●○は○か、その36
おこしを5月に浅草に訪れた時に買おうと考えたが、大阪にも同じような菓子があり、味が想像出来るのでやめた。餡子入りカステラの人形焼きという菓子は、近年大阪の吉本興業のお笑い芸人をかたどったものが発売されるようになった。



d0053294_00272751.jpgだが、大阪で餡入りといえば筆者の世代は回転焼きをよく食べた。それが今では高島屋にも店が入っている姫路の御座候が有名になっている。また、人形焼きのように形が凝ったものは鯛焼きがあるが、最近はその店を大阪や京都の繁華街でよく見かける。韓国の鯛焼きは日本のものを模倣したのだろうが、人形焼きのように小さなもので、金魚焼きと名づけるのがいいかもしれない。餡入りのそうした焼き菓子では筆者は餡がたっぷりと入った御座候が好きで、家内が通勤していた頃はしばしば買って来てもらった。黒餡か白餡かは紙箱の中の栞で仕切られていて、いつも家内はどちらの餡も同じ個数を買って来た。鯛焼きは筆者はめったに食べない。餡が鯛の内部で偏りがあるのではないかと思うことと、鯛の形をしている分、量的には御座候より高いと思うからだ。それはともかく、回転焼きという呼び方は今ではもう大阪でもしなくなったのだろうか。御座候は特定の店の名前で、回転焼きは普通名詞のようにどこでも名乗ってよかったものだろう。たいていは夜店で買ったが、普通に店舗をかまえて販売する店もあった。厚さ3センチほどの円形は子ども心にも落とせば回転してそれを追うのに困ると思ったものだ。その○の形はシンプルでいいが、食べる際に回転することは○とは言えない。鯛の形をしている方がまだつかみやすいだろう。筆者が最初に知った日本独特の菓子は岩おこしだ。粟おこしもあるが、前者はとても固く、また生姜の味がした。以前に何度か書いたと思うが、近所で葬式があると、子どもたちに岩おこしの1枚が配られた。子どもは死んだ人の顔も知らないまま、無邪気にもその菓子を喜んだが、この光景は自然だ。死者がいる一方でこれから成長する子どもがいる。現在の大阪ではそういう風習はなくなったはずだが、子どもはスーパーやコンビ二で売られるポテト・チップスなどを食べるのだろう。日本全国の子どもが同じメーカーの菓子を食べ、地域の特色が失われて行く。その点、浅草で売られる雷おこしや人形焼きは、地元の人がよく食べるのか、あるいはもっぱら観光客のお土産になるのかどちらであろう。筆者はお土産として人形焼きを何度か食べたことがあるが、特別においしいとも感じなかった。そこから推して雷おこしも同じだと考える。それに、大阪の岩おこし、粟おこしは雷おこしより歴史が古い。それは当然であろう。食に関しては大阪は今でも日本の中心だ。
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 円形を見れば回転焼きを連想する筆者は餡好きと言えるが、餡を使ったものはおはぎか最中が最も好きだ。前者は十三の喜八洲のもの最も大きくて安い。十三駅で降りなくても、梅田の大丸や曽根崎の出店で売られている。後者は高価でもあってあまり買わないが、仙太郎のものがとてもおいしい。それは円形ではなく、四角だ。今は1個250円ほどするのだろうか。それに百貨店で1個は買えないので、なかなか口に入らない。また、榊莫山が和菓子大好きで、それによって病気になったとかで、老いてからの糖分の摂取は意識して控えねばならない。そういうこともあって、喜八洲や仙太郎の店先を歩いても、商品を一瞥するだけだ。だが、たまにはいいだろう。そのたまが問題だが、ま、1年に2,3回か。家内にそんなことを話すと、最も安い御座候にしておけと言うが、これは10個は買うので、一度に摂取する糖分はかなり多い。今は昔と違って、砂糖の価格が安く、餡を使った菓子はスーパーでも安価でたくさん売られている。そういうものを一切買わないのは、あまりに安くて、身体によくない保存料がたくさん入っているのではないかと思うからだ。その点、喜八洲のおはぎはその日のうちか、冷蔵庫に入れて翌日には食べる必要があり、その生っぽさが安心出来る。本題に結びつかない菓子の話になって、さてどうしたものかと考えるが、真夏の今頃では焼き菓子の御座候を食べたいと思わず、おはぎもそうで、百貨店の菓子売り場に行くと、餡を使った菓子は冷やして食べるものが主流だ。かき氷の宇治金時も同じ発想で、餡は冷たくして夏場でも食べる。とても便利なものを日本は発明したが、豆を甘く煮て食べることは西洋にはないと聞く。それで餡を使った菓子が西洋人に人気がないかと言えば、近年はそうでもないようで、和菓子作りを目指す人もいる。日本の子どもがポテトチップスやフライドポテトをよく食べるからには、そういうことがあっても不思議ではない。だが、岩おこしが好物という西洋人は珍しいか。
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 今日の4枚の写真は、6月4日に撮った。城北公園が最初の2枚、残りは「てんしば」内の東端の子どもを遊ばせる施設だ。最初の写真は菅原城北大橋の橋脚の一部で、この円窓はデザイン優先性もあるが、構造力学的に強いということで採用されたアーチで、そのことは「城北菖蒲園、その3」の4枚目の写真からもわかる。橋脚下のそのアーチ空間は見た目にもよい。縦横の線ばかりではがんじがらめになったような気分で退屈だが、その中に丸い形があれば、縦横の線との間に隙間が生まれ、それが円形とともに人間に気分の余裕をもたらす。四角の方が無駄がなくて便利な場合が多いが、マンホールが四角では蓋を外した際、対角線より一辺が短いので落下する。それで円形になっているが、マンホールすなわち人孔が円形というのは人間の本質をも言い表わしていて、頭も尻の穴も丸い。そういう人間が車輪を発明したことも必然だ。そして回転焼きもそうだと言えるが、では岩おこしや粟おこしの長方形の板状はなぜかとなる。いやいや、それを言えば豆腐もそうで、それらは切断するのに便利であるからだ。2枚目の写真は城北公園のバス停から最寄の地下鉄の駅がある場所へと移動する際、歩道上で見かけた。白いペンキで舗装タイルが丸く塗られていることの理由がわからない。同じような模様は阪神の岩屋駅前の広場にも施されているが、それとは意味合いが違うだろう。すぐ近くにマンホールがあることを知らせるためとも思えず、意味がわからないのが珍しいと思って撮った。3枚目は円窓の向こうに円窓があり、4枚目は円窓の向こうに、ドローネーの絵のような同心円の模様が壁にたくさん描かれている。子どもがこういう円窓を間近で見ることは少なく、また円のデザインは子どもの遊び場にふさわしいとの思いからだろう。近年民家に円窓が急増しているが、庶民の家ではまだまだ普及していない。四角い窓より無駄の多い円は贅沢なのだ。筆者の古い記憶にある窓は家や教室の四角い窓で、それは味気ない。子どもの頃に自宅に円窓があれば、筆者の性格はもっと丸くなっていたかもしれない。それで子どもの頃からよく食べた回転焼きが好きなのかもしれない。円形はお好み焼きもそうだが、回転焼きはそれをよく食べるよりもっと以前に食べていた。3,4枚目は建物の一番外の窓ガラスに筆者の後方の風景が写り込んでいる。まだ緑になっていない芝生に子どもや親がいて楽しそうだ。筆者の子どもの頃は芝生はとても珍しかったが、それでも土のままの土地がまだ多く、今の子どもがしない遊びがたくさん出来た。回転焼きの味は同じだが、時代は回転して別の様相を見せる。それを○として捉えないことには長生きは出来ない。
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by uuuzen | 2016-07-02 23:59 | ●新・嵐山だより


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