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●にぎにぎもさもさ
を外壁に生やすと室内の温度が下がるというが、一戸建てならいいが、集合住宅では勝手なことは出来ない。蔦が生えても外壁を侵食しない点はよくても、取り払った後、直径1ミリほどの吸盤状の根の跡がびっしりと壁面につく。



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これの除去が外壁塗装の際に邪魔となる。近年目立つのは、朝顔などの蔓性植物を壁面に沿わせて成長させることだ。これならプランターで充分で、陽射しが弱まる秋になればプランターごと植物を移動させればよい。ムーギョ・モンガへの途上にそうした光景をいくつか見る。どこも見事に壁面が緑の繁茂に変わっていて、部屋の内部が数度は低いのではないか。節電の一方法として、蔓性植物をにぎにぎしく、もさもさ状に成長させることはよい。コンクリートの灰色とは違って葉の緑が楽しく、また時に花が楽しめ、また実が収穫出来るとなれば、一石数鳥ではないか。大阪中之島の無粋な関電ビルも、蔓性の植物を壁面に生えさせればいいが、あまりに巨大なビルなので、蔦が生えるとしてもてっぺんの階までは無理だろう。昨日書くのを忘れたが、今月6日に「つぶろぐ」に投稿した俳句「夕焼けが 飛行機雲で 二分され」が念頭にあったため、昨日の投稿の最初の、節電の垂れ幕が電線で二分された写真の構図を決めたのかもしれない。無意識の行為に似て、それは以前の行為とつながっている。それが時に成長と呼ぶべきものだろう。ところで、蔦はどのくらいの高さまで生えるだろう。近鉄大阪線から見える久宝寺を走る外環状線の橋脚のいくつかは、蔦でほとんど全面を覆われていた。成長の高さは地面から30メートルはあるのではないだろうか。成長の具合は、地面の栄養と陽射し、水分が関係するが、条件がよければ、ジャックと豆の木ではないが、100メートルの高さまでも伸び続けるかもしれない。そんなことを実感したのは、「芸術の森」と呼ばれる兵庫県立美術館だ。先日、2か月ぶりに行ったところ、表の道路に面した壁面に蔦が今まで以上に生えて、森らしく見えた。この美術館はコンクリートの巨大な箱で、内部があまりに広く、また特別展の会場に行くのにエレベーターを降りてもぐるりと階段部屋の周囲を回る必要があるなど、鑑賞者に優しい配慮がなされていない。そのことを筆者は当初から文句をこのブログに書いて来たが、「芸術の森」という形容の意味がこの蔦によって、ようやくわかる気がしている。だが、蔦が安藤忠雄の最初の構想に折り込まれていたことなのかどうか、そこが気になる。殺風景はコンクリートの打ちっ放しを植物で覆うのは、建築家にとっては自作の意味がほとんど見えなくなることでもあろうから、この蔦が今後どのように扱われるのか注視したい。蔦はわが家に裏庭にも自然に生えて来て、1年ですっかり隣家との境のブロック塀を越えて隣家に侵入するほどで、その始末が大変だが、兵庫県立美術館の蔦はどうなのだろう。自然に生えて来たものか、植えたのものかだ。そう言えば根元に接近して確認することを忘れた。普通はコンクリートの建物はコンクリートの地面につながっているはずで、土の隙間はまずない。それともわずかな隙間があって、そこに種子が飛来し、成長を始めたものか。あるいは、安藤が設計段階で、将来的に全館を蔦で覆うことにし、そのための土の地面を壁面下に用意したかだ。現在の調子で全館が蔦に覆われるのには、10年はかかるだろう。だが、秋になれば紅葉するし、冬は落葉し、季節によって様子が違って見えるのはいい。この美術館の付近はとかく緑が少なく、殺風景の代表的景観であるので、「芸術の森」の名にふさわしいように蔦が増えてほしい。
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 この美術館は、エントランスの蔦の壁面を右手に見ながら奥に進み、突き当たりのガラスの扉を開けて内部に至る。そして、内部に入ってすぐ右に大きく折れる必要があって、全館がどのように部屋が構成されているのか、何度行ってもわからない。それは全館をくまなく見ることがないからでもあるが、その迷路のような内部を「森」とたとえたのかもしれない。わかりにくさを魅力と捉えろということなのだろうが、それは親切ではない。老人はおそらく敬遠するはずで、万人に開かれている建物という感じがしない。設計の理念が明確化していないと言ってよい。内部は変更のしようがないだろうが、外部はそうではないと認識されているようだ。4月3日に『森村泰昌 なにものかへのレクイエム-戦場の頂上の芸術』を見に行った時、エントランスに変化があることに気づいた。『森村泰昌展』の2枚目の写真の左端に少し写っているが、道路から入ってすぐに、厚さ10センチはあろうか、アクリル製の半円形の展示空間が設置させている。3,4人が入れば満杯になるような小さな空間だ。それは通りを歩く人が無料で見ることの出来るもので、半円形のその建物と呼んでいい空間に入ると、眼前の半円状の液晶画面で開催中の特別展の概要を紹介する映像を見ることが出来る。4月3日にその写真を撮ったが、『森村泰昌展』では投稿しなかった。もう1枚投稿しなかった写真がある。それを今日掲げるが、半円形アクリル建物から50メートルほどだろうか、エントランスの突き当たりの梁に英語でこの美術館の名前が記されたことだ。確か以前にはなかった。その名前は青で記され、また文字の背後に光がともって、夕暮れでも目立つようにしてある。エントランスをこのように賑やかにするのはいいことだ。以前の殺風景さが評判が悪く、このように改装したのではないか。だが、エントランスに当初なかったものを設置したり、また目立つ表示をするなどの行為は、建物の印象を変えるため、設計者の安藤の許可を得る必要があろう。そして、安藤がそれを積極的に認めたのか、渋ったのか、そこも気になる。エントランスの変化はその後も続いた。6月に『カンディンスキー展』を見に行った時はデジカメを持参しなかったので撮影出来なかったが、先日はその新たな変化を撮って来た。それは蔦の生える壁面の向かい側の長く続く壁面の一番下に、虹色に変わるLEGのロープ・ライトを設置したことだ。その灯りに導かれるように、エントランス突き当たりまで行くと、梁に館名を表示したガラス扉がある。その向こう側の館内はうす暗いが、ロープ・ライトがガラスに映って、表側からは内部まで灯りが続いているように見える。つまり、効果は予想以上によい。この単純なロープ・ライト1本で、美術館の印象ががらりと変わった。それは森のイメージにはふさわしくないものだろうが、道に迷いそうな森の中に、アリアネドの糸のように、灯りのロープがあるのはいいことだ。
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 エントランスの殺風景さがそのような装飾によって順次にぎやかになって来たことは、関西人好みと言っていい。これ以上何かを設置すると今度はうるさくなり過ぎるだろうが、蔦だけはどんどん繁茂して、壁面の直線的な様子をもさもさで覆うのがよい。もしそうなれば、関西ではほかにはない蔦の館となって、それが見所のひとつになるのは間違いない。蔦は放っておいて平気だが、勢いよくもっと手早く成長させるには、植木屋の意見を聞いて栄養も与えた方がいいだろう。蔦のような植物は、LEGのライトやアクリルの液晶画面による宣伝と違って、落葉を清掃する手間がかかる。秋になると、毎日掃除しないとコンクリートの上では見苦しくなるかもしれず、掃除のための人件費が予想以上に必要となるかもしれない。だが、そういうことこそ、美術ボランティアに協力してもらえばいいのではないか。日本はコンクリートの建物さえ建てればそれでよいと思っているところがある。実際はその内部のものが何十倍も大切で、その一方で維持費も計上しておかねばならない。となれば、大き過ぎる建物など不要で、コンパクトでも居心地のいいものを目指すべきだが、兵庫という貫禄を示すためには、巨大な美術館で人を圧する必要があったのだろう。それだけ大きなものを建てたのであるから、維持費もたっぷりと使ってもらい、蔦の手入れや清掃をけちってほしくはない。だが、人はさまざまで、蔦が気持ち悪いので、全部刈り取って、当初の何もない姿に戻してほしいという意見もきっとあるだろう。節電は自然をうまく利用することでかなりの部分が役立つ。蔦は直射日光を遮り、部屋の内部の高温化を防ぐと同時に、蔦は光を浴びて喜ぶ。都会がコンクリート・ジャングルになったために、たとえば今日も今年一番の暑さを記録するという猛暑になる。「森」を言うのであれば、人工的な何かを設置してにぎにぎしくすることとは別に、植物を増やして目を楽しませてほしい。最後に改めて書いておくと、今日の4枚の写真のうち最初の2枚は先日、後半の2枚は4月3日のものだ。また、先日同館で見た展覧会については後日書く。
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by uuuzen | 2011-08-18 17:40 | ●新・嵐山だより
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