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●神社の造形―長田神社、その1
回目は感動が薄れるが、何事も最初の経験は新鮮だ。それで、今日からしばらくは今年の十日戎に出かけた神社について書く。



●神社の造形―長田神社、その1_d0053294_01130377.jpg
去年の暮れ、筆者が家内に初詣の予定があると言ったことに対し、家内は阪急阪神共通載り放題チケットを2枚購入した。普段は1200円だが、それが1000円の割安だ。初詣は去年と同じ大晦日の深夜に家族3人で地元の松尾大社に行くつもりであった。それが何となく億劫になってほとんど寝正月になった。2日は母の家、3日は家内の兄に会い、それで正月の用事は終わった気分になった。また、3日は高槻の神社に詣でるつもりが、飲んでいる間に日暮れになった。3が日の寒さは昨日や今日のように稀に見る極寒というほどでもなかったが、外出するにはそれなりに着替える必要があり、面倒臭くなった。この調子では年々その思いが強まりそうだ。乗り放題チケットをいつ使うのかと家内が何度も言うので、使用期限である最終日の11日についに腰を上げることにした。うまい具合にその日は十日戎の「残り戎」だ。ここ10年ほどは京都の十日ゑびすに行くことが慣わしで、また必ず沢辺さんのガレージ・セールを覗くことにしていたのに、今年はそうしなかった。行こうと思えば行けたが、乗り放題チケットで河原町に出るのはもったいない。行くなら最も遠い神戸で、またその前に昨日投稿したLIXILギャラリーに行くことに決めていた。はっきりとしていた予定はそれのみで、同ギャラリーを見た後は気分次第でということにした。家内は神戸で昼を食べたがっていたので、阪急で神戸に着いてすぐに目当ての店で食べ、それからどうしようかと考えた。湊川神社は一昨年訪れた。生田神社やもっと山手の北野天満神社にも行ったので、思いつくのは長田神社であった。長田にある鉄人28号の巨大な置物の色が塗り変えられたことは知っていたので、久しぶりに長田に行くのもいいと思った。だが、筆者は長田はさっぱり詳しくない。数年前に鉄人28号を見に行ったのは晩秋か初冬であったが、阪急阪神乗り放題チケットでは同地までは行けないかと思い、三宮でJRに乗り換えて新長田まで行き、そこから歩いた。新長田という駅名も今地図を調べて確認したほどだ。それほどに長田を知らない。実は阪急阪神乗り放題チケットで同地に行くことが出来る。それを知ったのはチケットの表面に印刷されている簡単な路線を見たからだ。この路線図を印刷していない場合もあるので、筆者はいまだにその便利なチケットで長田まで行けると知らなかった可能性がある。JRに乗り換える手間や料金が不要であるから、このチケットは嵐山から使う場合はとても割安だ。阪急にはよく乗るので、それくらいのお得感があってもよい。だが、筆者が出かけるのはたいていは正午前後で、場合によっては午後2時になるので、そう何度も乗り換えることはない。
●神社の造形―長田神社、その1_d0053294_01132442.jpg 数か月前、NHKの番組でタモリが日本各地をぶらりと歩く番組で新開地が紹介された。他のTV番組でも、その見覚えのある商店街が映り、一度そこへ訪れたいと思った。神戸で食事をした後、筆者はそのことを思い出した。それでまず阪急と阪神が線路を共有している高速神戸線の新開地駅で降りた。これは三宮から5つ目で、地下にある。一、二度は下りたことがある気がするが、地上に出るとその記憶が蘇らなかった。駅構内にはたいてい付近の地図があるが、その駅にはなかった。それで改札際に置かれる無料パンフレット類の中から初詣特集の数ページのそれを一部見つけた。中に新開地の地図があると思ったのだが、あるにはあっても長田がメインで、新開地から長田までの散策ルートを紹介していた。それにしたがって長田神社に行くことが出来るが、歩けば1時間ほどになりそうな距離だ。雪がちらつくような寒い日で、筆者ひとりなら歩くが、家内は断固拒否する。ともかく前述したタモリが歩いた商店街、すなわち若い頃の淀川長治がよく通った映画館がかつてはたくさんあって賑わったというその通りを目指すことにした。それは新開地駅で間違いないが、パンフレットにはその商店街の記述がない。それはそうだろう。初詣に映画館は関係がない。とにかく地上に出た。TV番組では山手が映ったので、北に向かって歩いた。だが、それらしい商店街はない。すぐに家内が文句を言い始めた。神戸は海と山に挟まれ、急な坂が多い。新開地は三宮よりももっとそのようで、駅から北へはすぐに坂が始まり、南を見るとかなりの下り坂が目に入る。道に迷った時は人に訊ねるのがいいが、出会う人はみな寒さのあまり、そそくさとしている。それにどう訊けばいいだろう。「あのー、淀川長治に因む有名な商店街へ行きたいのですが」。それで即座に道を教えてくれる人がどれだけあるか。数人に訊けばひとりくらいは知っているだろうが、家内にすれば初詣に来ているのに、それを変更してどこで道草を食うつもりかとの思いだ。筆者はすぐに諦め、そしてこういう場合は今の人はスマホで簡単に調べると思ったが、簡単に調べられるのは味気ないと痩せ我慢をした。ともかく、入手したパンフレットによって、長田神社に行くにはどの駅で降りてどう足を運べばいいかがわかり、駅に戻って今度は2駅先の高速長田駅に行った。阪急阪神乗り放題チケットはそのひとつ先の西代まで使える。その駅の300メートル南が数年前に筆者が鉄人28号を見に出かけた際に利用したJRの新長田駅だ。それも今地図を見て知った。三宮以西はこれまでほとんど縁がないが、阪神大震災で大きな被害があることは関西人なら誰でも知っていて、またその被害の後に鎮魂と発展の意味を込めて鉄人28号のモニュメントが設置され、それを見に行くために初めて長田に訪れた。その時以来であるので、土地勘は全くない。
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 高速長田駅も地下にある。新開地とは違って道が狭く、また山がすぐ迫っている。山に向かって歩くと長田神社がある。参道は当然上り坂で、車の往来の激しい車道を挟んで両脇に昭和を感じさせる商店街が続く。それがとてもよい。家内も大いに気に入り、一軒ずつ外観やを見、また内部をちらりと覗き込みながら歩いた。似た商店街は今や大阪でも少ない。古い街のようで、巨大なマンションは目に入らず、また老人の姿が目立ちながらも活気を感じた。何代も続く風格ある老舗といった店ではなく、庶民的でありながらどこか上品で、尼崎にはない雰囲気だ。神戸は山手から順に阪急、JR、阪神と走るが、南の海辺は工場地帯であるから、阪神沿線地域はいわゆる柄があまりよくない。それは偏見だが、概してそうだという意見は京阪神に住む人ならほとんどが思っている。だがそれは三宮までのことだ。それより西はどうなのだろう。というのは、西には神戸の地下鉄や高速神戸線が走っていて、事情が少し違うからだ。高速神戸線が阪急と阪神が線路を共有するのであれば、阪急のほうが阪神より上品といった区分けはしにくい。それでもあえて言えば高速神戸線を境にして北と南に分けられるかもしれない。そのことを筆者は商店街を歩いていて見つけた靴屋の店主から耳にした言葉で思った。当日はとても寒かったこともあって、家内はその店頭で格安のブーツに目を留めた。サイズが合えば買おうということになり、中に入った。40代後半の女性がふたりいて、客は筆者らのみだ。ひとりが家内に合いそうなサイズを見つけて家内に履かせている間、筆者はノート・パソコンを使っていたもうひとりに訊ねた。「あのー、淀川長治に因む有名な商店街へ行きたいのですが、それがどこにあるかわかりますか」「えっ?」「新開地です」「新開地のどこにあるんやろね。淀川長治言うたら、あの映画評論家の?」「そうです」「えっ! どこにあるんやろね」「昔映画館がたくさんあったところで、今も映画関係の施設のあるところです」「新開地の北? 南?」「北には先ほど少し歩いて来たんですけど、見つかりませんでした」。それで検索してもらったところ、先ほど筆者らが歩かなかった駅の南であるころがわかった。そして彼女はつけ加えた。「南はあまりいいところと違うしね」。どうやらそれはもっと西の長田地区でもそうであるらしい口ぶりだ。筆者が鉄人28号を見に行った時、新しくなった幅の広い大きな商店街をどんどん南下した。そしてそのアーケードがなくなった突き当たりを出てすぐのところの四つ辻の角に、扇港湯という赤いネオンが点く銭湯があった。「港」がつくからには三宮以東で言えば阪神沿線の南部だ。その銭湯を思い出しながら筆者は、ゆっくり湯に浸かって寒さで冷えた体を温めている自分の姿を想像した。家内に合うサイズのブーツはなく、少し大きめでもいいのではないかと筆者は薦めたが、家内は歩きにくいのは嫌なので買わないでおくと言った。ちょうどその時、初老の女性ひとりが入って来た。それであまり気まずくならずに店から出られた。今日の最初の写真が駅からすぐに始まる商店街で、鳥居の真下は車道、その両脇に商店街がある。筆者らが歩いたのは小さなアーケードが見えている西側だ。帰りもそこを通ったが、次回訪れることがあれば東側を歩く。
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by uuuzen | 2018-01-26 23:59 | ●神社の造形
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