2008年12月25日●第　１４７　話

　●マニマン・エドッ記リ　１０

マニマンはオオエドでなるべく多くの展覧会を見たかったのですが、時間は限られ、また『おにおにっ記』用に見つけた面白いことがいろいろとあったので充分満足しました。帰りの電車に乗る２時間前の夕暮れ、マニマンは見ようと決めていた、最近展示され始めた巨大な壁画のある駅に行きました。探すのに手間取り、マニマンは夢で見たのとそっくりな高架下の長いショップ街の通路を、駆け足の鹿のように先へと進み、見つからないので元に戻り、ようやく見つけました。たくさんの人が壁画の前を行き交い、また待ち合わせ場所にもなっています。予想とは違って壁画には照明がほとんど当てられず、全体に暗いせいか、マニマンの古いデジカメではよく写りません。よく見ると、髑髏のような形がいくつか見えます。それが実際は何かは誰にもわからないでしょう。抽象絵画ですから、見る人が好き勝手に感じればいいのです。でもこの壁画は戦争の惨禍に触発されたもので、髑髏を連想するのはある程度正しいでしょう。オオエドのキリのいい思い出が髑髏とは、オオエドの住民にキリリと叱られそうです。