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2007年12月16日●第 58 話
マニマンはママーニと一緒に電車に乗って遠くに出かけました。最初に美術館を訪れました。面白いことに、そこではひとりで真っ暗な部屋に入って、画用紙に鉛筆で描くコーナーがありました。30分ほど待ってマニマンの順番が回って来ました。係員に案内されて中に入ると、大きな白いテーブルがふたつずつ向かい合わせにくっつけられていて、椅子も4つありました。出入口に最も近いところにマニマンは座りましたが、暗闇で描くせいか、画用紙からはみ出した鉛筆跡が、画用紙を置く範囲の外側にたくさんありました。係員から鉛筆を受け取ると、扉が閉められ、電気が消されました。マニマンは自画像を描くことにし、真っ暗な中、まず画面上部に『MANIMAN IN DARKNESS』と書きました。暗闇でも光るマニマンですが、さすが真っ暗では手元は見えません。でも1分少々でマニマンは描き上げ、机にあるインターフォンを鳴らしました。外に出て描いたものを見ると、まるで明るい中で描いたのと同じように、マニマンが思ったとおりの線となっていました。マニマンは暗闇でも自分を見失わないなと思いました。
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