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2009年05月25日●第 35 話
マニマンは1年半ぶりに本来の仕事をする必要が生じ、仕事関係の店を3軒回りました。みんなマニマンのことをよく覚えていてくれました。通り慣れた道を行くと、見慣れない建物が何軒か新しく建て変わっていて驚きました。それに、3軒とは別の、親しかったもう1軒の前を通りがかると、景色が少し違います。後戻りして確認すると、家が建て変わっています。以前の店は移転か廃業したようで、マニマンはさびしくなりました。でも、マニマンがよく記憶する家はまだまだ健在です。特に四つ辻の角に建つ木工所の前には、通りに面して昔から毎年花を咲かせるカザグルマの大きな鉢植えが7、8個並べられています。そのうち、とても濃い赤紫や青紫の、日本古来の鉄線はマニマンの目に強く染み込みました。ふと見ると、マニマンが初めて見る八重のカザグルマがひとつだけ咲いています。時期はもう遅く、最後の花です。八重とはいえ、花びらは100枚ほどもあって見事に整然と並んでいます。写真を撮ろうとしていると、奥からおじさんが出て来て、八重の歯でカザグルマ談義に八重の花を咲かせました。
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