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●髑髏滑り
島川の渡辺橋のほとりに堂島ロールという洋菓子を売る店がある。2年ほど前だろうか、ここに長い人の列が出来るようになった。



渡辺橋の上にずらりと人が並び、待ち時間1時間といった表示が橋をわたって店まで10メートルといった付近に立てられる小さな黒板に表示される。今年の夏、国立国際美術館に行く際に、買ったその菓子を1時間ほど預かってもらえるかと訊ねたところ、別料金が必要と言われた。しかも菓子は1時間以内に食べてくれと言う。真夏のことであるので、すぐに腐るのはわかるが、1時間しか保証出来ないというのは、生菓子の生度がきわめて高いということで、その新鮮さ命ということを売りにもしているのだろう。展覧会を見た後、夕方まであちこちをうろつくのが常であるから、当然買わなかった、あるいは待ち時間の長さもあって買うつもりもなかったが、それが先日の文化の日、長澤英俊展を見た後、5時を少し回っていたが、店は開いていて、しかも数人しか待っていなかった。背の高いがっしりとした体格で眼鏡をかけた兄さんが寒空のもと、大声で「待ち時間5分ですよー」と叫んでいて、人がぽつぽつと集まって来る。人の数が増えると待ち時間を「5分~10分」に素早く訂正していたが、律義なことだ。寒くもなったし、また寄り道しないで帰宅する時間にもなっていたので、ちょうどいい機会とばかりにママーニを並ばせ、その間にそのお兄さん相手に少し話をした。すぐに食べなければならない堂島ロールは、1本を夫婦で食べるのは多くはないかと訊ねると、甘さは控えめなので、ひとりで1本をペロリと平らげる人もあるとの返事。黒板を見ると、他にシンデレラロールや、堂島ロールのハーフ・サイズも売っているが、いずれも早々と売り切れだ。ハーフ・サイズがあるのは、1本の価格が1200円することと、1本はやはり多いと思う人用だろう。ハーフ・サイズは長さは半分だが、価格は半分より上で、そこらへんを大阪人はどう判断するかだが、店にすれば倍売った方が儲かるから、ハーフ・サイズは限定的に少ししか作らない。店の方をちらりと見ると、前に小型トラックが停まって、大量の堂島ロールを運び出している。別の工場で大量生産しているのだ。人影がまばらになった祝日のその時間帯ですら、まだそのような搬入で、よほど売れていることが想像出来るが、案外翌日用なのかもしれない。1本買ったママーニは1時間持つ保冷材を入れてもらったという。冬場でも地下街や電車内は温度が高いから、保冷材は必要で夏場と同じように考えなくてはならない。どこにも寄らずに電車に乗って1時間後に家に着き、食事後にふたりで半分食べた。無理すればふたりで1本食べることは出来るし、若い人ならばひとりで1本もあり得るだろう。それほどにふわふわした生地とクリームで、確かに甘さも少ない。だが、これは実感がないことにもつながり、食べた後、おいしさの満足感はなく、よく騒がれている商品がどんなものか、それを体験したという満足感だけが満たされた。何でも評判になると一気に売れるもので、その秘訣はこの堂島ロールに隠されてもいる。同じようにクリームをどっさりと詰め込んだロール菓子はその後あちこちで作られているが、何事も一番最初が重要だ。堂島ロールは堂島川に面するごく小さな店で販売され始めた点で名前はそのまま地元を称し、大阪人としては誇っていいのかもしれない。筆者もロールを作ってみようか。クリームの中にヒシの実を入れ、カリン・ジャムもどこかに使うといいな。それを「おにおにロール」と名づけよう。鬼退治の節分に超限定販売だ。

●髑髏滑り_d0053294_22134721.jpg  2008年12月15日●第 137 話

●髑髏滑り_d0053294_10280775.jpg ●マニマン・エドッ記リ 8

●髑髏滑り_d0053294_1195615.jpg「森」という名前のビルの屋上は板張りで、かなり殺風景です。風があまり吹いていなかったため、マニマンとママーニは足元を心配せずに眼下を見下ろすことが出来ましたが、屋内の展望台で見るのと印象に差はありません。退屈なのですぐに降りようと思いながら、手持ちぶさたで立つコートに身を包んだ係員のおじさんと話をすると、残念ながら曇り空なので遠くの不二の山が見えないとのことでした。ふとマニマンは、おじさんの近くに派手な色の置き物があることに気づきました。まるで前方後円墳か大きな髑髏の鋳型です。何のためにそこにそういうものがあるのかわからず、マニマンはおじさんに質問しました。すると、おじさんは笑顔で「赤ちゃん用の滑り台ですよ」と答えてくれました。なるほどそう言われるとそう見えますが、屋上にはほかに母子のための遊具はありませんし、マニマンはそんな場所に滑り台があることが理解出来ません。それに、赤ちゃんは屋内の安全な場所で遊ばせる方が好ましいです。マニマンは思いました。ニンゲンは生まれた時から墓や髑髏へとまっしぐらに滑って行くことを。
by uuuzen | 2009-11-07 01:20 | ○お に お に っ 記 4
●『長澤英俊展-オーロラの向かう所』 >> << ●マニ帽子

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