2009年09月19日●第　１１８　話

　●頭（こうべ）歩っ記　７

こうべを垂れながら坂を下りていたマニマンは、路上に泰山ボックンの花芯が落ちているのを見かけました。こうべを上げて空を仰ぐと、街路樹として泰山ボックンの木が何本か立っていました。梅雨時に開花し、この３か月ほどで花芯も用済みになったのです。泰山ボックンの花芯はとても硬く、また宝珠を細長く伸ばした形で、マニマンは好きです。『青空の中、なかなか凛々しく立っていますね。泰山ボックンさん』『ハイ、仲間同士で並んでいるのは楽しいあるねックン』『宝珠型の花芯を持った泰然自若な姿はゆうゆうゆうぜんがモットーのマニマン好みですよ。泰山ボックンさん』『ハイ、マニ山大花と呼んでもいいですボックン』『でも大雨の日にはナメクジがナメナメ跡をつけながらナメナメ這い上がって来るでしょうし、大きなラーメン椀みたな花ですから、中に水がメッタ溜まって堪らないでしょう？ 泰山ボックンさん』『あんた、見上げながらいろいろ想像するのうまいねックン、さては中華料理でも食べた後であるなボックン』『いえいえ、わが家の近くに大きな泰山ボックンが立っていて、親しみがあるのですよックン！』