人気ブログランキング | 話題のタグを見る

●DVD『Zappa Plays Zappa』見本盤、その5
teve VaiとTerry Bozzio、どちらもイタリア系だが、FZが雇った中ではテクニシャンかつアイドル的な要素もあって、マザーズを離れてからもよく活躍し、日本でもファンが多い。いや、マザーズにいた頃よりもむしろそこを出てからの方が人気は出た。



12月にK氏と話した時、ZPZの前売りチケットは、Vaiがゲストで出るのであるから、Vaiファンは買うだろうと筆者は言った。だが、どうもそうではないことがわかった。Vaiは自分のバンドで来日しているし、今回の8500円というチケット代でしかもゲスト参加となると、二の足を踏むだろうというK氏の予想だった。それにVaiファンは、Vaiがザッパのバンドに在籍したことをあまりよく思っていない場合が多く、あくまでもアルカトラス出身で、マザーズでの経歴を無視したがっているというのだ。これは何となくわかる。Vaiの現在の音楽がどれほどFZに何かを負ったものかそうでないかの判断は、Vaiの活動から当然わかるが、その端的な例はFZから受けた恩を忘れず、そのためにもZPZのゲスト出演を引き受けているという現実だ。Vaiの音楽に関しては以前別のカテゴリーで取り上げようと思いながらそのままになっているが、FZから受けた影響はやはりそうとう大きい。だが、その音楽の方向性は異なる。Vaiの音楽はそのギターの速弾きもあって、どうしてもロココ的、つまり華麗華美な印象に傾いて、FZのような表現主義的な迫力のあるものとは違う。幻想性においてもFZの方が強い。そのあたりのことはまた日を改めて書くが、VaiファンでFZをあまり聴かない人が多く存在するであろうことは充分に想像出来ることであり、K氏に意見には妙に納得した。またBozzioも先年ひとりでやって来てドラムを叩き、それなりに面白い演奏だったとのことで、ゲストでまた日本でやって来てもBozzioファンにとっては新鮮味はなかった。日本公演においてBozzioに代わってレイ・ホワイトがゲストとなったことが、チケットの売れ行きにどう響くかという問題があったが、レイの歌声を聴いてみたいという人は多かったはずで、この人選は間違ってはいなかった。Dweezilにしても、DVDと同じメンバーによるステージをわざわざ日本で披露するのも芸がないと考えたことだろう。
●DVD『Zappa Plays Zappa』見本盤、その5_d0053294_1162373.jpg

 DVDで見るVaiとBozzioの出番は「怪物」という言葉がふさわしい圧倒的な印象があって、まさに度肝を抜かれる思いがする。そのふたりの前でDweezilの存在がかなりうすくなっている。筆者にはこれがまず心配であった。ゲストの協力を得なければZPZだけではツアーが成立しなと認識されれば、これはバンドとして完全に失敗だ。DVDは、撮影者がステージ上のあちこちで演奏者の手元などをアップで捉えるから、実際のライヴを見に行くよりはるかに細部が確認出来る。そう考える人はまずLIVEなどには行かない。まして、DVDにおいて存在が希薄なDweezilを見るとなおさらだ。ところが実際のステージを見て納得したのは、筆者の座席がちょうど中央で、真正面にDweezilがいたからでもあるが、ステージの中心はやはりDweezilであったことだ。派手なVaiの演奏はDVDと全く同じであったが、不思議とDVDで見た時のようには驚かなかった。これはVaiがあくまでも舞台下手に控えめに陣取り、Dweezilを盛り立てていたという事情が大きい。となればVaiの真正面でステージを見た人は逆にDweezilの存在がうすく見えたことになるだろうが、そうとも言えない何かがあった。そこにDVDの功罪を見た思いもする。DVDで演奏を鑑賞することは、自分がちょうど霊のような存在になって、演奏者にも観衆にも姿を確認されず、したがってそしられることもない自身の立場の確認がつきまとう経験にほかならない。つまり、死人と同じ立場だ。それがあるために演奏がいくら素晴らしいものであっても、それを本当に実感することは出来ない。自分が画面の前で拍手しようが、あくびしようが、それは画面内部の演奏者には伝達されず、どこかに冷静な眼差しがある。それが果たして本当の音楽鑑賞かという疑問をたまには再検討すべきだ。そのあたりまえのことが筆者にもなかなか実感出来なかった。LIVE演奏とはよく言ったもので、まさにそれは生きている、ナマのものであって、拍手や歓声と呼応して眼前の演奏が変化する。そしてその演奏の統率者はDweezilで、いくら技術抜群のVaiの演奏が繰り広げられても、主役はDweezilであり、またFZの音楽という思いを強くした。そのことを最初からVaiはよく理解したうえで、なおかつゲスト出演を引き受け、FZの曲をみんなで演奏して楽しむことを決めた。そこにVaiの懐の深さがあり、そういうVaiを見出したFZの大きさがまた再確認出来る。DVDでのBozzioのドラム・セットは太鼓もシンバルも半音ごとに20個ほど並べたもので、それを眺めるのは面白い。マザーズ時代、BozzioとVaiは一緒にツアーに参加したことはなかったから、それがDVDで一緒にいるのを見るのはなかなか豪華で、そういうステージが実現しなかった日本からすればこのDVDは価値がある。

●2002年9月9日(月)午後6時 その2
●DVD『Zappa Plays Zappa』見本盤、その5_d0053294_1154497.jpg長崎駅は長崎本線の終点であるから、線路の末端部がある。これはわが家近くの嵐山駅と同じだ。それを確認して写真を撮るために、構内に入るのもよかったが、もう時間があまりないように感じた。それで駅舎内の広々として明るいショッピング・コーナーで土産物を買うことにした。それは行く前から半分決めていたもので、コウモリの商標で有名な福砂屋のカステラだ。コウモリは「蝙蝠」と書くが、「福」と似ているのでめでたい動物とされる。ポルトガルからもたらされた菓子の商標に中国のセンスをチャンポンしている。ザッパのバーキング・パンプキン・レコードの商標と通ずる感覚だ。キリン・ビールもそうだ。「ああ、ビールを飲みたいな」などと思いながら、1400円のカステラを2本買う。1本は誰かにあげてもよい。だが、店員は「賞味期限は9日までです」と言う。わずか5日しかない。送ったりしている間に下手をすると期限切れになる。土産を買った後は、京都行きのバスに乗るまでに晩飯だ。新地ターミナルに戻って、乗り場を確認し、それからすぐ近くの中華街で食べることにした。昼と同じチャンポンでは能がないが、トンカツや天丼というのも面白くない。回る寿司もあったが、大阪の方が安い。かといって店はもうみな閉店間際の様子。このままでは飯抜きで寝なければならなくなりそうで、急いで適当な和食屋を見つけて入った。やっぱりビールでも飲もう。キリンの淡麗生の中ジョッキが300円という小さな貼り紙が目に入ったので、それを頼んだ。普通の生より150円安い。味わわなければ淡麗も普通のビールもさほど差はないと友人が言ったが、それもそうだ。食事で満腹。昼間から6、7本の飲料を買い、なおそのうえに中華食堂で水をがぶ飲み。お腹は水気だらけ。あまりの暑さで全部汗になってしまった。孔子廟横の銭湯の湯船を経験するというのもよかったのになあ。ターミナルに着くと出発まで30分とない。家に電話。10円で済む。バスに乗って往路と同じ本の残りを読んでいると、午後10時にはもう眠りに落ちた。朝になって大阪南部の昭和町や天下茶屋を走っている時、やけにホームレスが目についた。道端に寝ているおっさんたちにも朝が来る。いやいや、こっちもすでにたっぷりおっさんだ。年下の人も多いだろう。『モーニング・ハズ・ブロークン、甲ちゃん・ハズ・ブロークン、夜が明けたよ。世も明ければよいけど……、おっちゃん、ビールでも飲むか?』。天下茶屋は豊富秀吉にゆかりのある地区だが、長崎と大阪がまるで隣同士のような気がした。実際そう感じてもおかしくない。高速バスの狭い座席に拘束されながら、ふと目覚めればそこは長崎であり、あるいは大阪だ。長崎はいいところであった。また訪れて、今度は祟福寺やシーボルト記念館など、山手中心に回ってみたい。あるいはこの調子ではどんどん高速バスでまだ行ったことのない街へ行くのもよい。近鉄バスは他に山口、熊本、鹿児島、甲府、仙台、福島、栃木などに走っている。どこへ行ってもさほど料金に差はない。東北へは行ったことがないから、次は仙台というのもいいか。伏見、古賀と来れば、もうひとつの有名な土人形の故郷、つまり仙台市の堤人形を見るのもよい。昔、長崎出身の女性と一緒に友禅の仕事を一時期したことがあるが、その後仙台出身の女性と知り合いにもなった。その彼女曰く「仙台も大きな街でいいところですよ」。以上、子細な長崎紀行になってしまった。この調子では1ヵ月の出来事のまとめは、尻切れトンボ的にわずかだけ書くことになりそうだ。しばし休憩。しばしば休憩。
by uuuzen | 2008-02-08 11:06 | 〇嵐山だより+ザッパ新譜
●DVD『Zappa Play... >> << ●ZPZツアー、6月と10月の...

 最 新 の 投 稿
 本ブログを検索する
 旧きについ言ったー
 時々ドキドキよき予告

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
以前の記事/カテゴリー/リンク
記事ランキング
画像一覧
ブログジャンル
ブログパーツ
最新のコメント
言ったでしょう?母親の面..
by インカの道 at 16:43
最新のトラックバック
ファン
ブログトップ
 
  UUUZEN ― FLOGGING BLOGGING GO-GOING  ? Copyright 2024 Kohjitsu Ohyama. All Rights Reserved.
  👽💬💌?🏼🌞💞🌜ーーーーー💩😍😡🤣🤪😱🤮 💔??🌋🏳🆘😈 👻🕷👴?💉🛌💐 🕵🔪🔫🔥📿🙏?