ぼんぼりに浮かぶ菓祖神を昨日見て来た。3年前の2月3日の節分以来だ。豆茶と菓子をいただいたが、菓子は3年前の柔らかくて白い満月状の煎餅は見当たらず、梅型の蕎麦ぼうろをひとつ手に取った。

梅の季節なのでそれもよい。午後4時のまだ明るい頃だったが、樹木に囲まれた鬱蒼とした山辺なので、祠の付近は薄暗く、ストロボ撮影でなければ写らない。右手にぼんぼりが見えないが、もっと右手の奥にずらされていたためだ。また祠の飾りも少なくなって全体に粗雑さが増した感じがする。神様の象徴でも3年でこのように変化するのであるから、俗界ではなおさらで、今日はこの3年にあった変化をいろいろと噛み締めてみた。変わったものもあればまだそうでないものもあるが、いずれまだそうでないものも変わる。3年前には確か2軒あった
本まぐろを食べさせる店が今年は1軒に減っていて、3年前にはなかった宮崎県で有名な肉巻きおにぎりの店が2、3軒、また佐世保バーガーを売る店も1軒あった。バーガーは値段が表示されておらず、客はみな素通りしていた。客を見て値段を言うのであろうか。佐世保バーガーは2年ほど前に心斎橋に1軒あったのがすぐになくなって、今度は露店に登場したが、関西で無事に根づくのだろうか。消えるものがあれば新たに出て来るものがある。今回もくじつきの100円で売られる
「節分のポッポ豆」を買ったが、赤黄緑の3色の
鬼型の生八つ橋は買わなかった。白と桃色のかきつばたの花の形をした生八つ橋も売られていて、よほど買おうと思ったが真冬にかきつばたはないだろうと思ってやめた。どうせなら梅の形のものがあればいいと思うが、それなら八つ橋という名前の意味に合わない。ともかく、3年前にはあったものがなくなっていたり、また3年前には見なかったものを見たり、3年前と同じことは2度と体験出来ないことを知った。それを惜しむのではなく、新しいものを歓迎すればいいのだろう。ということは、老齢になればなったでその時を楽しむということで、変化を当然、自然と思えばいい。3年前の『おにおにっ記2』にはこんなことを書いた。
※
♪あかりをつけましょ、ぼんぼりにー。
ローソクではぼんぼりが燃える恐れがあるので、今では小さな電球を使うでしょう。1か月と3日前の満月の夜にマニマンはママーニやミヨーナ夫婦と一緒に神社の節分祭に行きました。神社は暗い森の中にあり、その中にまた別の小さなお菓子の神様をまつる神社がありました。祠の奥は暗くてよく見えませんでしたが、両脇に小さな電球が入ったはずのぼんぼりが灯って、幽玄の雰囲気がありました。マニマンはクッキー・モンスターのマフラーをしていたので、マフラーの先祖でもあるかと思い、心の中で一礼をしてから写真を1枚撮りました。同じように暗くて小さな境内にはたくさんの人が並んで、寒さの中、熱いお茶とお菓子をもらっていました。マニマンもほしかったので行列に加わりました。お菓子はとても軽くて白く、満月の形をしていました。境内が暗いので後で写真を撮ろうと思い、ポケットに入れて持ち帰りましたが、残念なことに稲荷狐の仮面せんべいのようにとても割れやすく、こなごなに砕けていました。満月が消えたようで、さびしい思いをしました。※

そう言えばしきりに満月を探したが、日はまだ沈まず、月は見えなかった。4、5日前が満月だったので、見えたとしても感動しなかっただろう。月は見えなかったが、神社の境内に入る幅が広くて長い階段の左右にある石燈籠は、向って左に「月」、右に「日」を毛筆で書いた紙枠を嵌め込んであった。帰りがけに見ると内部に明かりが灯ってその文字がよく見えた。「月」と「日」の間を参拝客は通って行くのはなかなかよい趣向だ。「月と日との間」は、今年の元旦に投稿した文章の題名だが、月と日の間が明るいのか暗いのか、それは人の思いによって異なるだろう。仮に絶対的に暗いとしても、せめて自分が光っていると思うことは大切ではないだろうか。それはそうと、3年前の冬には身につけていたクッキー・モンスターのマフラーはさすがに今はもう着用していない。その代わり、京都駅の地下の輸入食品店で売られているクッキー・モンスターのプラスティック・ケース入りの菓子を見つけて先日買った。去年12月に見かけていたが、その時には買わず、2度目に見かけてやっぱり買うことにした。かわいらしいので気に入っている。
※
2009年02月04日●第 188 話
ママーニが仕事場からお菓子を一袋もらって来ました。とても小さな袋で、その中には、節分の豆まき用の豆ほどには小さくはありませんが、それでも豆粒と呼ぶのがふさわしい五粒の鳩形をした菓子がコロンと入っています。マニマンはすぐにひとつをポッと口の中に放り込みました。すると、砂糖と澱粉の固まり、つまり「らくがん」と同じ味がしました。でもそれは「落雁」と書きますから、この場合は「落鳩(らっきゅう)」がいい鴨しれません。それはともかく、甘いもの好きのマニマンはすぐにもうひとつポッと口に放り込み、それがじわりと溶けてなくなると、またひとつポッで、袋の中はすぐに空ッポになりました。後でポッとわかったのですが、それはマニマンの好きな鳩サブレーの会社の製品でした。そういう和菓子も作っていることをマニマンは初めて知りました。「落鳩」を鳩にポッとあげると、鳩はポッポ、ポッポとキッスをするように喜んでついばむでしょうか。でも友食いのような姿は鳩には似つかわしくないです。なので、やっぱり節分に使う炒った大豆をポッポッとあげるのがいいのです。