBA FUNK」と題されている。
●『Feeding The Monkies At Ma Maison』その1_d0053294_2125781.jpg

 今回のCDの題名を直訳すると「自宅で猿を飼育中」となるが、フランス語を使っているところが、このアルバムを捧げているピエール・ブーレーズを意識したところがある。この「猿」は複数形になっているので、ザッパは同居する子どもたちの騒々しさになぞらえたか、あるいは音楽の音量が大きくてうるさいところから、ゲイルがそのようにように比喩的に語ったのかとも思わせる。アルバムのタイトルは、ファンには馴染みの、ザッパの筆跡だ。これは録音テープの箱に記されていたものをそのまま使ったに違いない。ところで、ザッパが生前どれほどのシンクラヴィア曲を録音していたかは、まだ全貌が明らかにされておらず、そういう中で今回のアルバムが突如姿を見せたのは、正直なところ、意外で嬉しい。ザッパの生前から存在と発売が云々されている『DANCE ME THIS』はなかなか発売されず、またその作品が出れば、ほとんどザッパの聴くべきシンクラヴィアものは終わりかと思っていたところ、それとは違う、またアルバムとしてザッパがまとめていた音源がこうして出て来ることは、ほかにどれほどの未発表音源が眠っていることかと期待を抱かせる。だが、ザッパのロックとは違い、最晩年にのめり込んだシンクラヴィアものを含めてのシリアスな音楽は、ほとんど話題にならず、売れ行きも芳しくないだろう。また、さきに音がうるさいと書いたが、このアルバムはシンクラヴィア音楽だが、『CIVILIZATION PHAZE Ⅲ』に収録されるような、全体にひっそりとした感じの曲ばかりで、猿がわめき立てるような雰囲気はない。各曲の説明は明日以降に譲るとして、まず外見から見るとして、ジャケットだ。画像つきメールとはいささか違って、ディナーの皿を表わした、ジャケット中央の大きな円形は、紙がくり抜かれて、その下に挿入してある絵が見えるようになっている。その絵は画像つきメールと同じだが、3次元に見えるレンティキュラー・レンズを貼りつけてあった、これは昔ローリング・ストーンズが採用したことがある。ザッパにしては初めての試みで、ジャケットのアイスキャンデーにふさわしく、子どもが喜ぶようなものにしたのだろう。だが、よく見ると、色鮮やかなアイスキャンデーは、皿の中央の奥に向かって突っ込んで行き、内部でメルトダウンしている。これが何となく福島原発の炉心融解を連想させ、『CIVILIZATION PHAZE Ⅲ』に込められた文明の崩壊の予兆を再現しているようだ。ゲイルがこのジャケットのデザインを指示したが、3月11日の原発事故については当然よく知っているはずだ。だが、それについて直接言及せず、『CIVILIZATION PHAZE Ⅲ』に収録されてよかった今回の音源を、夏が過ぎてアイスキャンデーが溶けるという、表向きは何でもない事象を用いつつ、内心は燃料棒が溶解して世の中が大変なことになっている状況をほのめかしたかったのだろう。だが、あまりあからさまにそれをやると、抗議も出るかもしれず、そこは熱心なザッパ・ファンだけがわかるような隠喩を使ったということではないか。その行為によって、ザッパが25年前に録音した音源が、きわめて現在的な意味を持って迫って来る。
●『Feeding The Monkies At Ma Maison』その1_d0053294_213178.jpg

 さて、続きは明日にするが、以下の紫色の文章は2003年に書いたもので、ごく一部の人にしか読んでもらっていない。本来はエドガー・ヴァレーズのLPをCDに複製した時に添え文章で、「嵐山だより」のカテゴリー用に書いたものではないが、以前どおりに、ザッパの新譜解説に合わせておまけのように添える。ついでに書いておくと、この紫色の文章は今日を含めて残り4回しかなく、それで「嵐山だより」として書いておいたものは底をつく。そのため、次回発売されるザッパの新譜の解説はどのカテゴリーを使えばいいか迷っている。新しくカテゴリーを増やしたくはないので、今までどおりこの「嵐山だより」がいいかと思わないでもないが、ザッパの新譜だけを説明するのにそれはない。「ザッパ関連ニュース」は大西さんから随時届く、文字どおり、ザッパに関連したニュースのULRを列挙するものだが、そのカテゴリーを使うのであれば、少し画面の体裁を変える必要がある。それはかなり面倒なので、やはり新たなカテゴリーを設けるかだが、ま、次の発売まで数か月はあろうから、その間にどうにかしたい。それはともかく、書き溜めていた「嵐山だより」を止めたのは、パソコン・ライフを始め、当初切り絵作りに忙しかったからだ。そうこうしている間にブログを開始し、そこで、「嵐山だより」的な内容、つまり以前どおりの身辺雑記は、「新・嵐山だより」というカテゴリーに書くようになった。そうか、となれば、次回の新譜は「新・嵐山だより」に投稿するのが理にかなっている。ま、それはザッパ・ファンにはどうでもいいことだが、新譜は届いたその日に書き始めることを今後も続けたい。

●2003年10月23日(木)その1
●『Feeding The Monkies At Ma Maison』その1_d0053294_2134537.jpgフッと溜め息を小さくついて時計を見ると深夜2時半。キモノの仕事の一工程を終えたばかり。このまま寝てもいいがさっき梅田の喫茶店で飲んだまずいコーヒーが効いているのか、眠くない。近所の小学生の女の子のいる家ではここ数日、玄関前に大きなハロウィーンの本物のお化けカボチャが置いてあって、夜になるとそのランタンにローソクが灯っているが、この深い夜の今ではそれもとっくに眠っている。で、濃い紫の染料で汚れた手のまま、ステレオのスイッチを入れてこれを書き始める(というよりワープロで打ち始める書く方が正確)。CDプレーヤーのトレイにはここ数日ウテ・レンパーが入ったまま。そうだ。「ラウンド・ミッドナイト」をリピートでかけよう。この曲の途中のサックス・ソロはなかなか芳醇な香りでよい。彼女の歌声の熱烈なファンではないが、それでも好きな曲がいくつかある。ドイツ語はもとよりフランス語でも英語でも歌うが、イタリア語はどうだろう。歌えないこともないだろうが、まだ聴いたことはない。ウテ・レンパーもイタリアのミルヴァも出演しているワイルの『三文オペラ』のCDでは、ちゃんとミルヴァはドイツ語で歌っているし、年令も経験も大きいミルヴァの方がやはり格が上か。そのCDではミルヴァは飲み屋の娼婦ジェニー役で、レンパーは可愛いポリーを演じている。それから15年経った今ではレンパーもジェニー役を歌えるほど貫祿がついたかもしれない。ヨーロッパ人は数か国語が出来るというのは珍しくない。ところが大国を意識するアメリカ人というのはあまりそうではないだろう。ザッパはドイツ語には少しは興味があったようだが、全く喋ることはできなかった。フランス語も同じ。それでヴァレーズの名前を正確にどう発音するかわからなかった。しかし本当にこの作曲家の名前はどう発音していいのだろう。ドイツ語ではファレゼであるし、英語ではヴァレス、イタリア語ではきっとヴァレセだろう。母国のフランス語でもヴァレーズというより、ヴァレゼが正しい気がする。日本で最初に片仮名表記された時からそのままそれが慣用として使用されているかもしれない。名前の「エドガー」も英語では「エドガード」だ。そもそも名前をどう発音するかよくわからない人物は謎めいた印象を与える。ヴァレーズはその音楽も同じと言ってよい。それはさほど聴き込んでいないからかもしれない。だがそれだけが理由ではない。曲があまりメロディアスではないからだ。部分的にはメロディアスでもそれらが有機的に連なって曲全体をひとつにまとめているという気をあまり与えない。ある曲の断片が別の曲に使用されてもおかしくないところがある。これはザッパの作曲にも通ずる。LP時代にヴァレーズの音楽のみでまとめた盤がどれほどあったのかは知らないが、目下集めたのは4点で、そのほかにLPをCD化したものが2、3枚、CD時代に入ってからの録音が4、5点といったところ。そのなかで最初の録音は十代のザッパが初めて買ったLPはこの『ザ・コンプリート・ワークス・オブ・エドガー・ヴァレーズ、第1集』だ。これを9月1日にネット・オークションで入手した。競争相手は4人いたが、ま、そこそこ妥当な価格で落札した。実は3年ほど前、アメリカ在住のザッパ・ファンのOさんからこのアルバムをカセットに録音して送ってもらった(その時は面識なし)。それを九州のGさん(今も面識なし)に頼んでCD-Rに焼いてもらった。残念なことにそれは複々製であるし、しかもジャケット写真がザッパの買ったものとは違って後年にデザインし直したものだ。同じEMSレコードという会社が発売元だが、ジャケットを変更すればまだ売れると考えたのかもしれない。友人からもらったWINDOWS95のボロパソコンでインターネットを自宅で始めて1年足らず、ひょんなことから少年ザッパが買ったのと同じLPを手に入れることができた。そこですぐにそれを元に紙ジャケットCDを作ることを思い立った。とはいえ自分では何もできない。またザッパ・ファンのつながりを頼りに事を運ぶしかない。Oさんとは昨年夏に面識が出来たが、そのOさん自身がLPからのCD-R化は出来ないので、ほかの手段を考えねばならない。そこで埼玉のUさんに頼むことにした。彼とはまだ面識はない。半年ほど前に彼のホームページを見たことがきっかけで、こっちからメールを送信し、たまにメールを交わす間になった。こういう時は便利だ。つまり『大ザッパ論』を出したおかげで、こっちの名前はザッパ・ファンには知られているから、メールを出す際に自己紹介の必要がない。そのUさんに訊ねると、LPからのCD-R化は可能とのこと。そこで早速頼んだ。一方、その仕上がりを待って、盤面の印刷とその複数生産、それにジャケット作りは三度面識のあるFさんに頼むことにした。それらのプロジェクトXがつまりはこの紙ジャケ・アルバムだ。Fさんは印刷会社に勤務して日夜食品のパッケージ・デザインなどをしているので、パソコンを使用する画像作業はお手のものだ。ビデオアーツが発売しているザッパの紙ジャケ・シリーズのデザインをすべて担当している東京のUさん(二度面識あり)に頼んでもよかったが、彼の場合は紙ジャケ化の仕事をプロでやっているから、無料でとは言いにくい。それに12月発売のザッパの紙ジャケ仕事でそんな暇もないだろう。
by uuuzen | 2011-10-01 21:04 | 〇嵐山だより+ザッパ新譜
●「ENGLISHMAN IN... >> << ●『Feeding The M...

 最 新 の 投 稿
 本ブログを検索する
 旧きについ言ったー
 時々ドキドキよき予告

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
以前の記事/カテゴリー/リンク
記事ランキング
画像一覧
ブログジャンル
ブログパーツ
最新のコメント
言ったでしょう?母親の面..
by インカの道 at 16:43
最新のトラックバック
ファン
ブログトップ
 
  UUUZEN ― FLOGGING BLOGGING GO-GOING  ? Copyright 2024 Kohjitsu Ohyama. All Rights Reserved.
  👽💬💌?🏼🌞💞🌜ーーーーー💩😍😡🤣🤪😱🤮 💔??🌋🏳🆘😈 👻🕷👴?💉🛌💐 🕵🔪🔫🔥📿🙏?