2008年09月26日●第　５７　話

彼岸を過ぎれば急速に寒くなり、ヒガンバナも急に色あせますが、色あせた花の中でもヒガンバナのそれはとてもわびしいもので、まるで忘れ去られたお化けといった感じです。でも色鮮やかな頃は、わずかな本数でも緑の中にあってよく映え、チロチロ燃える炎のようで楽しいものです。スーパーのムーギョ・モンガに行くには大きな橋をわたりますが、マニマンは車が多いのには閉口でも、その橋からの雄大な眺めは大好きです。上流側と下流側は全く風景が違い、どちらも面白味があります。週末になると、上流側の河川敷では、家族連れや友人同士など、多くの人々がよく訪れてテントを張って食事をしたりします。あるいは平日の天気のいい日には、犬を散歩させる人が目立ちます。マニマンはいつも橋を見下ろして様子を確認しますが、本当に毎日変化があって見飽きません。先日は河川敷に人影はひとつもなく、赤いヒガンバナがミッドミドリ色の雑草の中で点在して咲き誇っていました。人が頻繁に歩くために道と化した場所の付近を避けて咲いているため、やって来る人は気づきにくいでしょう。