●クラウドの下のクラウド
っていても乗れない北観音山ということが、今日の祇園祭の後祭に行ってわかった。今調べると、祇園祭の山鉾はすべてが搭乗可能ではないとのことだ。



家内は祇園祭の後祭はやはり前祭に比べてひっそりしていて面白味に欠けると言ったが、人が少ないのは、同じ暑い気温でも、何となく過ごしやすくていい。それでも、小さな旗を掲げた引率者の後ろにぞろぞろと人が着いて行くパック・ツアーの集団はよく見かけ、規模が小さな後祭でも、祇園祭を見たい人は多いようだ。その後祭については後日投稿するとして、今日は山鉾を見た後に行こうと決めていた喫茶店について書く。喫茶店という呼び方はふさわしくなく、カフェ・バーで、夜は奥のカウンターで酒を出す。筆者は何事もついでが好きで、この喫茶店でコーヒーを飲もうと思ってからは、その機会が祇園祭の後祭を見た後ならばちょうどよいと考えた。そしてその思いのとおりに実行したが、予定どおりに物事を運ぶことを筆者は好む。家内に言わせればそれは自分勝手だが、全くそのとおりで、筆者は出かける前に家内にどこへ行くかを告げず、黙ってついてくればよいと言う。先日の七夕に家内と外出した時もそうで、バスに乗ってから家内が何度も筆者に「今日はどこへ行くの?」と訊くたびに、「南方」とか「南部」とか「南」とだけ答えた。そのふざけた調子に家内はしきりに笑ったが、実際はどこへ行くのかはっきりと言ってほしいだろう。だが、行き場所を伝えると、家内はほぼ必ず、ひとりで行くようにと言う。それがわかっているので筆者は行き先を言わずに家内を家から連れ出す。また、たまに外出することを家内は喜ぶ。今日は後祭に行った後、初めて訪れる喫茶店にも行くと家内に言ったが、それを家内は喜んだ。喫茶店はたいていはドトールやヴェローチェなど、安いチェーン店しか行かないからだ。そして、財布はいつも家内が持ち、筆者は全くお金を出さないので、筆者はまるでヒモのような存在だ。それはともかく、今日入った喫茶店はネットで先日知った。日本の会社で働いていた若者が2015年の年末から経営を始めたので、去年4月5日に二条城のライトアップを見に行くために、京都文化博物館辺りから二条通りを西へと歩いた時、筆者と家内は店の前を通りがかっている。その日のことは「飛び出しボーヤ、その31」に書いたが、堀川二条東入る辺りを歩いたのはその日以来のことだ。d0053294_00245809.jpg この喫茶店に入りたかったのは、珍しいコーヒーとケーキがあることと、中京のウナギの寝床の町家をどのように改造しているかに興味があったからだ。もっと言えば、その中国人の若者がその家を買ったのかどうかだが、間口1間半ほどの古い家が売りに出たとしても、中京区では5000万では手に入らないだろう。固定資産税も大変な額だと想像する。買ったのではなく、借りているのかもしれないが、喫茶店経営で家賃が賄えるとは思えない。だが、今は時代が変わって、外国人でも中京で思いどおりの店をかまえて暮らすことが出来るのかもしれない。店内には若い女性客がひとりいただけで、ネットで紹介映像を見た時のように、客は少ないように感じた。中京区は観光客が歩くところではない。祇園祭の山鉾を抱える地域でも、祇園祭の期間中だけ人が大勢押し寄せるのであって、それ以外は閑散としている。ましてやそうした山鉾のある町内より西、そして二条城の東となると民家主体で、よほど京都の町並みに関心のある人でなければ歩かないのではないか。だが、筆者と家内は今日歩きながら、まだ古い民家がちらほら残っていることに感激し、そういう家に住みたいと思った。喫茶店はそうした町家の典型で、いわゆるウナギの寝床で、間口は狭いが奥行がかなりある。12メートルの反物を張れるだけの長さが充分にあって、かつては呉服関係の職人がたくさん住んでいた。また、この喫茶店から100メートルも離れないところに、友禅の人間国宝であった森口華弘の家があるが、そういう地域に中国人の若者がカフェ・バーを所有する時代になったことに筆者は隔世の感を覚える。かつては筆者も同じ地域の同じような町家にアトリエと住居をかまえたかったが、京都の地場産業の呉服業界が著しく縮小し、また商才の欠如した筆者のような者では古家であっても中京に暮らすことは夢のまた夢だ。家内はその喫茶店の内部の広さに感心しながら、筆者がそのような広いアトリエを持てなかったことを残念がった。まだ夢は捨てたわけではないが、もう60代半ばになれば中京に住めるとしても引っ越しが億劫だ。そう言えば、最近はネットで資金を集めるクラウドファウンディングという方法があるが、それを利用することは出来ないかと筆者は考え始めている。それはいいとして、そのクラウドファウンディングの「クラウド」はてっきり「雲(CLOUD)」と思っていたが、先ほど「群衆(CROWD)」のことだと知った。あたりまえと言えばあたりまえだが、ネットでは最近「CLOUD」の言葉がよく使われる。その意味を筆者はよく理解していないが、それもあってクラウドファンディングについては何となく敷居が高いと思っている。それに、大勢の人から資金提供してもらって何をしたいかだが、筆者の思いに賛同して資金を出してくれる人はないだろう。そう思うので、今まで誰からも資金の援助がない状態でやって来たし、また時間給で100円程度にしかならない仕事をやり続けて来た。それどころか、材料費と必要経費に満たない価格で作品を売って来た。それならば何もしない方がましということにようやく気づいたが、ともかくそんな生き方では中京に住むことは不可能以上で、クラウドの下のクラウドの一員として今は老後を過ごしている。
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 去年4月に二条通りを西へと歩いた時に思ったのは、嵐山とは違って小さな飲食店が多いことだ。観光客が来なくても、地元客だけで充分経営は成り立つほどに、民家が多く、また外食に金を使う人が多いのだろう。それに、夜は近くの大きなホテルを抜けて町中の小さな店に繰り出す人が多いのかもしれない。今はスマホでそうした店は容易に探せる。今日入った喫茶店から西へ100メートルほどのところに、これはもっと狭い店だが、表に「白隠」の掛軸を展示していることを謳う喫茶店があった。オーナーに禅画の趣味があるのだろうが、客を選ぶということだろう。白隠とはあまりに渋い趣味で、若い観光客は何のことやらわからないかもしれないので、どうせなら若冲の絵を展示すればいいと思うが、あまり大勢の人が来るのも考えものとオーナーは考えているのかもしれない。ともかく、個性的な喫茶店などが二条通りやその付近には多く、京都観光にやって来る人はどこか好きな店を探せる時代になっている。京都にやって来てドトールやヴェローチェでは、あまりにさびしい。それはさておき、店内は昼間は暗く、奥の突き当りは緑が見えて庭があるようだが、客はそこには出られないだろう。BGMはシャンソンで、それは悪くない。店の看板商品の「雲下コーヒー」と鉢植えの苗をかたどったケーキを注文したが、目新しいので一度は味わうのはよい。それもあって今日は投稿するが、残念ながら持参したカメラのスマートメディアは残量が3であったのに、どういうわけか座った場所から店内の奥と振り返って玄関の2枚を撮ると、残量0となった。そのため、雲下コーヒーと盆栽風のケーキの写真を撮影出来なかったが、ネットにはその写真がたくさん紹介されている。「雲下」は「くもした」と読み、これは雲に見立てた綿菓子の下に大きなカップに入ったブラック・コーヒーを置き、その湯気で綿菓子を溶かして垂らす。だが、店内はクーラーが効いて、思うほどには綿菓子はボタボと溶けて雨のように降り注がない。それで筆者は綿菓子をコーヒーに突っ込んだ。どうなるかと言えば、刃物で切ったようにすっぱりと断面が生じ、しかもその断面に全くコーヒーの茶色がくっつかない。その様子が手品のようで面白い。盆栽風ケーキはプラスティックの鉢の底にバナナの断片が入っていて、スコップでそれを掘り起こしながら食べるが、見栄えが変わっているだけで味はさほど特徴がない。また、店内に入ると小さな犬が走って来て迎えてくれるとのことで、実際そのとおりであったが、かなりの老犬で、吠えているつもりが声にならない。また、首に透明なラッパ状の器具を装着し、尻に使い捨てのおしめをして、病気のようだ。筆者らの注文が届いた後、5,6人の若い客が相次いで入って来た。観光客によく知られているようだ。大儲けは出来ないかもしれないが、みんなからよい時間を過ごせたと思われる喫茶店として経営が続けられるのであれば、経営者として本望ではないだろうか。
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by uuuzen | 2017-07-23 23:59 | ●新・嵐山だより


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