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●神社の造形―柳原蛭子神社、その2
がつく嵯峨野とただの嵯峨という地区が京都市右京区あって、野のつく方は野は皆無で今は家が建て込んでいる。TVでよく映されるのは嵯峨だ。そこには竹藪など、見ものが多い。



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嵯峨野は住宅に囲まれて小さな古墳がありはするが、観光で訪れるような場所ではない。それと同じことがJR兵庫駅より南部だろう。そこはかつては野が多かったと思うが、今はマンションが目立ち、歴史ある寺や神社が見下ろされている。今日の最初の写真は福海寺の本堂で、真裏に高層マンションが建って眺めが悪い。3枚目の写真にも同様のマンションが遠くに見えている。人口がよほど多いようで、それで柳原神社のえべっさんの人出にも納得が行く。TVでは毎年西宮神社の福男が誰になるかの映像を流し、神戸からはみなその神社に出かけると思っていたが、三宮から西は事情が違うようで、この柳原えびすに訪れるのだろう。どちらの規模が大きいかということは関係なしに、自分の住んでいる場所から近くてしかも有名な蛭子神社に行くのは人情だ。大阪に住んでいた筆者の友人Nは毎年今宮戎神社に行って笹を買っていたが、初詣は住吉大社と決めていた。筆者は10年近く前に初めて今宮戎神社のえべっさんに出かけたことがあるが、その規模に圧倒されながらも、あまり馴染めなかった。自分をよそ者と感じたからだ。では京都東山のゑびす神社が最もよいかと言えば、毎年訪れるのでそれなりに愛着はあっても、そこにこだわらない思いがある。それで今年は神戸方面と思ったのだが、筆者は商人ではないうえに、えべっさんにお参りして御利益があるとは信じていない。それで笹も買ったことがないが、賽銭は投げる。そうそう、その話に関係して今日は風風の湯で81歳のMさんから聞いたことがある。Mさんは先月25日に生まれて初めて北野天満宮の縁日へ出かけた。新聞記者時代は忙しく、21日の弘法さんの縁日とともに天神さんの縁日に行くことが出来なかったらしい。それで、話好きなMさんは同天満宮で学生に話しかけた。彼はかなり遠方から京都観光に来ていて、趣味として朱印を集めている。1か所当たり300円するそうだが、その程度の金額は学生でもどうにかなるとして、天満宮の梅苑を見るのに700円する。筆者は600円と思っていたが、値上げしたのだろうか。700円あれば食事出来る。また、そのように朱印をもらうために訪れる寺ごとに拝観料を払うと、おそらく旅行のための交通費と同じ程度の支出になる。それをMさんはかわいそうだと言う。筆者はその話を聞きて、せっかく遠方から京都を訪れ、朱印だけもらって内部を拝観しなければ、次はいつ京都に来て内部の施設を見ることがあるのだろうと言った。だが、Mさんは寺社仏閣に対して批判的ではない。たとえば庭を維持するのにどれだけの金がかかるか。確かにそうだが、去年末の東京のある神社のように、敷地内に宮司が自分のための立派な洋館を建てて住むといったことを知ると、集めた金はすべて参拝客のために使うという心がまえの人ばかりではないことに矛盾を感じる人は多いだろう。
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 福海寺をネットで調べると、足利尊氏が京都西賀茂の正伝寺の相を招いて創建し、歴代の足利将軍に庇護されたとある。鉄筋コンクリート造りのまだ新しい本堂で、そのような古い歴史があるとは思えないが、阪神大震災で被害を受けて建て換えたのかもしれない。「大黒点」と書いた提灯がたくさん吊り下げられるが、これは足利氏が大黒天を信仰したからという。禅寺であるので、大黒天が本尊であることはあり得ないはずで、ネットにはやはりそれは釈迦如来と記してある。今日の2枚目の写真の奥に小さくそれらしき仏像が写る。これは門を入って真正面突き当たりで、えべっさんの時期だけの開帳であろう。みんな真っ直ぐにその本尊の前に進み、そして賽銭を投げて拝む。筆者らもそれに倣ったが、えべっさんと大黒さんはセットであるから、たいていの人は柳原蛭子神社のみ訪れることをしないであろう。これもネットによると、この神社は元禄の頃にはあったとされるが、海福寺よりかはかなり歴史が浅いだろう。えびす(戎)は海の向こうの異民族の意味があり、彼らがもたらす品物を歓迎することから、えびす神社は海辺にあるのが普通だが、海福寺という名称も海と福を結び、その寺の隣りに蛭子神社が出来たことは自然の成り行きであった。ともかく、JR兵庫駅付近はかつては浜辺で、港があった。そして足利氏の中国との交易のためにそれが利用され、この地が西国街道のひとつの出発点でしかも京都の賀茂地域とはつながりが深かった。京都の上賀茂や下賀茂を知る者としては、そのことがあまり実感出来ないが、それは海が埋め立てられ、野原はすべてコンクリートで埋まったからで、かろうじて海福寺と蛭子神社だけが昔の面影をどうにか伝えている。その意味でも寺社仏閣が日本になければ、歴史も伝統もない、のっぺらぼうのような国になるだろう。だが、建物が存在するだけでは意味がない。そのため、年に1回にせよ、初詣やえべっさんにかこつけて訪れることはよい。それを神頼みとして侮蔑する人があるが、前述の友人Nもえべっさんに行って笹やその飾り物を買うことで仕事が増えるとは思っていなかった。子どもの頃から父親に連れられて習慣となっていて、欠かせない行事であった。また季節を感じ、多くの人に混じって景気のよい掛け声を聞くことが楽しかったのだ。神様は見ているという意識もあった。それは悪いことをするのはよくないというおおげさな意味ではなく、去年訪れたのに今年はもう行かないでは神様に睨まれるかといった程度のものだ。そうした何か借りがあるようなことをひとつくらいは抱えている方が傲慢でない自分を認識することが出来る。ただし、それは1年のうちのほんの一瞬に過ぎないほどのことで、えべっさんの喧騒を後にした途端に忘れている。それでいいのだ。
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 今日の3枚目は海福寺の本尊を拝んだ後、本堂の左手から外に出て踵を門に向けて少し歩いた時に見かけた石仏とその隣りの稲荷の鳥居だ。石仏は左右が地蔵だが、中央の坐像はわからない。立ち止まって観察すればよかったが、多くの人が前や後ろから押し寄せ、写真を撮っている間に家内がどこに行ったのかわからない状態であった。この石仏や稲荷さんにも参拝客がいて、えべっさん効果は大きいようだ。そうそう、ネットによると、兵庫七福神のうちのふたつが海福寺と柳原蛭子神社で、残りの5つの福の神はみなこの神社から南方にあって、徒歩で巡ることが出来る。最も南にあるのは地下鉄の和田岬駅のすぐ近くだ。七福神巡りの趣味があれば訪れてもいいが、昨日書いたように筆者は和田岬界隈はあまり歩きたいとは思わない。それはこの神社のある地域以上に殺風景と想像するからで、そういう場所を訪れるとよそ者はなおさら疎外感に襲われる。さて今日の4枚目は海福寺の門を出てすぐ、斜め前の神社の裏側だ。表側は昨日の2枚目に写る赤い大きな鳥居があるが、人の流れは海福寺に向かっていて、筆者らはそれに沿った。そして、また裏手から出たので、表の大きな鳥居を真正面から撮影しなかった。4枚目の写真からわかるように、裏手のこの石の鳥居をくぐると、そこは境内の端で納札所になっていて、毎年訪れる人はこの鳥居をくぐって古い札を返す。そのために表の朱色の大鳥居からではなく、こちら側を推奨しているのだろう。大勢の参拝客がいては人の流れを一方通行にした方がよい。4枚目の写真の鳥居の横断幕の左端に鯛を抱える蛭子さんのイラストがある。それが昨日書いた柳原良平のタッチで、駅にあったポスターにも同じイラストが使われていた。子どもが馴染みやすいような今風の「かわいい」デザインで、いかめしいだけではよくないとの考えが表われている。もちろんオリジナルだが、ほかの蛭子神社は似たようなものでもいいので、別の工夫をして神社の宣伝に努めるのがよい。こういう他愛もないようなシンボルは案外重要だ。筆者がこの神社を訪れる気持ちになったのは、ポスターのこのイラストを見たからだ。つまり、イラストひとつで参拝客の増加が見込まれ、決して侮れない。同じことを筆者は信楽の例のたぬきの陶像にも思う。わが家にも人からいただいたものがひとつあるが、一方で若者向きの顔がかわいいデザインのものが売られていることを知っている。古いものはどこか怖さがあって、それでは子どもが拒否反応を示す。子どもに迎合する必要はないという意見もあるが、子どもを連れた親が参拝すればいつかその子どもが訪れる。次代につなぐには、時代に合わせた工夫が必要だ。納札所は赤白の幔幕で区切られ、またその幕には次に向かうべき矢印の札が貼られていたので、筆者らもそれにしたがって進んだ。提灯や石燈籠はすでに灯りが点いている。平日で勤務帰りの人ならばお参りは遅くなるから、残りえびすはたぶん夜の10時頃までは賑わうだろう。また、そう見込んで筆者は西宮神社に急がなくてもいいことを家内に言った。
●神社の造形―柳原蛭子神社、その2_d0053294_00425898.jpg

by uuuzen | 2018-02-02 23:59 | ●神社の造形
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