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●京都嵐山花灯路、アゲイン
かりに虫が寄って来るように、青い灯、赤い灯の繁華街には多くの人が集まり、さらなる人集めに灯が利用される。渡月橋の歩道際の照明は、嵐山に年中観光客が絶えないようにとの配慮からで、地元の商店主たちが動いた結果出来たものだろう。



●京都嵐山花灯路、アゲイン_d0053294_1838090.jpg祇園の一力茶屋界隈は電柱を取り払って景観に配慮しているが、嵐山でも同じことをしてほしいと一部の人たちが望んでいる。先日写真を載せた嵯峨芸術大学前の蜘蛛の巣のような電線ほどではないが、地元で商売をしている人から見れば無粋に思えるのだろう。筆者は気に留めたことはないが、美しい嵐山をもっと美しくしたいという考えは理解出来る。電線を地下に埋めるのはそうとうな費用がかかる。嵐山といえども、それを自治体は許可出来ないほど台所事情が苦しいのだろう。それに、そうした工事費を投入した結果、嵐山で商売をする人たちからどの程度の税収の増加があるかを比較検討する必要がある。また、電線の地下化を嵐山のどのエリアに限定するかだ。これは当然旅館を中心とした、つまり渡月橋界隈であるはずで、それならそうした人たちだけで費用を出し合って工事の許可を取ればいいようなものとも思える。税金を投入するのに、ごく一部の商家だけがその恩恵を蒙るのでは、自治体は許可もを出しにくい。祇園が許可されたのは、歴史的景観を保つためで、その点で言えば、嵐山は国有林になっている嵐山が基本であって、渡月橋はその次、ましてその界隈はほとんどどのような建物が建って営業しようがかまわないという考えだろう。もちろん法律を守った範囲での建築だが、渡月橋より南は、阪急駅前に4階建てのホテルが来秋竣功するなど、都会の中心と何ら変わらない都市計画となっている。そして、そんな場所での電線の地下化が、はたして必要だろうか。嵐山を美しく後世に残したいのであれば、駅前ホテルはもちろんのこと、渡月橋界隈の旅館料亭など、みんな平屋の日本建築にするか、いっそのこと立ち退かせるべきではないか。現在のように渡月橋ぎりぎりまで4階建てに匹敵する高い建物が密集したのは、嵐山に観光客がたくさん訪れるようになったからで、それゆえの商売繁昌が市の税収アップつながり、またさらなる税収のためには、たとえば電線の地下化という希望を発している。それは当分無理として、ここ数年嵐山が力を入れているのは、清水寺と同じ花灯路(はなとうろ)だ。阪急駅前から嵯峨の竹林辺りまで、歩道両脇に数メートル間隔で木製の行灯が置かれる。この電気代はその行灯を置く家が持つが、年々行灯の数は多くなっているのではないだろうか。
 行灯は清水寺の参道前に置かれるものの使い回しだ。これは京都花灯路推進協議会事務局が担当している。この事務局は、京都府、市、商工会議所、仏教会、観光協会、文化交流コンベンションビューローとなっている。花灯路は筆者の自治会に所属する家も参加しているが、会長の筆者には全く連絡がないところ、自治会とは無関係に実行されている。今年は12月10日から19日まで行なわれた。筆者は数年前に天龍寺前辺りまで行って、あまりの寒さに家に引き返した。それ以降、まともに見たことがない。家の前に行灯を置くこと以外、法輪寺では演奏会があったり、また嵐山をライトアップしたり、嵐山と嵯峨地区内で催しが多い。そうした意気込みに比例して観光客がお金を落として行ってくれるかとなると、これは天候次第でもあるだろう。今年のように暖冬気味ならばまだ人は目立つが、冷たい雨が降っていると、暗がりの中、行灯の光だけが点々とさびしく灯ることになる。灯かりをたくさん用意すれば人が蛾のように集まるという発想は、なかなか思うようには行かない。だが、毎年続けている間に行事として広く認知されるという思いだ。何でも2、3年ですぐに効果が出るということはない。気長に10年、20年とやってこそだ。わが家からは嵐山が半分ほど見えるが、花灯路の時期は山がライトのために雪を被ったように白く見える。それに、法輪寺境内での演奏会の歌声が時に風に乗って大きく響く。地元の人はほとんど見に行かないと思うが、暗がりでもあり、人の顔は間近でないとわからず、どの程度地元の人が鑑賞しているかは知らない。郵便局で先日この嵐山花灯路の切手が売られているのを見た。10年ほど前から急増したシール切手で、1シートに10点ほどの写真を使用した切手がデザインされている。そのうちの2枚が法輪寺を写したものであったと思う。ついでながら、このシール切手は、正式にはフレーム切手と言い、自分でデザインしたものを作ってもらうことが出来る。1000シート以上ならば、シートの余白に好きな写真などを印刷してもらえるうえ、切手内の印刷も精度が上がるようだ。80円切手10枚で1200円で、10枚はそれぞれ別の写真が使える。1000シートでは120万円となって、筆者はこれを利用して切手を作りたいと数年前から思っている。法人ならば120万円程度なら端金だが、個人となると躊躇する金額だ。1000シートも作ってどうさばくかという問題があるが、筆者は1000シートを全部そのまま手持ちにして、わずかな数しか人にはわたさないようにする。あるいはどんどん小包や手紙に貼って使用し、未使用のシートはわずかしか残さないようにするのもいい。
●京都嵐山花灯路、アゲイン_d0053294_18174267.jpg

 話を戻す。花灯路の散策マップが阪急嵐山駅前に置いてあったので一部もらって来た。4つ折りになっていて、内部の第1面は地図、2から4面は、催しをずらりと紹介している。大半は嵯峨地区でのものだ。中の島公園では例年どおり嵯峨芸術大学の学生が作った巨大行灯が据え置かれていた。これは同大学の附属博物館に面を見に行った9日の夕暮れに設置工事を見た。花灯路の前日というので、一斉にあちこちで行灯を設置し始めていた。寒い中、なかなか御苦労なことだ。先に書き忘れたが、家の前の行灯は、確かに徒歩の観光客にとって情緒はあるが、渡月橋から南、阪急嵐山まで至る間の数百メートルは、バスが擦れ違うのに大変苦労する幅の狭い道で、歩道はない。そこを筆者は2、3日に一回は自治会の配り物を持参して組長の家を回るが、人身事故がないのが不思議だ。筆者の体の数センチ横をバスや車、保津川下りの舟を4、5隻載せたトラックなどがひっきりなしに走り、いつも巻き込まれないかと恐怖を覚える。そして、そんな道であるのに、花灯路の期間は、さらに行灯の列が道を狭める。正直な話、迷惑だが、これも嵐山の活性化には協力しろということだ。さて、野宮神社や大河内山荘辺りまで、いくら足元を行灯がロマンティックに照らしてくれようが、恋愛中でもないおやじとしては、寒い夜中に歩く気はしない。それで、今年の花灯路に関しては何も書くことはないが、わが家から一番近く、いやでも目につく行事があるので、それについて書いておく。それは、阪急嵐山の臨時改札口のある円形階段を利用して行なわれる「灯り・嵐山美術館」だ。「嵐山美術館」とはなかなか立派な名称だが、実際は「館」ではない。これは嵐山や嵯峨の小学生が作った行灯を階段に並べ、その背後に法輪寺や渡月橋の児童による絵画を貼りつけた展示で、作品を作った小学生やその身内だけが喜ぶようなものだ。とはいえ、行灯に灯りをつけたり、また背後にパネルを設置して絵を貼るなどの手間は、大人が10名ほどやって来て1日がかりで行なうから、手間はかかっている。今年筆者はたまたまその設置と後片づけの双方を見ることが出来た。そして、設置日、つまり12月9日は、風のために、行灯のいくつかが紙が破れて無残な形になっているのを見かけた。係に人はそれを直さなかったので、筆者が家から紙と糊を持参して補修した。
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 行灯はよく見ると、俳画になっている。俳句はどれもそれなりによく出来ている。嵐山や嵯峨の地元に因む俳句ばかりで、これは先生が指導したのだろうか。中に「京菓子はみんなきれいでおいしいよ」と書いたのがあって、和菓子を描いてある。日が3つもある「晶」という字は、何となく米俵の積まれた様子か3つの宝珠を思わせるが、この名前は男子だろうか。食べ物について書いたのはこれのみではなかったかと思う。京都の宣伝として大いによろしい。花灯路の目的をこれ以上よく体現したものはない。作者の所属は「京都嵯峨学園 広沢校」とあるが、これは調べると、小中一貫推進校ということだ。この「灯り・嵐山美術館」の去年の様子が、先の4つ折りの散策マップに小さな写真が載っている。それが去年のものとはっきりわかることがある。先日GOOGLE EARTHを見ると、この円形階段の前が写っていて、そこには行灯が並べられている。その行灯、そして背後の写生画が、散策マップに載る写真と同じだ。GOOGLE EARTHは早朝の撮影で、男性がひとり見えるが、これはおそらく筆者の知る人だ。GOOGLE EARTHは定期的に写真を更新している。今年の夏見た時は、去年春の写真を載せていた。それが、おそらく今月の初め頃に去年12月のものに変えられた。もちろん12月とわかるのは円形階段に行灯が並ぶからで、中旬だろう。その当時の嵐山駅前の写真は、筆者は撮影していなかった。駅前の変化シリーズを始めたのは今春のことであるからだ。それ以前の駅前の様子を、現在のGOOGLE EARTHが伝えてくれる。早速何カットかをダウンロードしておいたが、今日は花灯路に関することを話題にしているので、去年の「灯り・嵐山美術館」の様子を掲げておく。なお、他の写真は、駅前の変化シリーズをまた再開した時にでも載せるが、おそらくその頃のGOOGLE EARTHには、今春や秋の写真に更新されているであろうから、去年12月の写真は貴重なものとなる。なお、今年は円形階段が改修されたので、「灯り・嵐山美術館」では行灯の配置が少し東にずれた。この円形階段の工事の様子は写真に撮ってあるので、駅前変化シリーズでは順次載せる。京都嵐山花灯路に関しては、今調べると、2005年に書いていた。もう5年経ったとは信じられないほど早い。そんな感慨を抱きながら、今年ももう残すところ数日だ。
●京都嵐山花灯路、アゲイン_d0053294_182084.jpg

by uuuzen | 2010-12-26 23:59 | ●新・嵐山だより
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