●てんしば
ウいという表現は今は全くナウいなことはなくなったが、流行語が変わるように施設も時代が変われば変わる。城北公園内の菖蒲園を見た後、天王寺に展覧会を見に行った。



d0053294_18161492.jpgその感想は明日にでも書くが、天王寺公園ががらりと変わっていることに驚いた。JRで天王寺に出て地下街からいつものように天王寺公園入口前のエレベーターに乗った。そこ地下街からそのエレベーターまでの通路は両側の壁に季節ごとに動植物の写真が変わるが、それは以前と変わらない。エレベーターもそうで、それが地上に着いて扉が開くと、目の前は見慣れた景色のはずなのに、それが一変していた。天王寺公園に入るには入場料が必要で、それを販売する窓口が駅の改札口のように以前はあったのに、その建物が消えていて、雰囲気ががらりと違う。よく知った世界から扉ひとつで別世界へと連れられて行った感じだ。入場料を販売する場所がなく、公園内には無料で入れるうえ、様子が以前とは全く違う。いつの間にこんなに違ってしまったのかと唖然とした。そう言えば天王寺公園に前回訪れたのは「あべの・天王寺イルミナージュ」と言う催しで、去年2月だ。それ以降、市立美術館にも訪れていない。「あべの・天王寺イルミナージュ」の「その1」の投稿では、天王子公園が有料になったことを批判的に書いた。そうなったのは1987年の天王寺博覧会からで、公園内はタイルで覆われ、見栄えはよくなったが、美術館に行くにも多少不便になるなど、評判はよくなかったのではないか。以前の様子を筆者はよく知るが、労務者が日向ぼっこしたり、また近くの道路でカラオケの歌声が鳴り響いたりするなど、いかにも大阪のディープな雰囲気に満ちていた。それが大阪市にとっては面白くなかったようで、その後の阿部野の再開発とともに、下町風情の一掃を実行した。そうすることでたとえば外国人観光客が訪れやすい雰囲気を作ろうとし、その思いはかなり達せられ、今では山王地区の格安の宿にも労務者ではなく、若い外国人観光客が泊まる。そうなれば大阪市は税収のアップによってさらに街をきれいにし、さらに日雇い労務者は別の狭い区域に追いやられるが、いずれ彼らも姿を消すとの考えだろう。街から翳りを消してピカピカにする作戦は今後も続き、その真新しい雰囲気が大阪らしいと思われることにもやがてなるかもしれないが、一方で天王寺や阿部野、西成、生野、東成、東住吉といった市の東部には、数十年前のままの家並みが残る地域もあり、街がきれいになるのは観光客が訪れるところのみと言ってよい。
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 去年2月以降、天王寺公園に訪れなかった間、そこでは大きな工事が行なわれていたことを6月4日に知った。公園内の大きな青い星印を象ったいくつかのタイルはところどろ剥がれるなど、天王寺博覧会以降、疲弊が目立っていたのは確かだが、それを修理せずにいっそのことタイルを全部剥がして芝生にしてしまえとの考えにまとまったようで、園内に入るにも無料ということになった。ただし、園内の端にはテナントがたくさん出店し、天王寺博覧会以前のように労務者が手持ちぶさたで何もせずに座っていることは出来ない雰囲気だ。つまり、無料してたくさんの人に来てもらうついでにお金を使ってもらおうとの思いが丸見えだ。金のない労務者を追い払うことに成功した後は、経済的に貧しい市民には来てもらいたくないとの考えだろう。筆者が驚いたのは、園内の片隅にずらりとあった薔薇苑だ。それがすっかり消え失せた。筆者はその薔薇を2年前の春にたくさん写真を撮ってこのブログに載せたが、それはいわば最後のそれらの薔薇の姿であった。あれほど立派に咲いていた薔薇はそのままどこかに移植されたのかと思うと、おそらくそんな面倒なことを市はしない。さっさと抜いてゴミとして処分したのだろう。今調べると、110種で600株もあったという。もったいない話だ。それがあった場所まで芝生にする必要はないと思うが、薔薇苑のみ残すのは工事するのに面倒で、また薔薇苑よりもどこかの業者に場所を貸して税収とした方がいいという考えだ。市役所が金目当てになるのは理解出来るところもあるが、この薔薇は残してほしかった。またそういう意見が大阪市民から出なかったのであろうか。案内図を見ると、薔薇苑のあった場所はフットサル・コートになっている。これはもちろん有料だ。薔薇の世話をする職員を抱え、その薔薇を無料で見せるよりかははるかに市にとっては魅力ある考えということだ。それに、薔薇をただで見たいのであれば、中之島公園や靭公園もあるではないかとの考えだろう。だが、それらの薔薇もこの調子ではいつほかの施設に変わるか、有料になるかわからない。
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 芝生になった天王寺公園は「てんしば」と呼ばれることになった。それが完成したのは去年10月だ。それから半年少しになるが、芝生はまだ定着していないのか、最初の写真からわかるように全体が茶色だ。大阪市内は東京に比べて緑が少ないとよく言われるので、天王寺公園の芝生化は以前のタイル貼りよりはいいかもしれない。芝生にのんびりと座ったり、寝転んだりすることは出来そうで、大阪人ならそれを禁止されてもやるはずで、そういうことを知っている市は禁止はしないはずだが、当然バーベキューは許可されるはずはなく、また夜にテントを張って寝ることも出来ないだろう。それに、昼間に弁当箱を開いて食べることが許されるだろうか。それは禁じられているのではないか。弁当箱や食べ残しをどこに捨てるかが問題で、また食べるなら地下の食堂街へ行ってほしいだろう。また犬を芝生で走り回らせたいと思う人にとってもその望みはかなえられないはずだ。というのは、最初の写真の奥に見える建物の一部は有料のドッグ・ランのための施設で、犬は窓の外の芝生を見ながら建物内で走り回る。それにそれも当然有料だ。無料であるのは「てんしば」内の芝生の上を歩くことだけだ。それでも芝生の状態を保つために市は努力をしているので、薔薇苑があった時よりも金がかかるというのかもしれない。ともかく、長年不評であった入園料が撤廃されたのは、市民は歓迎のはずで、芝生にすることも市民から募った意見の反映かもしれない。天王寺博覧会以前の園内には温室があって、そこに何度か入ったことを思い出すが、それは鶴見の植物園が肩代わりするとの考えから撤去されたのだろう。同じような理由によって、薔薇苑もほかの公園にあるのでもはや不要というように、大阪市内全体を見わたしながら、各公園が特色のあるように統廃合のようなことを計画しているのかもしれない。だが、天王寺博覧会からおよそ30年後のリニューアルは、30年後にまた違う形にされることを感じさせ、芝生よりタイル張りがナウいと思われるのではないか。今日の3,4枚目の写真は左右につながるが、以前入園券を販売していた改札口つきの建物があった場所だ。そこは見通しがよくなり、レストランやカフェなど、若い人が楽しめる空間になっている。美術館に行くにはこの中央の道を直進し、以前のように長屋門をくぐる方法と、公園の北側の以前からある道路を西に進んで長屋門に至る方法があるが、美術館だけに行きたい人はてんしばを歩かずにその道を行くだろう。
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by uuuzen | 2016-06-23 23:59 | ●新・嵐山だより


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