2009年01月16日●第　１６９　話

　●おーナラっ記　８

花より団子と言いますから、花が散った後の実を期待する人の方が多いことでしょう。でもそれは果物のように甘くて、なるべく大きい方が好まれます。食べられるとしても、イヌマキのようにもっぱら鳥しか食べないものはほとんど誰も注目しません。でも鳥はイヌマキを食べるのでしょうかね。それはともかく、ニンゲンが食べない実の方がはるかに多いはずで、自然はニンゲンが気づかない間にさっさと次の世代の準備をします。ところで、マニマンはママーニと一緒に「青丹によし」の古都にたまに訪れますが、マニマンはむしろ「青には紫がよし」に思え、新緑の季節に藤棚からうす紫色の花が垂れている光景をよく見かけます。『あ、また今年も咲いているな』と思いながらそのまま通り過ぎることが多いのですが、マニマンはむしろ花が散った後に藤棚に接近します。そこには豆の莢がいくつもぶら下がっているからですが、先日マニマンは古い寺の際でその様子に出会いました。冬になると莢は弾けて黒い種子を覗かせます。それは碁石にそのまま使えるような形と硬さで、きっと鳥は見向きもしません。