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2008年10月29日●第 90 話
マニマンとママーニは古老の展覧会をじっくりと見た後、裏口から吐き出され、繁華街に向かって徒歩徒歩しました。その途中でマニマンの住む街には決して見られない背の高いビルがいくつも立っていることと、そのために空がとても小さいことに気づきました。曇り空で午後5時過ぎですから、よけいにそう感じたのかもしれません。通りをわたれば繁華街というところで信号待ちをしました。ふと右手を見ると、「空」の一文字が空色とキミドリの2色で大きく光っています。マニマンはそれを見ながら、空色の部分は黄色が抜けたためかなと思いましたが、デザイナーは都会で晴天の野原の大自然を連想させるためを思ったのかもしれません。そうとすれば、汚れた空のかけらしか拝めない都会で、この空色とキミドリの一文字はなかなか強烈な皮肉です。地下に大きな駐車場があって、そこが空いている時だけ「空」は光り、駐車場の経営者はそれが点灯しないことをしっかり望んでいるのです。汚い空気を常に吐き出す、わが物顔の猛速走車が溢れる都会では、大きな空など歓迎されないのです。
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