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2009年07月18日●第 73 話
川面に石の宝珠が浮かべられていることは以前に書きました。その川はとても浅く、いつ見ても水が澄み、水量も一定しています。でも豪雨の時に川辺を歩いたことのないマニマンですから、実際のところはわかりません。水を澄ませる霊力のあるその宝珠のおかげで、川の水が濁ってもすぐに澄むと思うのですが、きっとその宝珠の前の家に住む人たちもそう思っていて、浮世離れした変人なのでしょう。ともかく、マニマンが知る宝珠のうち、最も奇妙で印象深いものがその浮宝珠で、今日は同じ場所でマニマンはまた嬉しい光景に出会いました。宝珠がもうひとつ数メートル離れて、水に濡れない程度に川面から浮いていたのです。流れる水は世間で、宝珠はそれに超然とするバイサオーのような存在です。マニマンは8個も宝珠を持つ宝珠男ですから、流れる世間に浮いたまま流されるようなことではいけないと考えます。とはいえ、自分では自分の本当の姿が見えません。そんなことを思いながら川面から浮く宝珠を喜んで見続けるマニマンの姿は、誰の目にも浮世離れした変人と映ることでしょう。
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