2009年09月05日●第 104 話
「おにおにっ記」を始めた頃からマニマンは、毎晩往復1時間半ほど歩いてスーパーに買い物に行くようになりました。ママーニが外で働いているので、せめて料理を作ることにしたのです。そのスーパーを「ムーギョ・モンガ」と名づけたのは2年半ほど前です。また、それより1年前には、電車で1時間半ほどの駅前に「アマゴッタ」という看板と、そのすぐ近くに鉄の球体がいくつも置かれているのを見て、大きな球体を「ゴッタ」と呼ぶことにしました。マニマンがゴッタに惹かれるのは、マニマンの体で燃える8個の宝珠が本来ゴッタであるからです。つまり仲間意識です。ムーギョ・モンガは食材スーパーでゴッタは売っていませんが、鯛やブリのアラを煮ると、小さなゴッタとなった目玉をドロリと外せますから、ゴッタはあらゆるところにあると言えます。ゴッタの中でマニマンが一番好きなのものは、もちろんムーンゴッタです。満月の今夜、マニマンはムーギョ・モンガ前で信号や街灯に混じってムーンゴッタが光っているのに出会いました。マニマンはムーンゴッタに気づくと、いつもドキリとします。※
3日前の月を見ながら、昨夜が満月であることを知っていた。雪がまだあちこち残っているが、昨日はさほど寒くなかった。それでまた裏庭の瓦礫掘りをした。深夜12時前頃に、裏庭に出た家内が、月が頭上にあると言う。満月は移動するので、毎月どの方角でそれを見るかはわからない。また、かつて見た満月にそれなりに思い出が深いことがあって、ある季節のある時刻のある場所に上がった満月は、別の満月とは違うものという気がしている。昨夜の満月は、雲ひとつない夜空にあまりに眩しく照っていた。こんなに明るい満月は今までになかった気がする。庭でそのまま読書が出来るかと思えた。そんな満月に照らされた瓦礫の山や、畑の向こうの家の屋根に残る雪など、俳句になりそうなものがいくつも目についたので、その後布団の中で眠りに入る前に、一句作ろうと言葉を選んで組み合わせたが、気づけば朝であった。目覚める前にとても印象深い夢を見た。その内容のひとつを書けば、カメラで古い大きな木造の宿や、黄緑色が鮮やかなポプラの木、またその幹が異様に膨らんで現代彫刻のようになった別のポプラの木などを角度を選びながら撮影しているものであった。昨夜満月の写真を撮ったからであろう。