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●にぎやかそうな横道に入る
歩しながら考えることを散考と言う。これは筆者の造語だが、昨日の投稿に対して今朝アメリカの大西さんからメールがあった。



掲載した『Hammersmith Odeon』発送のメール画像の一番下に楢部3つのディスク盤面デザインのうち、中央の黄色いものは、踏み切りのデザインではないかと伝えてもらった。そんあ感じもするが、地下鉄は踏み切りがない。ロンドンの地下鉄は地上を走る部分もあるが、すべて高架になっていて、踏み切りはないと思う。そこで昨日散考していた間、筆者はRの文字がふたつ並ぶところ、これはR指定(R-Rating)の略で18歳未満用の音楽ではないことを洒落て自主申告しているのかなとも思った。というのは前回のアルバムが『Congress Shall Make No Law . . . 』で、それはロックの歌詞にR指定などの分類を施し、その印刷を認めないという議会の動きに関するもので、それと同時期に製作されたはずの今回の新譜は、別段ザッパの曲がR指定ではないとしても、それをわざわざ自主的に知らせるというアイデアを地下鉄の標識にひっかけてデザインしたのだろう。アルバム『200モーテルズ』ではブックレットの表紙に同映画がR指定であることの記号があった。それは映画ではおっぱいの乳首を見せる女性が登場するので、必要な処置であった。その『200モーテルズ』のためにロンドンに在住したザッパとゲイルであるから、その場所を示す2枚目のディスクの盤面にはR指定が持ち出されても納得が行く。そう考えもしたが、地下鉄のデッド・エンド標識かも知れないと思ってそう書いた。だが、R指定も踏み切りも、侵入防止であるから、ともかくこのディスク・デザインは何かの侵入を防いでいる思いであることは間違いがない。そんなことをあれこれ思いながら、昨夜はサイモンさんのロンド・ハットン最新号の文章を思い出したが、ザッパの歌詞はセックスのほのめかしが多いし、特に『Hammersmith Odeon』の時期はそうであった。と、散歩散考亭としては再考するもので、ここに大西さんへの返事がてらに書いておく。
 さて、散歩といっても、筆者はいつもスーパーに買い物に行く用事があって、ほとんどいつも同じ道を往復するから、正確に言えば散歩ではない。散歩の反対は何だろう。行進ではないし、整歩や定歩という言葉もないだろう。だが、毎日スーパーに行くのならば定歩だ。それではこの際、定歩亭という号を作ろうか。いつかこのブログの新しいカテゴリーを設ける時、あるいはこのブログをやめて新たに別のブログを始める時、その号を含めた題がいいかも。次に考えたのが、散歩とこのブログの文章が似ていることだ。散歩に対して散書。いや、もっとふさわしい言葉として散文があるではないか。まことに筆者のこのブログは散文そのもので、しかも詩に対する散文といった、格調のある意味での散文ではなく、書き散らしの意味でのそれだ。漫文と言ってもいい。散歩漫文亭、これもいい号だな。ま、それはいいとして、ロンドンではなく、名古屋の街をあちこち歩いたのは、日常の延長で場所が変わっただけの散歩だ。散歩の効用はある。これが目的地へ一瞬同然となれば、人間は余裕がなくなる。そうしてあまった時間を、どうせろくなことに使わず、しかもかえって忙しいとつぶやく羽目になる。明治以前、人はどこに行くにも歩いた。今の人間よりもっと健脚で、しかも早足だったろう。芭蕉の人生も歩いてなんぼ、その過程で俳句をひねり、それが歴史に残った。筆者もせいぜい散歩して散文を格調高くまとめるべきだが、それはもう遅い。こうして漫文を漫然散然と書いてなんぼという能しかない。写真も載せるので、号は散歩漫文雑写亭がいいか。なんぼなんでもそれはちと長いかなとかなんとか考えながら寒い道を歩いていると、いつの間にか体がぬくもる。ふと見ると柿が色づいていて、そこに雀が数羽いた。あちこちの柿を食い散らすのではなく、決まったひとつの柿を最後まで食べ尽すようで、はなはだ行儀がよろしい。柿の木を植える家が全部収穫しないで、雀の分を残しておくのがいい。冬が近づいて鳥が食べるものが減少するのは哀れだ。昨夜2時頃、わが家の裏庭の合歓の木に白鷺が数羽とまってけたたましく鳴いていた。たぶん白鷺と思うが、夜行性でもあるのか。あの声は姿に似合わない。鷺は詐欺のことか。
●にぎやかそうな横道に入る_d0053294_1020514.jpg

 さて、名古屋でのことの続きを書こう。ランの館に向かう途中、大阪淀屋橋にも店があるヒサヤ大黒堂があった。痔で有名な店で、看板の赤い「ぢ」はよく目立って有名だ。これは銭湯の「ゆ」と同じだけ単刀直入でいい。ぢの人はこれを見るたびに尻が痛くなってぎくりとするだろう。そのビルの前を通り過ぎた直後、筆者は戻って店のウィンドウを覗くことにした。大阪の店では大きな大黒さんが飾ってある。名古屋ではどうかと思ったのだ。店は通りの角にある。玄関に大黒さんはいないので、脇道に面したウィンドウにあるかもしれないと思った。そのウィンドウの前で子連れの若い母親がふたり、しきりにポーズを作っている。何のことかと思って近くに行くと、そのウィンドウは全面鏡で、そこに姿を映して身づくろいを直していたのだ。筆者もほんの少しそうしてみた。だが、本当は鏡ではなく、マジック・ミラーであろう。中に人がいて、道行く人々を誰がぢかなと想像しながら、ぢっと血眼で見つめているのかもしれない。大黒さんの置き物がないことに少しがっかりしながら、ランの館にまた向った。これは後日調べて気づいたが、そのヒサヤ大黒堂のひとつ南のビルがスガキヤだ。ランの館の庭からスガキヤの看板がよく見えることは先日書いたが、かえって遠方からよく見えるのかもしれない。真下を歩いたのでは、空を見上げない限り見えないし、空を見上げて歩くのは坂本九だけだ。スガキヤのビルがそこにあることを知ったのは、後日グーグル・アースで調べたことによる。グーグル・アースには、大きな道路上に浮かぶ球体があって、それをクリックすると、その球体の路上から空までぐるりと見える全方位画像が開く仕組みだ。そして、ランの館付近のを、そのグーグル・アースで見ていると、スガキヤのビルの屋上にキャラクター広告が見えた。そして、その奥にヒサヤ大黒堂の「ぢ」の看板も見えた。その画像が面白いのでダウンロードして加工した。元ネタはグーグルに権利があることをここで明記して掲載しておく。なぜ、グーグル・アースでわざわざ調べたかと言えば、ランの館を見た後に歩いた道路が妙に印象に残ったからだ。今日はそのことを書く。つまり、ここからが本番だが、まず一昨日掲載しなかったランの館のアジア・コーナーで撮った写真の残りを下に載せておく。これは高さ2メートル近い土壁があって、そこに大型TVほどの大きさの長方形の穴が開けられていた。そこから覗いた写真で、この長方形の穴は、神戸メリケン波止場の映画を顕彰するちょっとした広場にもあって、それを思い出した。だが、穴から見える景色は、ランの館はもう少し工夫すべきだろう。
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 ランの館を出た後、古本屋に向った。ネットで調べた地図によると、南方向へ駅ふたつ程度に、上前津というところがあって、そこに数軒あるようだ。地下鉄の駅を探すつもりでランの館を南下した。実は名古屋駅前の地下鉄にもぐってすぐ、小さな机を置いて1日乗車券を職員がふたりで売っていたので、それを買った。600円で乗り放題であるから安い。それをせっせと使いたいが、天気がいいので散歩だ。散歩散人としては、散歩してなんぼのネタを見つける。何か面白いものに出会わないかと思いながら、どこかで食事するために適当な店を見つけようとも考え始めた。ランの館から南の道は、TV塔前とは違って、中央の大きな公園のような緑地帯がなくなって狭くなる。それがよい。どこにでもある街並みだが、初めて歩くところは旅行気分になれる。知らない町名がまず面白い。栄のような繁華なところとは違い、また下町というのでもなく、ゆったりと歩ける。これも通り過ぎてから戻ったが、幟旗を何本か立てた間口の広い喫茶店があった。名前は忘れた。ランチが650円とか書いた貼り紙が見えた。これは安い。今日のメニューはチキンカツだ。すぐに入ったところ、中はそこそこ広く、また満員だ。それで店の突き当たり、壁際の隅に座った。ランチは値段に応じた量だが、まずくはない。また、中日が優勝するまでサンドウィッチを400円だったか、とにかく安価で提供するとの貼り紙もあった。だが、帰りがけに知ったが、11月いっぱいで閉店するとの貼り紙があった。あまり儲からなかったのか、別の場所で営業し直すのか。その付近ではそこ1軒だけが食事の出来る場所のようであったので、なくなるのは惜しい。店を出た後、また南下した。上前津まで数百メートルもないか。よくわからないが、とにかくぶらぶら散歩なんぼ人だ。すると、通りの向こうに入り込む道に人が多い様子を感じた。そういう道には惹かれる。それですぐにわたってその道に入った。今日はその道を見つけたことを書きたかったのだ。その時、写真を撮らなかったが、筆者の見たのと同じ角度でグーグル・アースから選んで加工したものを掲げておく。
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 その横道を100メートルほど歩くと、どうやら大須地区であるしくてびっくりした。大須には何度か行ったことがあるが、いつも地下鉄を利用していた。栄から徒歩でたどり着いたのは初めてで、そんなに近い距離とは思わなかった。今まで点で知っていた場所が道路の線でつながった。横道の突き当たり左手だったか、スガキヤのラーメン店があった。ラーメンの価格が思ったより安い。大阪や京都では600円以下ではない。800円ほどする店が多い。スガキヤは400円台ではなかったか。その庶民的なところがいい。スガキヤを過ぎると大きな通りに出て、その向こうにアーケードの商店街が見え、すっかりそこが大須であることがわかった。通りをわたって商店街の中を20メートルほど進むと、右手に見覚えのあるコーヒー専門店が見えた。前回は家内と一緒にそこに入って時間を潰したが、上品だがきつそうな老年の婦人がひとりでコーヒーを飲んでいたことを思い出す。それで、その店の前まで行かずに引き返し、人ゴミを分けて大きな通り沿いに歩くと、また右に入る横道の奥に大きな人だかりが出来ている。吸い寄せられるようにそこに行くと、何度か通ったことのある場所であることがわかった。その日は半裸の男性ふたりがパントマイムをしていた。それを大きく取り巻いて、縁日気分で200人ほどの人が笑っていた。途中から見る筆者には意味がわからず、また黒山の人を分け入って前に出るのは難しい。それでそこを後にしてまた先を行くとすぐに、上前津の地下鉄駅にもぐる出入り口があった。その付近に古本屋があるはずで、そこに行くのが目的であったが、先の人だかりのすぐ近くに1軒あり、そこは以前に入ってたいしたことがなかった記憶があるし、他の店も同様かと思い、そのまま地下に降りて次の目的地に行くことを散考した。散歩散気散考亭は、出たとこ勝負なところがある。
by uuuzen | 2010-11-18 10:29 | ●新・嵐山だより
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