●ミニミニ犬とジョン・レノン親子
風が強い。一昨日はまだ裏の畑の梅の木も半分程度は花をつけていたが、今朝はもうほとんど散り果てた。




風の音を聞きながら、半分目覚めた布団の中で今日は昔のヒット曲「ウィンディ」を取り上げようかなと思った。すぐにそれは打ち消され、また眠りに落ちた。目覚めた前後にそれぞれ別の夢を見た。メモはしなかった。そのためかなり忘れている部分もある。最初の夢は小さな犬が出て来た。これは去年このカテゴリーに書いた「ミニミニ犬」と関連するのかなと思ってさきほどその内容を確かめると、関係はないようであった。小学生時代、近所の犬が鎖を自分で切り、その途端に筆者目がけてやって来てがぶりとやった。病院にかつがれたが、そんな経験を持つので、犬は飼いたいと思わない。猫もそうだ。犬や猫をペットとして大事にする人は、心も経済も余裕があるのだろうが、ペットを大事にするあまり人間関係に齟齬を起こしている人もまま見かける。ペットが死ぬまで責任を持って面倒を見るならいいが、野良猫をたくさん餌づけして子をどんどん生ませ、そんな猫が近所中の庭に臭い小便をしても自分の責任ではないと言い張る人がいるし、犬を散歩に連れ出して、その糞を全然始末しないどころか、一応紙袋に入れてこっそりそれを人気のないところで平然と捨てたりしているのもよく見る。ペット好きのみんながそうではないが、ペットを通じて「これ、かわいいでしょ? それにこんなかわいいペットを大事にしている自分もね?」と暗に言っているように感じられたりすると、正直な話、そんな人とはあまり親しくなりたいとは思わない。そうそう、こんなことを書くと猫好きから非難されるが、昔染色工房で働いていた時、筆者専用の部屋の裏にドクダミなどの雑草が繁茂する庭があった。そこにいつの間にか猫が住みつき、何匹かの子を生んだ。確かに子猫はかわいいが、庭のあちこちで糞や小便をするため、鼻がひん曲がるほどの悪臭に苦しめられた。それで、たまに筆洗に入った2リットルほどの水を窓を開けて猫目がけてぶちまけてやった。猫は素早いからその水を全く浴びない。両手両足をぴんと水平に伸ばして空中をムササビのように一瞬ぱっと飛ぶさまは、ほれぼれする見事な造形美で、それを見たいこともあってよくそんなことをした。子猫は水を飛んでかわした後、また遠くに座ってこちらをきょとんと見ている。そんな水かけ論の交流を重ねているうちにやがて猫は成長していなくなった。野良猫はどこで寝て死ぬのかと今でも不思議だ。さて、こんな夢を見た。

妹の長男Mが筆者にネット・オークションで買った小犬を見てくれという。次男Tも横にいて、ふたりは3年前に死んだ犬の代わりにまた新しい犬をほしがっているようなのだ。Mは、よくスナック菓子が入っているうすいプラスティックの焦茶色のケースの蓋をそっと開けて見せる。ケースの厚みは2、3センチほどだ。チョコレートが入っていたのかもしれない。蓋から覗いたのは小さな毛玉のような犬だ。繭より少し大きいほどで、毛はふさふさとして耳かきの先についているあの毛玉に少し似ている。だが、その毛玉状の犬は青い染みが斑状についていて、無残な表情だ。Mの言うところによると、郵便で送って来る途中何かが壊れて、それに染みたためにこんな具合になってしまったとのことだ。それを元どおりの白さに出来ないものかと筆者に相談を持ちかけて来たのだ。生まれたばかりの小犬であるので、水でごしごしやるとすぐに死んでしまう。どうすればこの毒々しい色を消せるかと筆者は考え、ぬるま湯の風呂に入れることを思いつく。そして一緒に自分も入って、そっと撫でてやろうと思い、すぐにそうする。ゆったりと湯舟につかりながら、犬の両手で持って湯をそっと何度もかけてやると、青い色はやがて水色になり、完全な白さには戻らないまでもどうにか白に見える程度になった。Mは大喜びで、さすが叔父だとはしゃぐ。だが、次の問題がある。どんな餌を与えてよいかわからない。もう少し成長した犬ならミルクでもいいだろうが、まだ胎児同然のこの小ささではミルクは受けつけない気がする。それがきっと一緒に送られて来た手紙か何かに書いてあるはずだと思い、MとTをその場に置いたまま筆者はすぐにMの家に走って行く。実際とは違って、いくつかの角を曲がるとすぐにM宅がある。
 家はがらんとしていて、最初の部屋の中に郵便物が多少投げ出されたように散らばっている。その中に1通、筆者宛てのものがあることを実は知っていて、それを自分が最初に手にする必要上、理由をつけてひとりで急いでMの家に向かったのだ。その封筒は厚さが7、8ミリあって少々重い。紙しか入っていないのはわかっているが、誰から来たものかわからない。表も裏も真っ白だ。にもかかわらず自分宛てのものだとわかっている。誰からのものを期待していたのか、それが思い出せない。封は切らずにポケットにしまい込み、次に開封された大きな封筒を見つける。その包みでネット・オークションの出品者はミニミニ犬を送って来たのだ。中を見ると予想どおり、ビニールに包まれた手紙と袋が入っている。袋を開けると乾燥した酢昆布の断片が3枚見える。1枚は使いさしで、幅は3ミリほどしかない。手紙はいかにも若い女性という丸文字だ。「…同封の乾燥昆布ちぎって湯に浸し、そこから出るうす黄色のスープをスポイドで少しずつ飲ませてあげてください…」。そうか、やはりミルクでは駄目なのだ。そのことをMに伝えるためにまた急いで自宅に戻る。するとMはいない。ミニミニ犬がどこへ行ったかと思っていると、さきほどの焦茶色のお菓子のケースが細長いペン・ケースほどに変形していて、その中に入っていることがわかる。ケースはゆっくりとあちこち移動していて、どうにか犬にとっては動かせる重量であるらしい。だが、あんなに弱々しい毛玉に過ぎない犬にすればハードな作業のはずで、早くそこから出して酢昆布で作ったスープを飲ませなくてはならないと焦る。そしてケースを手に持つと中の犬が鉛の錘のような手応えある重量で、先端にぐらりと移動し、予想とは違ってすでに体重がかなり増えていることがわかって驚く。次の瞬間、犬は自分でケースの外に出ている。そしてより大きなサイズの白犬に成長していて、ちょこまかと向こうに走って行く。それを追いかけると、すぐに右手がどんよりと青い汚水が溜まった水路になる。ところどころに銀色の腹を見せた魚が浮いているのが見える。こんな魚を犬は食べるのかなと思いながら、なおも後をつける。水路の水は、犬と筆者が走っているコンクリートの細い通路にひたひたと進入して来ていて、渚の際を走っている感じがある。青い汚水がどこまでも続き、ふと気がつくともう犬はいない。そこで目が覚めた。


そして強い風の音に耳を済ましてミニミニ犬のことを考えていて、また眠りに落ちて別の夢を見た。本当は2、3見たが、思い出せるのは最後のものだ。それを次に書く。

ジョン・レノンが日本語をたどたどしいながらもはっきりと喋っている公開放送の現場にいる。すぐ間近に筆者はいて、ジョンを背後から見ている。「井上堯之バンドには影響を受けたね。ちょっとレコードを調べてみようかな」。そう言いながら、LPレコードを何枚も繰りながら、次に放送するレコードを選び始める。ディスク・ジョッキーは別にいるようだが、ジョンがその場所に代わって陣取り、好き勝手に思い出を語りながら、好みの曲をかけようとしている。ジョンは真横にある箱の中のLPを順に繰り始める。ビートルズのものが何枚かあるが、どれも今までにまだ誰も知らないデザインのもので、赤やオレンジ、ピンク、黄色が主体のサイケデリックな感じだ。だが、そんな珍しいジャケットの中身の音楽は筆者はみな知っているものばかりであることがわかる。ジョンも興味を示さず、『ここにあるLPなんかとは違って、本当はもっといい録音のビートルズのものがあるのだが』というような表情で、次々とLPを見て行く。ジョンの姿を見た筆者は先に歩み去った家内を呼び戻す。「ジョンがいてるよ! 日本語で喋ってる」。家内が戻って来ると、急にジョンのいる場所が視界からずっと遠のく。筆者らは大きなスーパーが入った多店舗集合施設の中の吹き抜けになって部分の3階のテラスから、1階のジョンたちがいる公開放送のコーナーを見下ろしている。筆者の周りには他の人々も集まって来て、にぎやかさが増している。と、その時、さらにうえの階から下りて来たのか、ひとりの濃いカーキ色のつなぎ服に身を包んだ中年男性が幼い子を胸に抱えてジョンのいる1階にすっと到着する。パラシュートはつけていない。両手に小型のジェット噴射の器具を持ち、それで空中に滞在する時間や角度を調節していたのだ。男は抱えて来た子どもをジョンに手わたして、自分はジョンのすぐそばにあるソファに座る。ソファは大人が3人ほど座れる大きなもので、実際にはいない巨人用のサイズだ。ジョンは自分の子が来たのを大変喜び、急に英語を喋ってさらに陽気になる。息子を大事に胸に抱えて、まるで周りのことが目に入らない様子だ。息子はまだ喋れないほど小さいが、白い服を着せられ、すでにわがままいっぱいの雰囲気が伝わる。下りて来た男が座っていたソファにはいつの間にか別の日本人の男の子が座って横顔を見せている。ジョン親子の座るソファとは直角方向なのだ。男の子はジョンの子どもより1歳ほどうえに見える。とてもはにかみ屋だ。それを察したジョンはその子を笑わせるために冗談を言う。男の子はそれを理解したらしく少し笑顔を作るが、ジョンの子はその子に対していじわるな素振りをし、男の子はますます恥ずかしそうに、また困った表情を見せる。さらにジョンはその子の心を解きほぐそうと、白いズボンを履いた細い足を伸ばして、足先でその子をくすぐる。それがしつこいため、ついに男の子は大きなソファから落下する。高さは2メートルほどあるので、本当ならけがをするが、幸い床は分厚い絨毯で、毬のようにころりと下に落ちただけでけがはない。ジョンがひどいことを男の子にしたように見えるが、それはすべて男の子の緊張を解く意味からであって、ジョンの子ども好きは誰にもわかるのであった。そこで目が覚めた。

酢昆布を湯に戻してそのスープを飲ませるというのは出所がわからない。最近酢昆布のことを考えたことはないからだ。いや、待てよ。酢昆布ではなく、乾燥ワカメなら思うことはある。筆者は生ワカメが大好きで、スーパーに行ってあれば必ずそれを買う。乾燥ワカメを戻しても同じようなものかもしれないが、生ワカメは醤油をつけてサシミとして食べるのだ。そうだ。思い出した。昨夜ママレードの作り方の中で柑橘類の皮をうすくスライスすることを書いた。そのことが変形して乾燥酢昆布の使いさしの映像となって現われたのかもしれない。ジョン・レノンが登場した理由はよくわかっている。それはこのブログでいずれ書く。大きなソファは『sensibilia』の展覧会で座ったものによく形が似ている。そのソファもふたりは座れるほどゆったりしていた。そして男女が暗闇でそうして座ってもいた。それを見て、筆者は息子か家内を呼んでふたりで座ろうと一瞬考えたが、家内も息子もきっと迷惑がったであろう。

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by uuuzen | 2006-04-03 14:20 | ●【夢千夜(むちや)日記】 | Comments(0)


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