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●嵐山駅前の変化、その39(脇道、駅舎、広場)
設の覆い布は、工事中の防音のためやさまざまなものが飛散して下にいる人を傷つけないためだろうが、その向こうで何が行なわれているのか見えないので、一般の人にとってはつまらない。



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ある日、急に完成してその覆いを取り去ると、すっかり完成した姿がそこにあるというのは、どこか手品に似る。建築や土木工事は、素人にとっては全く手品に思えるが、手品にたねも仕掛けもあると同じように、工事には各工程の段取りがあって、最も効率よいように作業が行なわれ、何事にも不思議はない。不思議があっては困るのだ。このたねや仕掛けというものを考えることは重要だ。一昨日、携帯電話のサイトに公式に登録されているゲームに1回300円ほど支払ってするじゃんけんゲームのニュースがあった。5回連続して勝つと、1万円獲得出来るというので、小学生まで参加していたらしい。料金は携帯電話代と一緒に引き落とされるから、参加は簡単だ。このニュースを耳にした時、そんな馬鹿な詐欺ゲームをやる人間がいるのかと疑ったが、実際は業者には1億数千万円の収入があった。なぜ詐欺を思ったかと言えば、ゲーム参加者が先にグーチョキパーのいずれかを入力すると、それにしたがって相手が反応する仕組みで、これは100パーセント、相手が後出しすることと同じだ。そんな常識がわからずにこんなゲームをする者がいることは、想像力が著しく減退しているとしか言いようがない。つまり、ゲームを作った人間やそれを運営する人間は最初から儲かることを考え、相手が勝つ確率を限りなく少なく設定する。パチンコは売り上げの28パーセントほどを玉の出として設定しているが、このじゃんけんゲームは1パーセント以下であった。パチンコの何十倍も儲からない仕掛けだ。全くゼロの確率であれば誰も参加しないから、短期間で億単位の金を稼げるように巧妙に確率を設定した。そういうたねや仕掛けは子どもでもわかることであるのに、そうしたギャンブルに手を染める人は後を絶たない。ギャンブルは自分だけは幸運の女神に微笑まれる選ばれた人間であると錯覚するおめでたい人間が深みにはまる。確率からすればギャンブルに浸るほどに負けが込むのに、それがわからない、あるいはわかっているのに無視するのは、ギャンブル特有のスリルがよほど気持ちいいからだ。
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 覆いをしている間にたねや仕掛けの準備をし、それが完成すると覆いと取って姿を現わす。人間はそうあるべきで、たねや仕掛けは誰にとっても本当は必要なものだ。そのための準備を若い頃から始め、覆いを取ってそれなりに世間に出た時にはさらにたねや仕掛けを強固なものにする。先のじゃんけんゲームを考えた連中は、その点できわめて悪賢いが、国が競馬やパチンコ、宝くじを認めていることからすれば、そんなゲームを考える輩が登場するのはごく自然だ。国民に夢、あるいは気晴らしでもよいが、それを与えるとする政府公認の、はまり込めば必ず損をする競馬やパチンコ、宝くじなどのギャンブルは、人生において自分独自のたねや仕掛けを獲得出来ない、あるいはその努力をしたくない人にとっては、一攫千金への希望の灯火になっている。たねや仕掛けは合理的なものだ。そこには何の不思議も存在しない。それを手に入れるには、順序にしたがって時間を費やせばよい。そのための時間は万人に与えられている。そして好奇心や飽くことのない粘りが必要だが、それを持たない人は人口の7割を占めるのではないだろうか。残りの3割が独自のたねや仕掛けの獲得をし、それを糧に生活して行く。好奇心や粘りを背景にしてたねや仕掛けを獲得する人間を、そうでない人間がおおよそ知っていることがある。だが、冷ややかにに見つめながら、そんな苦労をするよりかは気楽に生きたいと思う。粘りという耐えまぬ努力がいやなのだ。あるいはそんなことをする根性がない。昨夜のTV番組でワインのソムリエを特集したものがあった。日本のあるソムリエは仕事から帰って毎晩深夜3時まで勉強し、朝は6時に起きる。睡眠時間をそれほど削って努力するのは、世界一のソムリエになるという目標があるからだ。嗅覚が図抜けて優れているうえに、それだけの粘りだ。人々はそれほど努力すれば世界一になっても不思議はないと思う。中には自分もそれだけ努力すれば同じ成果を挙げて見せると豪語する者があるが、努力したことのない人間ほどそのように侮る。どうせそのような人間は誰も相手にしないので害はないが。
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 昨夜は友禅について少し書いた。最初の小下絵は案に過ぎないが、それにしたがって仕事が進むから、小下絵が出来れば半分ほどは仕事を終えた気になる。つまり、最初の決定が問題だ。その最初の決定が出来ない人、つまり何をしていいかわからない人はいる。これは贅沢な話で、今は餓死することがないからとも言える。食うために仕方なく決めた仕事が生涯携わることになる場合は多いが、それでいい。仕方なく始めても、そのうちそれで食うためには努力せざるを得なくなる。あるいは食えるようになって本来やりたかったことが見えて来た時、そっちの脇道に入り、やがてそれが本道になることもある。そして、たねや仕掛けを獲得するための努力をした経験はその時に役立つ。好奇心ばかりがあって粘りがさっぱりという人も多い。それは高齢化を迎えた現在ではごく自然な姿だ。次々に好奇心の対象を変え、そのまま老齢に達して死ぬというのは、案外幸福である。何ひとつものにならなかったとして、退屈なこの世界をそれなりに面白く過ごしたというのは、幸福を絵に描いたような人生だ。だが、そういう人生をもったいない、退屈だと思うのが、芸術家と言ってよい。努力をいとわず、むしろそれに果敢に取り組み、何かを掘り起こそう、磨こうとする。そして、そういう人はまだまだ覆われている子どもの頃にその芽を内心宿す。そうでない人は将来ものにはならない。こう書けば運命論者のようだが、人間に遺伝子というものがることからすれば、運命はある程度決まっている。生まれ落ちた環境の経済状態がよいほど、今は有名大学に進学する確率が大きいというから、遺伝子以外の後天的要素の方が人生を左右するようだが、そう思ってしまうのが癪だと考える者にのみ、独自のやねや仕掛けを獲得出来る道がより大きく開かれている。
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 今日は何を書こうかと思いながら、話がここまで来てしまった。今日掲げる写真は3月25日撮影の駅横の脇道、駅舎、それに駅舎前の景色だ。24日と同じく雨が降っている。脇道はほとんど変わらないようだが、白い覆いの上半分がずらされている。雨でも内部で人が作業したことがわかる。脇道におけるこの工事は、駅前の改装のためだ。それがなければまだそのままになっていた。駅前の改装が行なわれるようになったのは、駅前にホテルが出来るからだ。ホテルが出来るようになったのは、近くの桜の林の片隅で温泉が出たからだ。温泉が出たのは温泉というたねや仕掛けを地元業者が欲したからだ。それは悲願のものであったが、より多くの客に嵐山に来てもらいためだ。嵐山に多くの人が来るのは、昔から景勝地として有名であるからだが、それは自然にそうなったのではなく、人間が植林し、堰を造るなど、大きな箱庭のように造り続けて来たことによる。田畑の多い田舎が自然豊かとよく言うが、それは造られた自然、人工の風景だ。嵐山もそれと同じで、時代の感覚の変化に伴なって、今度どう造り変えて行くかは誰にもわからない。江戸時代の嵐山がどうであったかは、絵には残っていても、それは理想が利き過ぎている。人間がその時その時に造って来たのであるから、今は今の嵐山のあるべき姿があるのだろう。それが温泉であったし、ホテルになる。そして人の移動がより多くなっているので、車、幅広い道路、駐車場が必要だ。たねや仕掛けは人間が造るものだ。こうあればいいなという思いがそれをさせる。そして、こうあればいいなという思いは、時として経済力、政治力を持った現代の大名的存在が決める。この図は昔と何も変わっていない。架設の覆いは歴史的に見ればほんの一瞬のことで、それが外された時に姿を現わすものは、まるで手品のようだ。そして、この世は手品みたいなもので、たねや仕掛けがある。みんなをあっと驚かせ、そして幸福な気持ちにさせるものが歓迎されるが、ギャンブルはそのひとつだ。ホテル経営もまたギャンブルに似たことで、世に出ようと、密かにたねや仕掛けを磨く、たとえば先のソムリエや、あるいは芸術家もギャンブラーみたいなものかもしれない。
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by uuuzen | 2010-07-19 00:19 | ●駅前の変化
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