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2006年08月26日 ●第 71 話
マニマンはその後オニビシの偶像の体部分も作りました。紙粘土が少なくて2等身ですが、コミカルさにはちょうどよかったのです。もちろん体もオニビシの形を連想させるようにしました。頭は360度回転出来て、向きによって全体の表情が変わります。悲しげでしかも威厳があるような、そんな雰囲気を念頭に置きながら、曲線ばかりで構成し、トゲトゲを中心に表現しました。トゲトゲは全部で16本で、これ以上ではオニビシらしくなくなります。全体を茶色に塗ればより本物らしくなりますが、白いままにおきます。名前は『オニビシ精人』です。『オニビシ威勢人』でもいいのですが、マニマンの庭のオニビシはずっと威勢がないままですからね。オニビシの偶像作りは、オニビシをうまく育てられないための、せめてもの罪滅ぼしですが、オニビシがイスラームのように偶像崇拝を快く思わないとも限りません。でも、マニマンはもう精像を拝む言葉を考え始めています。イスラームでも仏教でもない、オニビシ教のありがたい響きです。耳を澄ますと、その言葉がオニビシ精人から聞えて来る気がします。
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