●○は○か、ムーンゴッタを想って
葉は春には珍しく、代わって花が落ちているのをよく見かける。それを美しいと思うのは桜程度で、たいていは無残さが先に経ってあまり見たくないもので、また目にも留まらない。



d0053294_01460123.jpgそのことを筆者は人間にたとえてみる。もうそのような年齢になったのだ。昔、「濡れ落ち葉」という言葉が流行ったが、それは定年退職して役に立たなくなったような、無気力の夫を指した。ただの「落ち葉」ではなく、濡れているというのが何とも形容が巧みだが、これは乾燥していればまだしもという思いが反映している。韓国ドラマの「冬のソナタ」では落ち葉を集めて空中にたくさん放り上げる場面があった。楽しそうな高校生カップルで、その落ち葉が濡れていればそのような遊びは出来ない。濡れ落ち葉は無残に人に踏まれるだけの存在で、もうすぐ土に還る。これが女性なら「落ちた花」と表現されるかもしれないが、男は花を見栄えよくする葉でしかない。それに、花に比べて葉は量が圧倒的に多く、なおさら顧みられない。それが落ちて濡れているとなると、もう気味が悪いだけの存在だ。それを役に立たない夫や男にあてがうのは、女はいつまでも強いということを表わしてもいる。実際は花が無残な姿になるように女も誰からも振り向かれなくなるが、それでも概して男よりも女が元気であるのは平均寿命からしても真実と言ってよい。それで、今日は家内と市内に出かけて写真展をふたつ見たが、ファッション・デザイナーのアニエス・ベーが所蔵する写真の展覧会では50分ほどの映像が2本上映されていて、そのうちの1本の半分ほどを筆者は見て、濡れ落ち葉を思った。イギリスの写真家のリチャード・ビリンガムが撮影した「RAY」と題する作品で、そのレイというおじさんは70歳くらいだろうか、狭いアパートの一室にこもり切って酒ばかり飲んでいる。かなり太っている奥さんは本宅にいて、夫が家に金を入れないのでガスも止められてしまうと、夫に文句を言いに来るが、夫は聞く耳を持たず、ただひたすら窓の外を見つめ、またラジオを聴きながら酒を飲む。なかなか美しい映像で、濡れ落ち葉の夫の生活はどうしようもない怠惰なものではあるが、そうして生きるしかない現実も見せていて、肯定したい気持ちにもなる。それは筆者が男であるからかもしれない。ビリンガムもそうだろう。一方ではイギリスの下層階級の生活の実態も示しているが、レイの生活を醜悪と言うのであれば、金持ちの同世代の男のそれは美しいと言えるか。それはない。おそらく金がある分、より醜悪さを晒すだろう。同じ世代の者はみなそれなりに生きていて、それは肯定されるべきものだ。ま、このフィルムの話はまたいつかするかもしれない。全部見ればよかったが、いつから始まったかもわからず、また座る場所もなかったので断片的に見るしかなかった。それでも雰囲気はよく伝わった。
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 一昨日の夜は満月で、その写真は無事投稿出来た。その11日の昼下がり、家内とスーパーに自転車で出かける前、玄関脇を見るとツツジの赤い花が10個ほど落ちていた。その様子を撮影しなかったが、かなり規則的に並んでいて、それが面白かった。花のつき方は規則的であるから、花がそのまま落下すると、ある程度規則的に並ぶのは理屈に合っている。これは花は落ちてまでも美しいことを意味しているとも言えるが、確かにそのツツジの花は茶色に変化してから落ちるのではなく、まだ鮮明な色の間に落下する。それで、その花をそのままゴミ箱に入れるのは忍びない。しばらくはそのままにしてやりたいし、出来ればより美しく見える方がよい。そう思って筆者は花を円形に並べた。その夜の満月の写真が美辞撮影出来ることを思ってのことでもあるし、このブログの「○は○か」のシリーズに使えるかとも考えた。それで今日は「○は○か」と久しぶりに題するが、「その○○」の何番かと言えば、投稿していない「○は○か」のための写真が数十枚もあり、そのうちの幾分かを遡って投稿するつもりでいるので、何番に相当するかがまだわからない。それで例外的に「ムーンゴッタを想って」としておく。今日の最初の写真を撮った後、なかなか家内が外に出て来ないので、ツツジの落ちた花をもっと探し、そしてより大きな円を苔の上に形づくった。それが2枚目の写真だ。緑地にツツジの赤が映えると思ったのだが、そうすることで花はまだ生きているように見える。これが落ち葉ならどうしようもない。さて、3枚目は今朝パソコンを開いたところ、目についたニュースの写真だ。静岡県のどこかで昨日の朝、円環状の雲が発生したことが記録されたとのことだ。だが実際はそういう雲はなく、記録された原因がわからないらしい。この赤い○は気象観測のレーダーを狂わせたから、○とは言えない、よくない何かだが、筆者にとっては、この緑色地の赤い○は、満月が見られるかなと思いながら並べたツツジの落ちた花で作った輪とそっくりで、○と評価するしかないものだ。筆者の思いが東方に飛んで静岡の上空に予想外にワープし、見えない雲の大きな輪を作ったか。
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by uuuzen | 2017-05-13 23:59 | ●新・嵐山だより


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