●城北菖蒲園、その2
方が菖蒲に囲まれる東屋が園の中央にある。園の入口と出口は西端にあり、時計と反対周りに園内を歩くことになるが、東屋に出入りしている間にそれが多少変更され、また園内のすべての通路を歩かないだろう。



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光琳の屏風でも描かれるし、また京都の有名な菓子の八橋にあるように、水面上には桟橋状の通路があるのが慣わしだが、そこはこの園では一方通行でないので、向こうから人がたくさんやって来る時はお互い気を使いながら道を譲らねばならない。それが面倒で菖蒲を取り囲む外周の道をもっぱら時計と反対周りに歩く人が多い。東屋は日差しと雨を遮るのには格好の場所で、また景観上からも欠かせないものになっていて、この菖蒲園を代表する建物となっている。この東屋内以外にも座る場所はあるが、周囲が花で囲まれるので、ここで一休みする人がほとんどだろう。筆者はほとんど20年ぶりであったので、この東屋は記憶とは多少違って、今回は以前よりやや大きいように感じたが、最初の写真を見ると屋根が多少新しいようで、20年前とは違って建て替えられた可能性もある。また3枚目の写真の建物は記憶になかったが、これは20年前からあるものには見えない。おそらく休憩所がもっと必要だというので建て替えられたか、新たに設けられた。今回印象を新たにしたのは、2枚目の写真にある園内の案内図で言えばその右上、つまり東北の端だ。その付近を歩いていると、頭上といってよい高さに淀川の堤があり、そこを人が往来していたのが見えた。その人たちは無料で園内を見下ろすことが出来るが、ただし距離が10数メートルは離れているうえ、園内から見える堤防は20メートルほどで、ほとんど外側とは閉ざされている。堤から無料で見られるとなると、みんなそこから眺めてお金を払って園内に入って来なくなるかと言えば、案外そうでもないだろう。入園料はわずか200円で、半券を受け取った時に思ったが、チケットのデザインは確か20年前と同じままのかなりレトロなもので、値上げはしていないと思う。初めて城北公園を訪れたのは昨日も20年ほど前と書いたが、当時のスケッチブックを調べると1995年6月6日に訪れている。21年前ということになる。スケッチした最初のページに青いスタンプが捺してあり、これは園内に入る際に自分で捺したものと思う。
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 この菖蒲園は1964年に出来たのでもう半世紀以上経つが、城北公園はその名にあるように大阪城の北部で、大阪の南の方に住む人はよほど花好きでない限り、訪れないだろう。ほかにも花がたくさん咲く公園はあり、また梅や桜、薔薇に比べると菖蒲は少し地味で、客は近隣の住民が大半ではないだろうか。ついでに書いておくと、3年前に舞洲に百合の花ばかりを見せる施設が出来て、去年はそのチケットを入手しながら会期中に出かけることが出来なかった。菖蒲とは違ってもう少し花の時期は長く、5月下旬から来月上旬まで楽しめる。ちょうど今頃訪れるのがいいが、家内に行きたいかと訊くといつものように行かないと言う。それで筆者が予定を組んで強引に連れて行くことになるが、今年はまだ決めかねている。舞洲にはゴミ焼却施設を見学しに一度訪れたことがあるが、大阪湾に面し、城北公園よりかなり不便なところにある。だが、電車とバスを利用する点では同じだ。季節に合わせた花を見せる施設が次々に出来るのはいいことで、大阪が以前に花の万博を開いたことの意義が生かされているというべきだろう。城北菖蒲園ももちろん大阪市の施設で、あまり儲けようという意識はないようで、200円では花の期間中にどれだけの収入かと言えば、担当職員の賃金に全く見合わないはずだ。そして、この園が淀川の堤防下にあることを知ると、どのような経緯で設立されたかはだいたい想像がつき、自然環境を利用しての有効利用で、それは前述の「ゆり園」とは少し趣が違う。城北公園辺りの淀川は、江戸時代は多少流れは違っていたが、明治にそれが変えられた後も湿地帯であり続けた。この園から少し上流の鳥飼辺りまでは、淀川の両岸にそうした水溜まりとしてのワンドがあり、そこはそれぞれ貴重な自然が残る独特の生態系となっているが、この菖蒲園はそういたワンドに隣接して、水を引き入れるのは便利な場所だ。それで淀川河川事務所は市民の憩いの場として菖蒲園を作ったのだろう。「ゆり園」と同じくアクセスに多少問題があるが、せいぜい1年に一度しか訪れないのであれば、それくらいの不便は覚悟せねばならない。筆者らはどういうルートをたどったかと言えば、まず阪急で天六に出た。そこから北に少し歩き、城北公園行きの市バスに乗った。それは初めてのことだが、蕪村の生家跡を訪れた時に一部同じ道を走っているので距離感はわかる。
d0053294_16060979.jpg 話が前後するが、東屋から菖蒲を眺める、あるいはその逆でも、どれも似た写真になる。それで筆者が撮って来た写真も退屈なものになるが、4枚目を少し説明しておく。2枚目の菖蒲の案内図はかなり古そうで、花の形や色の配置から、毎年どの区画にどの品種を植えるかは決められているようだ。同じ品種をなるべく同じ場所に植えた方が育ちやすいからでもあるだろうが、一方で新しい品種を求める声はあるはずだ。菖蒲は江戸系、伊勢系、肥後系などがあって、この園でも案内図によれば5つの系を網羅するが、原種を重視するだけでは市民に飽きられるので、毎年生み出される新品種にも目配りをする必要がある。その一方で、それぞれの品種はその年の気候その他の原因によって育ちが悪い場合もある。4枚目の写真は池の中央辺りが縦に隙間が大きく開いている。これは育ちが悪かったせいで、菖蒲で埋めることが出来なかったからだ。そのことを近くにいた30代の大柄な男性職員から耳にした。彼らはこの菖蒲園のために働いている職員なのか、それとも「ゆり園」やそのほかの大阪市の花の施設にも勤務しているのかどうか知らないが、花の専門家がいることは確かだ。そういう専門家がいわば1年かけて菖蒲を育てても、中にはうまく育たない品種がある。そういう難しい作業の中で各地で生み出される新品種まで購入するとなると、これは職員があちこちの植物園をかけ持ち勤務では難しいだろう。つまり、菖蒲専門でなければ面倒を見切れないのではないか。そう考えると、鑑賞者はこの菖蒲園で多くの品種の大量の花を一斉に見られることにつくづく感謝をしなければならない。
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by uuuzen | 2016-06-19 23:59 | ●新・嵐山だより


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