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●関西文化の日
んごの皮が剥けて笑顔が表わされている今年の「関西文化の日」のパンフレットの表紙デザインは、例年にないほど楽しく、また目立つもので、なかなかよい。



●関西文化の日_d0053294_992613.jpg本物のリンゴの皮を剥いた写真に、目と口はパソコン・ソフトで描き足してあるが、これを全部皮を剥いた本物のりんごを使って撮影すれば、りんごが茶色に変化するなど、困難であったのだろう。次に思ったことは、「関西文化の日」の「文」という文字や「入館無料」まで、りんごの形を使っていて、なぜりんごなのかという疑問だ。これをデザインした人は東北出身者かと勘繰りたくなるが、りんごではなく、みかんであれば、りんごのようにきれいな形に皮が剥けず、顔を表現するには無理が出る。だが、そこをあえてみかんでやれば素朴な顔になって、かえってそれが温かい印象をもたらしたのではないかと思ったりもする。あるいは柿でもよかったのではないか。関西を代表する果物はみかんや柿で、りんごではない。「関西文化の日」については、このパンフレットに説明がある。2003年から河合隼雄文化庁長官が、日本の社会全体を文化の力で元気にするためにまずは関西から始めようと言い始めた。ロゴ・マークはパンフレット表紙の左下に印刷されているように、白文方印の形で明朝体の「文化力」の文字が正方形の下半分に位置する。このマークを印刷する展覧会チケットは今でも多く、それを見るたびに河合隼雄を思い出す。河合隼雄は3、4年前に亡くなった。著作が多く、晩年はよくTVに出ていたので記憶に新しい。文化庁長官に京大の河合隼雄が就任したことで、関西から文化力を発揮しようとの掛け声が高まった。こうした動きが目に見えて充実するには、10年や20年の年月が最低でも必要だろうが、その種を蒔いた実績は大きい。「関西文化の日」とは、美術館や博物館が無料公開されるもので、施設によって11月3日の文化の日を中心としながら、11月1日から月末の最後の日曜日にまで日が散らばっている。そのため、その気になれば毎週あちこちの施設を無料で見て回ることが出来る。約400の施設名と無料公開日を列挙したものが、りんご顔のパンフレットだ。これは図書館や美術館など、展覧会のチラシを置いてあるところで、チラシと同じように無料で持って帰れるように用意されている。毎年参加する施設や県が増え、かなり根づいている。先日鳥取県が関西に属することを自認していることに触れたが、その様子はこのパンフレットに鳥取の施設が参加していることからもわかる。無料公開は基本的には常設展示のみで、筆者のように特別展を片っ端から見歩いている者にとっては、あまり役立たない。また、いつでも無料公開している施設も多く含まれるが、中には聞いたことのない施設がたくさんあって、気になるものもある。たとえばこうもり博物館だ。これはこうもり傘の展示館かと思ってネットで調べると、本物のこうもりについての博物館であった。
●関西文化の日_d0053294_9255462.jpg 東京でも同じように文化の日を中心として無料公開日があるのだろうか。あるとしても、それは関西から始まったもので、この気前のよさは自慢してもいい。ところで、12月1日から「おにおにっ記」を再開すると何度か書きながら、この調子で行けば、それが数日遅れる。というのは、「関西文化の日」を利用して出かけた施設について、まず先に順に採り上げて行くつもりでいるからだ。そのプレ・リポートとして、今日は11月23日のことを書く。この日は各地で展覧会を3つ見た。本当は4か所行くつもりが時間がなかった。またこれら3つは無料公開日を利用したものではない。京阪神の施設の無料公開日は、3日から21日までに集中していて、23日に見たくてもそれはもうなかった。この23日に出かけた施設についての記述は日を改めるとして、今日は施設の外で見かけたことについて書く。さて、昨日は近鉄奈良駅にせんとくんの人形が飾ってあったことに触れた。それに補足しておくと、近鉄奈良駅から京都に帰る時は、本数がごく限られる京都駅行きではなく、頻繁に出ている大阪の難波行きに乗って西大寺まで行き、そこで京都行き乗り換えるが、最近は京都駅ではなく、大阪回りで奈良に行くことにしていて、奈良駅からはそのまま難波行きの快速に乗る。ところが、「花鳥画」展を見た今月3日、帰りの電車で驚いたのは、難波行きではなく、三宮行きに表示が変わっていたことだ。これは阪神が難波まで乗り入れたからで、神戸と奈良がつながったのだ。どちらの街の人がより移動するのか知らないが、海のない奈良の人は電車を乗り換えずに海の見える神戸まで行けるようになったから、奈良の人がより移動するのではないだろうか。ともかく、京阪神がより一体化したことは、「関西文化の日」の主旨からすると、好ましい。その神戸に23日に行き、阪神梅田駅構内でまたせんとくんを見つけた。同じ角度で写真を撮ったのでそれを掲げておく。平城遷都1300年の宣伝ではなく、阪神が奈良までつながったことの宣伝に利用されていて、せんとくんのすぐ脇には奈良の観光案内パンフレットが備えられている。このせんとくんがいつまでこの同じ場所にあるのか、これは見極める必要がありそうだ。
 同じようなキャラクターで有名であったものに、京都国体の時に一般公募で採用された未来くんという、牛若丸をデザインしたものがある。もう20年前ほどになるので、覚えている人は少ないかもしれないが、これを人間の背丈ほどに拡大した立体の樹脂人形が製作され、筆者の息子が通っていた保育園の玄関脇に、台座に乗った形で長年展示されていた。どういう経緯で提供を受けたのか知らないが、おそらくその保育園が西京極球場で開催された京都国体の一貫の行事に出演したためで、保育園が求めたところあっさりと認められたのだろう。その行事には息子も出演し、その時に記念グッズをもらったことを記憶する。保育園前の未来くん人形は、とにかく大きなものであった。国体終了後は置き場所に困るから、京都府としてもほしがるところには積極的に分配したのではないだろうか。だが、その大きな彫刻と呼んでよいシロモノは、保育園前から数年前に撤去された。結局、飽きて邪魔に思えたのだろう。この未来くんは、国体のキャラクターであった時のイラストでは目が真っ黒であった。それがちょっと不気味っぽくて不評であったらしく、国体後は瞳が白く点じられて、イメージが明るくなり、その新しく生まれ変わったキャラクターはまた樹脂人形となって、京都駅前の道路の中央に置かれた。京都を代表するシンボルとしての位置づけで、それは好ましいアイデアだった。ところが、それが知らない間に消えてしまった。その代わりに京都駅で目立つのは鉄腕アトムやレオで、まるで京都が手塚治虫を生んだ街のような素振りだ。鉄腕アトムは悪くないが、京都駅とは全くの無関係で、これに対して文句が出ないのが不思議だ。未来くんより全国規模で知られるキャラクターとはいえ、京都の政治家はいったい何を考えているのだろう。未来くん人形が全部壊されたのなら話は別だが、どこかにひっそり保存されているのなら、また復活すべきではないか。税金を投入して作ったものを、あまりに粗末にし過ぎるのはどうか。目に瞳のある新しいヴァージョンのキャラクターは、京都らしくてよかったと思うが、牛若丸というのが今の子どもには何のことやら意味不明であるのかもしれない。キャラクターの寿命は、宣伝をいかに長く持続されるかどうかにかかっていて、府が執拗に宣伝しない限り、人々はすぐに忘れてしまう。せんとくんが未来くんと同じ運命をたどるかどうかは、奈良の宣伝にかかっている。
●関西文化の日_d0053294_9275729.jpg
 さて、阪急は何年か前、1日乗車券を1000円で売っていた。それは嵐山から神戸を往復する運賃と同じなので、いつもそのカードを買って神戸に出かけた。だが阪神と阪急が合併したことによってその券は廃止され、代わりに阪急阪神1日乗車券が出来た。1200円で値上げした形だが、これは阪神に近い美術館に出かけるにはとても便利で、今では梅田まで阪急で出て、その後は阪神に乗り換えて三宮に出る。阪神沿線の方が庶民的で面白いところが多いが、尼崎駅もそのひとつだ。阪神をよく利用するようになって、神戸方面がより身近になった気がする。それはいいとして、23日は神戸市立博物館の隣にオリエンタル・ホテルがオープンしていることを初めて知った。ずっと工事中だったのが、元の場所に同じホテルが新装オープンした。筆者には無縁の高級ホテルだが、神戸にふさわしいイメージがあってよい。通りに面して蘇鉄をたくさん植え込み、それが異国情緒をかもしているのはいいが、蘇鉄はいかにも狭苦しいようだ。背後は壁面のために成長を阻まれ、また通りに面した側は人が通るので、これも伸びた葉は常に切り取られるだろう。つまり、蘇鉄の採用はいいのだが、もっと植える場所を考える必要がある。植え込みを、道路から後退させて、しかも今の数倍以上の大きくするべきだが、それではホテルの面積が減少する。そこで妥協的に現状のようないかにも小さな土の面積に何本を植えることになった。そこが、せっかくのこのホテルの高級感を削いでしまっている。人の思いはそのようなごく些細とも思えるところに敏感に反応し、それで全体の体質を推し量ってしまう。そこが恐いのだ。蘇鉄を植えるなら、徳川園や栗林公園のように、周囲に何もさえぎるものがないような、広い空間が必要だ。街中のホテルの壁際では、もっと別な植物がよかったのではないか。このホテルの蘇鉄が今後どう育つか見届けたいが、未来くん人形のように、数年のうちに撤去されるような予感がある。写真を掲げておくが、いかに歩道と壁に挟まれた形で窮屈かわかると思う。
●関西文化の日_d0053294_9265184.jpg
 同じ写真でも見えるが、神戸の12月を彩るルミナリエが工事中であった。今年は2日から始まるが、骨組みは完成し、細部を充実させる番だ。オリエンタル・ホテルはすぐ際に建つから、ここに宿泊する人は部屋から夜間の光の祭典を楽しむことが出来る。ルミナリエはクリスマスまでは開催されない。それでも毎年大変な人手でごった返し、一方通行の人の流れとなって、道をうまく選ばないと、駅にたどり着くのにも難儀する。当初は毎年のように出かけたが、去年は期間中に神戸に出ながら、見なかった。寒い中を2時間は最低並ぶ必要があり、体力も気力もない。12月は神戸ではいい展覧会がないので、ルミナリエの期間には出かけないと思う。出かけるならば日曜日だ。その理由は、兵庫県立美術館近くの国道2号線の際で、菓子を路上販売するおじさんに会うためだ。このおじさんについては何度か書いた。23日にはほとんど1年ぶりでそのおじさんに会えた。兵庫県立美術館には用事はなかったのだが、1日乗車券であるから、途中下車は何度でも出来る。それで少し面倒だが、阪神の岩屋駅で下りて小走りで向かった。いるかいないか予想は半々であったが、幸い遠目にトラックは見えた。寒いので小型トラックの中で休憩していたおじさんは、筆者の姿を見ると、笑顔で飛び出て来た。菓子を1000円少々分買った。もっと買いたかったが、まだ展覧会をふたつ見る必要があり、重くては移動するのに不便だ。次の予定が控えているので、あまり長話は出来なかった。元気そうで、相変わらず日曜日と祝日は同じ場所で営業している。数か月前、その場所に行ったのが日曜日であったのに、トラックはなかった。神戸に出るのが年に数回であるから、うまく会えても数回だが、筆者は平日に出ることも多いため、なおさらおじさんに会える確率は低い。電車に乗ってから思い出した。カメラを持っていたので、おじさんの営業する光景を撮影すればよかった。おじさんの姿を撮ることは拒否されるかもしれないが、ブログに載せないのであれば大丈夫だろう。おじさんと言っているが、筆者より10歳近く若いと思う。そうなれば筆者はおじいさんだ。還暦になれば翁と名乗ってやろうと思っている。「三歩翁」はどうだろう。
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by uuuzen | 2010-11-26 09:29 | ●新・嵐山だより
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