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2007年10月29日●第 10 話
「バラバラ薔薇儀式」の続きです。甥の結婚式のために海外組も含めてマニマンの一族の多くが集まりました。そして今日はめったに会えない人たちと一緒に、鬼の伝説で有名な田舎の温泉宿に出かけました。マニマンは宿に泊まることはめったにありませんし、それにマミー・ママンを含めて一族みんなでということはもう二度とないかもしれません。それを思うと、マニマンは紅葉のいい時期に本当にいい経験をしていることを実感しました。駅前に宿のバスが迎えに来ていて、それに乗り、山道を走って20分で宿に到着しました。鄙びた、そして古風な感じの宿に入ると、民芸調の木版画作品が廊下の壁のあちこちにたくさんかけてありました。ほとんどが鬼の顔を描いたものです。マニマンは『おにおにっ記』が呼び寄せたのだと思って小躍りしました。マニマンは鬼の仲間になった気分で、温泉に入る前にすでに顔が紅潮して来ました。順に見て行くと、鬼の版画の中には自分と同じ4つ目のものがあり、マニマンは自分の顔を木版画にしてみるのも面白いかなと考えました。
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