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2009年09月27日●第 126 話
米粒ほどの取るに足らないマニマンは、爪に火を灯すように過ごしていることを自覚する時があります。電気のなかった頃、夜の明かりのローソクや油はとても高価で、貧乏人には無縁で無煙でした。自分の爪の先を燃やせば熱さで飛び上がってしまいますが、何も買えないのであれば自分を燃やすしかありません。それでマニマンは考えました。爪先というケチなことではなく、全身を燃やせばもっと明るくて目立ちます。そうしてマニマンは全身が8個の燃える宝珠となったのです。そんなマニマンはオニビシを育てている裏庭の火鉢のそばで1匹のてんとう虫を見つけ、心に小さな火を灯しました。そして爪に火を灯すことを思い出し、指先に乗せました。てんとう虫は米粒ほどの小さなポロンとした存在ですが、全身でピカッと燃え輝いています。毎年晩秋になると冬越しをするために、マニマンの部屋の扉の隙間にピカポロンツァたちが大量に集まって来ます。マニマンの指先のものも、1か月ほどすればその仲間に混じってやって来るかもしれませんが、米粒ほどですから、マニマンにはどれか区別がつかないのです。
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