2009年09月02日●第　１０１　話

　●頭（こうべ）歩っ記　２

２時間近く電車に乗るからには、気になっていた初めての場所を訪れるのが観光気分になれていいです。でも、なかなかそれが実行出来ません。最近始まって、毎週見ることにした韓国のＴＶドラマ『スターの恋人』では、マニマンが昔から知りながら、正確にはどこにあるのか知らない、山手の展望台のような施設がロケに使われました。いい機会なので、展覧会のついでにそこに行ってみようと思い、ネットで地図を印刷してママーニと出かけました。街は南北方向はわずかで、海辺からすぐに山が迫ります。坂を上り始めた時、古い赤煉瓦の塀が見え、そこに古くて赤い円柱型のポストが立っていました。近頃ではめったに見かけないものです。マニマンが小さかった頃、こうべを上げ、腕を伸ばして、同じ形のポストによくハガキを投函しました。ポストが大好きだったのです。その筒を通じて他の世界とつながっていることがとてもロマンティックに思えました。塀沿いのポストの写真を撮りながら、マニマンは遠い昔のそんな自分に手紙を出したいと思いました。それで帰宅後、こうしてこの文章を綴っているのです。