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2007年08月16日●第 196 話
自分が黒光りしていると思っているマニマンは、暗闇で光るものには関心があります。マニマンが住む盆地では、毎年お盆の翌日の16日の夜は、先祖の霊を送るために東西と北の5つの山で、大きな文字や絵の形に灯かりが一斉に焚かれます。ここ十数年、マニマンは5つの中心的存在の「大」の字ばかりを大の字になって寝転びながら見て来ました。というのは嘘で、大の字に立って見つめて来ました。というのも嘘で、座って眺めて来ました。それが今夜は大勢の人に混じって、川向こうの真っ暗な山肌の鳥居型を見ました。『おにおにっ記2』の最初は神社づいた話が多かったですが、その影響もあるかもしれません。お盆が過ぎれば夏も終わりです。そう言えば『おにおにっ記2』もそうです。これは嘘ではありません。それにしても2月上旬の寒さからあああっと言う間に夏が来て、それがもう終わりです。マニマンと違って自然は嘘をつきそうでつきません。マニマンは鳥居型の山光がまだ燃え盛っている間に家路に向かいました。暗闇の中で輝く灯かりが消えるのを確認するのはさびしくてつらかったのです。
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