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●アルバム『ONE SHOT DEAL』解説、その1
のことばかり書くのは老いた証拠だが、ザッパはもう死んで15年になるし、その音楽の記憶は昔に属している。



●アルバム『ONE SHOT DEAL』解説、その1_d0053294_945517.jpg

季節毎に新譜を聴いた記憶があるが、夏と言えば『ジョーのガレージ』の第1幕の輸入盤のLPを京都三条の十字屋で買ったことを思い出す。1979年9月であるから29年前のことだ。間もなく第2、3幕の2枚組LPが出たが、最初の第1幕の音の印象が強烈で、それは夏の暑さの思い出と重なっている。実際第2、3幕は全体に暗い内容で、それはレコードが発売された晩秋から冬にかけての記憶と密接につながっている。ザッパの音楽を発売と同時に聴くことの楽しさは、どれほどスリリングであったことか。今なおザッパの古い未発表録音はCD化されているが、それはザッパが生きている時に発売と同時に聴くこととは大いに差があって、あまり暑くなれない。とはいえ、筆者が注文して6月末に届いた『ONE SHOT DEAL』は、最もいい曲が『ジョーのガレージ、第1幕』に収録されるギター・ソロの未編集ヴァージョンであるため、29年前の暑い夏の記憶が蘇った。そして、思い返せば、29年前に気になっていたことが、今頃になってわかるということのありがたさと、あまりの人生の短さだ。29年前の記憶が鮮明である分、筆者にはこの29年間がまるで1日のように感じる。つまり、昔とはよくわかってはいるのだが、自分がそれほど老いたとは感じられない。それで、ここに書くことも懐かしい思い出というのではなく、時空を超えた妙な感覚を抱きながらであって、その生々しさに、猛暑とは別の理由で汗ばんで来る気がする。そして、面白いことに、『ONE SHOT DEAL』の目玉的曲であるギター・ソロは、『ジョーのガレージ、第1幕』では水ぶっかけTシャツ・ショーにおいて若い女性のおっぱいがびじょ濡れになるといった馬鹿騒ぎを表現する曲で使用されたもので、暑い印象をさらに倍加させる。ザッパがよく変態と言われたりするのは、聴く者に卑猥な連想をさせるそうした曲を演奏するからとも言えるが、を実際はその曲は猛烈な練習を積み重ねたてスタジオ録音する一方、いくつものステージをこなす中、ベストを思えるギター・ソロを抜き出し、不要部分をカットし、時に回転数を替え、スタジオ録音に挿入したものであって、わずか数分が膨大なエネルギーの集積物となっている。それは芸術的職人肌の才能による、人に提示して恥ずかしくないものをという思いが込められたもので、その曲で表現されるような変態や単純な脳細胞連中に理解が及ぶものではない。だが、こうしたことを書くと、そのことにまた振り回されて、ザッパを聴くことがまるで人を見下げた知的で格好よいと勘違いするアホがまた出て来る。筆者が嫌いなのは、そのどちらの連中もだ。わかりもしないのに、わかった振りをして悦に入る連中ほど、実際のところはザッパの音楽からは遠い。ドイージルがZPZのツアーに際してブログに書いていた印象深い言葉は、父フランクがかつて言ったことの引用で、『とにかく練習、練習、練習』だ。人前で披露出来るものを披露するには、最低限、そうした覚悟と態度は必要だ。格好いいのは、『とにかく練習、練習、練習』をやれる人間で、これは昨日書いたように、クラシックを聴くことも同じだ。ザッパの音楽は、とにかく繰り返し繰り返し繰り返し聴くことでしか楽しむことは出来ない。『音楽は知識ではない』。これも『ジョーのガレージ』で吐露されたザッパの考えだ。他人に格好つけるためにザッパを聴いたり、クラシックを聴くという愚かなことはしない方がよい。

●2003年3月8日(土)深夜 その2
●アルバム『ONE SHOT DEAL』解説、その1_d0053294_9451248.jpg何だかのっけからブルーな話になってしまったが、今夜はとにかくようやく長い長い仕事の日々から解放されて虚脱感がある。それでもこの日記を書き始めてからでないと床には就けないとばかりに、眠たい眼を見開いてワープロに向かった。すでにパソコンを毎日使用しているのであるからパソコンを使用してこの日記をつければいいのだが、従来どおりに2DDのフロッピーを初期化して使用し、古くて大きくて重い箱形のワープロの小さな画面に向かうのが落ち着く。これは前にも書いたが、このワープロでは平仮名入力をして文章を書いている。パソコンはその平仮名キーの並び方が違うため、ローマ字入力で平仮名や漢字に変換する方法で書いている。去年9月にパソコンを使用し始めた時はそのローマ字入力に全く慣れず、わずか10行の文章を打つのに30分ほどかかったりしたが、今はもう速いものだ。工作舎の石原さんが「大山さんならすぐに慣れますよ」と言っていたが、そのとおりであった。それでこの日記はまた平仮名入力だが、すぐにかつての指使いの感覚が蘇り、以前と同じようにキーを速く打つことができる。これはなかなか愉快だ。バイリンガルならぬバイフィンガルか。いや、バイマニュアルと言うのが正しいのかな。ま、とにかくブラインド・タッチはできないが、毎日パソコンではメールをよく書くこともあって、キー・パンチには慣れた。それで急に思い出した。若い人はよくキーの記号を組み合わせて絵文字を作り、それをあちこちに挿入したメールを書くが、あの記号はどうやって打つのだろう。たぶん自分で作った絵文字を単語登録などして、いちいち打たなくても瞬時に呼び出せるようにしてあるはずだが、その単語登録の方法がまだパソコンでどうするのかがわからない。わからないままにそれでもどうにかメールを打っているが、人生も同じことで、気がかりであるにもかかわらず、ついついそのままにしていることがよくある。30年も気になっていたのに、ある日それがひょんなことで氷解することもあったりで、そう考えると人生は本当に過ぎ去るのが速い。ま、それはいい。絵文字だ。この絵文字を筆者が利用する床屋の主人が面白いと思い、それで携帯電話を所有しようと思うに至ったと言っていたが、そういう気持ちは若者並みに若いと言うべきなのであろうか。絵文字に興味はなくはないが、それでも漫画をさらに単純化してニコッと笑ったりしている記号を文章の間に見るにつけ、何だか一瞬白けた気分になる。書き手は「わたしはこの文章を好意的な思いで書いているのであって、どうか誤解しないでほしい」と予め防御しているかのようで、その一見引っ込んでいるように見せかけつつ、実はしっかりと自分は悪くないのだぞと主張しているかのような感じは、笑顔の仮面の裏に硬直した渋面を見るようで何だか感じがよくない。筆者は文章の中に?や!を書くことも本当は気が引けるほどで、ましてや(と、ここまで書いて困ってしまった! 今書こうと思っている記号をどうして出してよいやらわからない。それで分厚いマニュアル本を開く。あった。先へ進もう)文章の末尾に言葉を伸ばす時に使用する~(この記号を出したかったのだ)などは思いつきさえもしないし、思いついても使用する気はない。それをしないのがすでに老人に兆しと言われるのなら、それもいいだろう。みんな確実に老人になるのだ。若い人が喜んでやっていることに水を指す気はないが、それでもそんな記号など使用せずとも文章だけで自分を伝える力のことを考えてみることも無駄ではない。こんなことを書くと、絵文字も各個人の工夫があって、みんな同じものを使用してはいないと反論する人もあろう。それは実際そうかもしれないし、筆者も自分だけのグロテスクな絵文字を編み出して縦横にそれを使用したメールを送ってやろうかと思わないでもない。以前この日記で、スマイル・マークの不気味さについて書いたが、笑顔の絵文字もそれと同類であり、しいて面白くはない。手塚治虫の「ひょうたんつぎ」の顔のような、笑顔とは正反対の一風変わった表情をいくつも作って、それを笑顔の代わりに用いたメールを書くと、それをもらった若者はいったいどう思うだろう。それを考えるだけでウヒヒヒヒ~~~~と笑えて来る。それでもそれは「わたしはこの文章を好意的な思いで書いているのであって、どうか誤解しないでほしい」とい気持ちは同じで、一見とんがっているように見せかけつつ、実は自分は悪くはないのだぞと主張したいのだ。攻撃的な仮面の裏に満面の笑顔を示す思いゆえなのだが、はたしてそのブラックなユーモアがわかってもらえるかどうか。「ハッ、変なおっさん」と思われるのがオチか。アホなこと書かないで、もう寝よっと!
by uuuzen | 2008-08-16 09:46 | 〇嵐山だより+ザッパ新譜
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