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2009年01月07日●第 160 話
寒い日の今日、マニマンはバス停に向かって急速徒歩している最中に呼びとめられた気がしました。すぐに左を向くと、真っ赤な実が目に飛び込みました。道路際に立つさびしい家の庭に、ひとつだけカラスウリがぶら下がっていました。マニマンは立ち止まり、亀のように重いいつものデジカメで写真を撮りました。カラスウリは普通は橙色から朱色ですが、それはもっと赤が深く、冬の寒空にとても目に染みます。マニマンはその実に冬の熱い精神がマグマのように凝縮している気がしました。それに、たいてい数個は長い蔓のあちこちにぶら下がりますが、オンリー・ロンリーというのはとても新鮮で、マニマンはいけばなの精神を感じた思いがしました。そして歩き始めながら、その実の中に真っ黒な打ち出の小槌形の種子がたくさん詰まっている様子を思い浮かべ、一方で自分の裏庭のカラスウリが去年はさっぱり育たなかったことを思い出しました。日陰で育ちにくいのはわかっていますが、狭い庭ではほかに場所がないのです。それにマニマンは大黒さまの打ち出の小槌とはきっと無縁なのでしょう。
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