2009年02月06日●第　１９０　話

　●おわりやっ記　８

展覧会を見た後、マニマンとママーニは地下鉄に乗って、より繁華な街の中心に行き、予定していたものを昼食に食べようと思いました。ところがその店の前にはたくさんの人が並んでいたので、マニマンはあきらめ、すぐ近くの別の店に入りました。食事の後、百貨店まで歩き、そこでまた展覧会を見ましたが、その後また地下鉄に乗って、これも予定していた別の場所に向かいました。そのようにして何度も地下と地上を出たり入ったりしている間に、日はどんどん傾きます。バスの中で日の出を見たというのに、冬至頃の日暮れはすぐにおわります。太陽で気づいたのは、地下鉄の太い柱などあちこちで、海辺の「日の出」の風景を描いた絵が印刷された印象的な展覧会の予告ポスターを見かけたことです。絵よりも印象的であったのは、「日の出」に合わせてアルファベットの「Ｏ」の中が朱色で塗りつぶされていたことです。でも、まだ空腹が完全に収まらないマニマンは、その偏平な朱色の丸が「日の出」に見えず、いっそのこと、「サンライズ」と呼ばれる「メロンパン」を印刷した方がいいと思うのでした。