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●「Zappa Plays Zappa」ツアー、その1
appa Plays Zappaのツアーについて今日から数日書く。大西さんの資料の中に、このZPZの公演予告についての新聞の切り抜きが2枚あって、この話題についてはなるべく後にしようと以前から決めていた。



●「Zappa Plays Zappa」ツアー、その1_d0053294_13275625.jpgドゥイージル率いるZPZバンドが、去年に続いて今年も来月から10月にかけて、ヨーロッパとアメリカ、全46都市を回る。そのスケジュールはザッパの家族が運営する公式ホームページで見ることが出来る。去年は5月15日のアムステルダム公演からスタートし、6月11日からアメリカ、そしてしばらく休んで12月もアメリカを回り、全部で51日演奏した。今年は去年より5日少ないが、去年好評であったのでまた続行することになった。回る都市は去年とは異なるようだが、その方が宣伝にもよい。今年4月だったろうか、DVDを発売するとかニュースがあったように思うが、来月のツアー開始に合わせているのかもしれない。だが、会場隠し録画映像がすでにファンの間に出回っており、おおよそどういう演奏かはわかる。また、大西さんは去年の6月12日と10月31日に見ていて、その時音を隠し録りした。それは個人が楽しむCD-Rの形で数部作られ、筆者の手元にも届いた。当然音質はよくないが、海賊DVDと合わせて聴くと、より実感出来る気がする。こうした録音録画機器が小型にもかかわらず、性能が飛躍的に向上したため、ライヴ・アルバムやその映像の商品化はスピーディさが求められるが、あるいはザッパがたとえば『Dub Room Special』でしたように、ほかの特別映像と組み合わせるなどしない限り、売れ行きは芳しくないだろう。その点、ドゥイージルがどう考えているかだ。また、このZPZの企画そのものが、ファンにとっては意見の分かれるところで、DVDもどの程度売れるのだろうと心配になる。ドゥイージル以外、新人6人がバックを務め、それにザッパ・バンドに在籍した、テリー・ボージオ、スティーヴ・ヴァイ、ナポレオン・マーフィ・ブロックというメンバー3人をゲストに迎えた演奏で、かつていくつか存在したザッパのカヴァー・バンド、オマージュ・バンドの公式版といった感じはあるものの、カリスマの香りが乏しいことは免れない。今年はゲスト・ミュージシャンにレイ・ホワイトが加わるとニュースがあったと思うが、どうせならもっと多くを参加させてほしいところだが、今後の楽しみといったところか。去年の春だったが、大西さんからZPZの日本公演の実現の可能性がないだろうかとの相談を受け、筆者はそれなりに動いたが、日本での人気度からすれば実現は難しい。今年のヨーロッパ・アメリカ・ツアーが評判になれば、日本の呼び屋も食指を動かすかもしれないが、日本にはファン・クラブがなく、誰かが音頭を取ってザッパ・ファンを集めようとしたところで数は知れているであろうし、またそういった音頭を取る人材がない。その点、さっぱり人気のない筆者は論外、むしろ筆者の名前を出すと面白がらない人が多い。それはそうと、去年春はグランド・マザーズも来日公演をしたがっていて、マネージャーはまだ期待もしているらしく、たまにスケジュール・メールを寄越す。ぜひとも日本でZPZとは無関係に自分たちのツアーを実現したがっているが、ZPZ以上に難しいのは明白で、そもそもギャラが折り合わないだろう。

●2001年11月5日(月)昼 その1
今朝は曇天から雨。寒い。昨夜は待ち会わせの時間より充分余裕を取って家を出た。ちょうど1時間ほどあったので、梅田の百貨店でクールベ展を観た。たいていこういった展覧会はどこかから招待券を入手するのだが、今回はプレイガイドで前売りを700円で買った。クールベ展は日本では10年ぶりだとのことだが、前回は関西には巡回していないはずで、筆者は観ていない。百貨店での展示であるので、重要な作品は来ていないが、それでもいい作品がいくつかあって、クールベの才能がよくわかった。晩年はお金のないモネを援助して、まるで印象派を予告する風景画を描いたが、フランスの絵画の歴史の中にしっかりと位置づいている。今後もクールベの評価が落ちることはまずないだろう。反骨のクールベは晩年に逮捕されて牢獄に入るが、それで寿命を縮めてしまったのかもしれない。カトリックの腐敗を告発した大作を発表して物議をかもし、その絵はカトリット信者が買い取ってすぐに破壊したというが、そんな出来事ひとつ見ても、クールベの不敵な様子がいろいろと想像できる。ジュラ山脈系の自然豊かな地の出身ということがクールベの絵画のテーマに圧倒的な影響を与えているが、そういった風景画や動物画を秋のさなかのこの日本で見るのもまた格別に味わい深いものがある。またクールベは自然主義の画家とよく言われるが、それ以前にロマン主義の洗礼を受けており、動物画や風景画でも寓意画として心に迫って来る。もちろん複製だが、筆者がクールベの絵を最初にまじまじと見たのは中学を卒業して間もない頃だったと思う。東京から転校して来たT君と小学生五年の時からとても親しくなって、家をよく行き来したものだが、お坊ちゃんの彼は中学は校区外のところへ進み、やがてつき合いは途絶えた。その彼からある日手紙が届いて、また東京に戻ったことがわかった。その時に同封されていたのが、国立西洋博物館の絵ハガキ数枚で、その中の1枚にクールベの「波」があった。その実物に接するのはもっともっと年月が経ってからであったが、その間、彼の珍しい名前を手がかりに、1、2度、電話帳で居場所を探し出そうとしたが結局わからないままになっている。絵が好きで体操が嫌いな彼は筆者とは趣味がよく合ったものだが、東京に移ってからはバレー・ボール部のキャプテンをするなど、見違えるような青年になったと風の便りで耳にしたことがある。クールベの絵をまとめて観ながら、ふとそんな遠い思い出が心をよぎった。表面がテカテカとして150年前のものとは決して思えない油絵に比べて、人間は急速に老いてこの世からいなくなる。芸術の方が永遠で、それに携われる人は幸福と言うべきだろう。
 難波に出て、まだ5時半の待ち会わせ前まで20分ほど時間があった。近くの中古レコード店をいくつか覗いて、ほしいものは多少あったが、懐が寂しくで買わなかった。この1、2ヵ月はレコード代が伏見人形代に化けている。途中で道具屋筋商店街を抜けたが、とある店のウィンドウには高さ40センチほどの金や黒、白の招き猫がいくつも飾ってあった。値札を見ると、だいたい1万数千円程度だ。水商売をする人にプレゼントしたりするものだが、昔はこういう道具店で布袋像も売られていたのだろう。福助などは今でも新製品が売られているのをたまに見るが、それでも招き猫ブームにはかなわない。またこれらの大型の招き猫は土人形の部類に入るとしても、型抜きで量産したものであるし、彩色も艶がある塗料を使用して、半ば磁器製品のように見える。それはそれでソリッドな感じがあっていかにも現代的でよいのだが、伏見人形の部類に属するひとつひとつ手作りして焼き、色を塗る布袋像とは全然印象が違う。筆者が4000円で買った恐ろしく古い布袋と同じものを今同じように作ったとして、とうてい1万数千円で店頭に並ぶはずがない。実際伏見稲荷境内の大きな土産店で売られている最大のものでも高さは15センチほどで4000円だ。キャラクター・グッズ大流行の20世紀後半であったが、中国趣味丸出しの布袋はあまり好まれず、猫のペット・ブームから、どうやら招き猫だけがしぶとく生き残っている。それで丹嘉でも猫がよく売れるのだろう。しかし、前にも書いたと思うが、丹嘉の見本ウィンドウには、大きな招き猫を中心としてその周囲に数十の豆サイズの猫が絡まっている、何とも不気味で不思議な人形があった。これなどは昨今のどの招き猫もかなわないほどの度胆を抜く斬新な造形で、招き猫ブームに乗じていくらでもこういう遺産が繰り出される可能性があり、伏見人形の絶大な貫祿を思う。可愛いだけではなく、それを通り越して怪奇趣味に突入しているというのは頽廃を表わすのかもしれないが、それは人形という造形すべてに本来同時に宿っている感覚ではないだろうか。伏見人形の「おぼこ」のことも前に触れたが、武井武雄もそれについてはまさに的確な描写をしており、まだあどけない処女の像であるのに、そこに遊女の面影を感じ取っている。これはそのとおりであり、子どもと大人のイメージが交差する点をあますところなく1個の人形に同時に表現しているところに、大の大人が魅せられる象徴性の深さがある。土人形であるのに、麻糸で作ったものだろうか、黒髪が植毛されていて、見方によってはとてもグロテスクだが、それがすっかり抜け落ちたのか、最初からないのか、写真で見る限り、それはそれでまた別の味わいがある。道を堂々と歩き行く若いピチピチ・ギャルもすぐに老いるのが人生。今を盛りとして咲き誇っている花も明日にはもう散っているというはかなさの美。これを日本的と呼ぶ人も多いが、それと同じものが伏見人形の「おぼこ」にはある。それは子どもが玩ぶものでありながら、高さが40センチもあって、本当は大人が部屋の片隅にでも置いて飽かずに眺めて愛玩するものだろう。

by uuuzen | 2007-06-14 13:29 | ○『大論2の本当の物語』
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