2008年12月20日●第　１４２　話

　●マニマン・エドッ記リ　９

「森」という名前のとてつもない高い塔のビルの屋上から眺める景色は、無数の窓明かりやネオンで輝く夜が面白いことでしょう。でも昼間にゴッタが見えず、無数の大小の塔が林立する殺風景さで、マニマンとママーニは５分ほど過ごしてもう充分だと感じ、エレベーターのある方向に進みました。その時左手の金網の向こうに通路が見えました。奥からブーンという電気音が響き、しかも青い光を放っています。人の気配はなく、大型コンピュータがずらりと設置されているようです。マニマンはそれがそのビルの脳で、ビル内部の一切の動きを司っているように思いました。そして、マニマンはさらにその瑠璃色の光の源は、オオエドという大都会の神の象徴にも思え、撮影が許可されない神社の御神体を目の前にする気分でした。そのため、写真を撮った後も長く威圧感が残りました。青は青でも信号の場合は緑がかっていますが、瑠璃という青はマニマンが去年末に買った御神酒徳利と同じで、やはり神の色なのでしょう。近頃はタクシーの開いたドアに青い電気が灯っていますが、客は神様ですからね。