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2008年09月25日●第 56 話
これまで『おにおにっ記』には虹のことを何度か書きました。虹は珍しくなく、また中国では不吉な兆しということを何かで読んだこともあります。でも、マニマンは好きです。先日の夕暮れ、マニマンはいつものようにムーギョ・モンガに買い物に行きましたが、家を出てすぐに前方に、虹の直立するかけらを見ました。写真を撮ろうとしましたが、地平に近く、電線や家の屋根が邪魔してうまく画面に収まりません。消えてしまうと焦っていると、夕焼け色が濃くなり、しかも虹も全体がオレンジがかって見え始めました。マニマンはやがて大きな橋をわたり始めました。そこでは虹をさえぎるものがなく、写真を撮る機会がようやく訪れました。満足して橋をわたり、ムーギョ・モンガに向かうと、世界はすっかりオレンジ色に染まり、虹もそのまま見え続けました。こんな珍しいことはないと思い、マニマンは『おにおにっ記』に書くことを決めました。買い物を済ませてムーギョ・モンガを出ると、すっかり日は暮れ、どこにもオレンジ色はありません。火が消えたようなさびしさを覚えて家に向かいました。
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