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●消えた梅畑
点観測していたわが家の裏庭の向こうに広がっていた梅畑は、去年6月11日にブルドーザーが入って整地が始まった。筆者に、また地元住民に連絡はなく、全く急なことであった。



土地の所有者は地元に買ってもらいたかったようだが、億単位のことでもあり、それはかなわず、数キロ離れたところの業者が買って、11軒の建売住宅を建てることにした。それが現在5軒の土地が売れ、家は1軒がほとんど完成している。以前にも書いたが、2階建ての木造で、どれも3590万円だ。土地の価格は1坪70数万と聞いた。これはこの付近では高い方だ。昨日不動産に詳しい知人がやって来て、そんなことが話題になった。土地の評価価格は3年に1回見直しがあり、嵐山は駅前にホテルが建ったので、同じ町内のわが家は今後土地の価格が上がるかもしれないとのことであった。そうなっても何のいいこともない。ただ固定資産税がアップするだけだ。知人曰く、京都の代表的観光地として清水と嵐山が知られるが、清水は坂道で、しかも開発の余地は全くなく、外国の資本も含めて、嵐山に目が向いていると言う。筆者が、「50年先にもうわが家はなくなり、全く別の大きな建物が建っているかもしれない」と半ば冗談で言うと、知人は真面目な顔で、「大きなカジノでも出来ているかもしれない」と返す。外国の観光客を日本にどんどん呼び込むには、そういう施設は必要だ。嵐山駅の真横に建つわが家の近辺は、格好の開発区域と言うのだ。実際そのとおりになるかもしれない。50年先と言わず、10年先にそうなっているかもしれない。ある人から先日耳にしたが、嵐山駅からはわが家よりもっと離れたところの土地価格が急速に高騰しているそうだ。駅の真横であればなおさらで、いずれ開発業者がわが家を訪れるかもしれない。となれば、今裏庭の向こうに建ち始めている建売住宅はどうなるのだろう。そこは駅からすれば小川兼用水路の向こう側なので、わが家よりも再開発の対象になりにくい。またなったとしても、11軒程度であれば、大きな資本からすれば買収は簡単だ。アメリカのリッツ・カールトンが川端二条のホテル・フジタを買収し、そこに新たなホテルを建てることになったが、先日のネット・ニュースでは沖縄にもホテルを開業したか、するらしい。儲かることに目をつけるのが、そうした大きな資本であるから、日本を観光都市として儲けのネタと見る場合、京都、そして嵐山に目は行くのは必至だ。リッツ・カールトンは嵐山にも進出するという噂が地元では流れていて、いったいその場所がどこにあるのかと、みんな頭をひねっている。ホテルが建つ場所はひとつふたつはあるが、そうした予想とは違って、古い住宅地域を丸ごと買収し、そこに建てる可能性もあるだろう。わが家の建つ近辺はそんな条件にかなうかもしれない。筆者が嵐山に住んだのは、車の免許を持たない筆者が移動するには、駅の真横が最適と思ったからだ。大阪梅田にも1時間以内で到着出来るのであるから、こんな便利なことはない。もちろん、ここ20年で駅前マンションは大流行し、阪急のどの駅前にもそういう建物が出来た。だが、便利であるのは当然として、その次にほしいのは、自然豊かな環境だ。嵐山はその点、ベストだ。それがそうでもなく、にわかに騒々しくなって来たから、筆者も次に住む土地を考えねばならない頃かもしれない。どこででも仕事は出来るし、嵐山に執着もない。だが、転居するとなると、まず経済的な問題がある。
●消えた梅畑_d0053294_19373347.jpg

 さきほど珍しく昼間から買い物にムーギョに行った。松尾橋のたもと、松尾橋バス停前では、大きなマンションが3棟と、一戸建て住宅が30数戸建つことになっていて、その整地が終わっている。歩道沿いに大きな看板が3,4つ立っていて、完成図や価格が書いてある。それを見ながら、随分安いと思った。マンションは70数米で2000万円台だ。これならわが家と同じくらいで、この四半世紀は家の価格が全く値上がりしなかったかのようだ。しかも、筆者は現在からは信じられないほどの高いローンを組み、銀行から借り入れた価格の2倍以上の金額を支払った。また、昔は建設業者も大儲けした。もっとも、梅津と嵐山では土地の価格が違うから、一概に比較は出来ないが、それでも家の価格は昔に比べると半額ほどになった感がある。これは、人口が減少しているのに、家がどんどん建つことと関係している。つまり、建設業者の生活のために、とにかく永遠に家をたくさん造り続ける必要がある。梅津のその大型建設では、「100年住宅」という文字が躍っていた。これを見て筆者は失笑する。30年もっと前だったか、サクラ・フィルムが、100年プリントというのを大きく宣伝した。100年色褪せないというのだが、当時の写真は変色している。だが、それに文句を言う人はないし、またサクラ・フィルムにしても、「あんたの保存が悪かったから」と理由をつけるに決まっている。同じことが「100年住宅」にも言える。100年後のことを誰が覚えているか。誰も覚えていないことをいいことに、100年はそのまま持つと宣伝するのは詐欺ではないか。しかるべきメンテナンスをしっかりとやり続け、大地震がないという、安定した条件下でどうにか100年は持つという理由づけをするに決まっている。だが、それならば、日本のどんな家屋でも100年以上は持つ。ともかく、新しい家に住むことは、日本ではだいたいの人にとっても大きな夢であって、際限なく家は建つ。そして、古い家に住む古い人は、自然に消えて行く。筆者もその仲間に入っているが、古い家はそれなりに愛着もある。もし、毎年新しい家に引っ越して生活すれば、その人のさまざまな感覚は普通の人とどう違って来るだろう。何でも新しいものがいいと思うか、あるいは古いものに憧れるか。養老院に住むには、自分の身の回りのものを大部分処分する必要がある。そして、それを何とも思わない人と、そうでない人があるだろう。たくさんの物を残して死ぬと、どうせそららはゴミになるから、愛着のある物は生きている間に行き先を考えてやるべきと思うが、その手放す時期が難しい。ぐずぐずしている間に、結局何ひとつ処分出来ないまま御陀仏になりかねない。そう思えば、物も家もどうでもいいものであって、生きている意味はいったい何かを改めて考える。
●消えた梅畑_d0053294_19375521.jpg

 話を戻そう。わが家の裏庭の向こうに建ち始めた家の建設の様子も撮影し始めているが、昨日も掲げた梅畑の写真のように、梅の木が生えている畑のごく狭い範囲を毎回写真加工するわけには行かず、撮り放しのまま、ひとまず全部ヤフー・フォトに保存している。狭い範囲を加工出来ない理由は、畑が大きく、その全体に家が建て込むからだ。そのため、定点観測はすものの、定点観測的な写真はもう加工出来ないと思う。ところで、昨日の写真は、畑の一角にブルドーザーがすでに入って、その轟音を耳にしながらベランダから撮った。そして、同じ範囲内にブルが侵入して来た、同じ日の写真を今日は2枚掲げる。畑がいくら広くても、作物や樹木を一掃するには1日で充分だ。ざっと土を掘り返した後、宅地にするための整地に日数を要したが、完全にその作業が終わったのは10後の21日であった。その写真も今日は掲げるが、整地された畑の畦道を挟んで向こう側の畑もその後手入れはされなくなり、雑草が生い茂っている。これも家が建つのは確実だ。ともかく、梅畑定点観測のカテゴリーは今日で終わる。去年6月に梅畑が消えていたのに、その最後の写真を1年3か月も遅れて今日投稿することになった。この梅畑に関しての最後の思い出を書いておこう。ブルが入った当日、筆者は畑に走って、なぎ倒される寸前の梅の木に出来ていた梅の実を、ブルの運転手に断ったうえで収穫させてもらった。数本の木のうち、実が出来ていたのは1,2本だった。好きなだけ持って帰ってよかったが、全部収穫すると数千個もあったろう。大きな実ではないが、ちょうど収穫時期だ。かわいそうに、その梅の木はそのままではブルにゴミとして処分されていた。筆者が考えたのは、長年見慣れたその梅の木をわが家で再生させることであった。その場所としては、買って4か月経っていた隣家の裏庭があるし、また、小川沿いの狭い道でもよい。そう思って、今年の2月はその道の下の瓦礫掃除に精を出した。ところが、その作業は2メートルほどを残して中断した。両手の小指を痛めてしまったことと、瓦礫があまりに多く、その処分に困ったからだ。瓦礫のうち、大きな転石は掘り起こした小道の護岸代わりに積み上げた。また、さまざまなゴミは分別して処分したが、陶器やガラスの破片はまだそのまままとめてある。また、その小道にいずれ梅の木を蘇らせるとして、まずは発芽させねばならない。それで、ネットで調べて、収穫した実の果肉を水に浸して除去し、中の硬い種子だけを冷蔵保存し、今年の2月に鉢植えした。10数個の実を使った。土が変わってはよくないと考え、実を収穫したと同時に、梅の木の下の土を10キロほどもらって来て保存しておいた。それを大きな鉢4つに分けて入れ、そこに冷蔵保存していた種子を植えた。だが、残念ながらどれも発芽しなかった。再生の夢は断たれた。梅の実は大量にもらっていて、発芽用以外のものは、大人でも抱えるのに苦労する大きな瓶に放り込んで梅酒にした。その梅酒は、梅酒用のリカー以外に、NHKの放送で見た極上の梅酒の作り方を参考に、大吟醸酒を1本加えた。4リットルだ。そのようにして漬けた梅酒、ちょうど1年目の6月下旬に試飲したが、あまりおいしくなかった。砂糖の量をやや少なめにしたことと、まだ熟成していないからだろう。ウィスキーのような琥珀色になっているが、もうしばらく寝かせて飲み始めよう。裏庭にあった梅の木を思い出しながら。その畑に棲むてんとう虫は毎年冬になると、これを書いているすぐ際のアルミサッシの大きな窓の隙間に数百匹も集まった。それを驚かさないように、めったにその窓を開けることはしなかった。そして、春が近づくと、てんとう虫は這い出し、筆者に畑に放ってくれと懇願した。そして、ベランダに出て、1匹ずつ掌に載せてやると、必ず指先にのこのこ移動し、そこで背中をパカッと開いたかと思うと、畑に向かって下降して行った。畑がなくなり、てんとう虫も来なくなった。老いるとは、親しくしたものが順に消えて行くことだ。だが、消えなければ新たなものは生まれない。やっかいなことだ。
●消えた梅畑_d0053294_193894.jpg

by uuuzen | 2011-09-07 19:38 | ●新・嵐山だより
●TWITTERを始めて3か月 >> << ●嵐山駅前の変化、その139(...

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