●浅草にて、その6
を「吾妻橋西詰めにて」とした方がいいが、誰でも知る浅草の方がわかりやすい。吾妻橋の西詰めに立つと眺めがとてもよい。これは殺風景ではないという意味だ。



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大きな河川は大阪の淀川や神崎川も該当するが、吾妻橋からの眺めに相当するのは中之島かもしれない。だが、そこではビルが間近に迫り、圧迫感がある。吾妻橋西詰めからは、孫悟空が乗る金斗雲のようなデザインの巨大なオブジェを屋上に載せる、かなり奇抜なアサヒ・ビールの本社ビルが見えるが、浅草はその眺望だけでも旅人に鮮烈な記憶を植えつける。今日の最初の写真はそれを写したが、左に建つ金色の直方体のビルは、屋上にビールの泡を連想させる出っ張り窓のようなものが連続してついているので、全体としてビールのジョッキのようだが、これは金斗雲のオブジェとは同時に出来たものではないように思う。筆者がこの金斗雲を最初に見た時に思ったのは岡本太郎の彫刻だが、どこかで影響を受けているのでないだろうか。筆者はこのオブジェこれまで何度か見たし、1980年代後半、ビルの真横にある高架の高速道路を走るバスの車窓から間近に眺めたことがあるが、東京の東北のランド・マークとして最適なものと思っていると、スカイツリーが近年出来た。そして、吾妻橋西詰めからはアサヒ・ビール本社ビルの向こうに見えるが、筆者らが訪れた5月17日は終日雨で、今日の4枚目の写真のアサヒ・ビール本社ビルの左手に、塔の下3分の1程度がどうにかわかる程度だ。雨天ではせっかく塔に上っても、視界は霧がかかったようで、高所感はないだろう。スカイツリーに行きたいかと家内に言うと、興味がなさそうであったが、大阪のあべのハルカスに上ったことがあるし、また何年か前は六本木ヒルズの屋上にも立ったので、だいたいどんな眺めかは予想出来る。それに、晴天であればいいが、雨では眺めはさっぱりで、訪れる意味がない。ともかく、アサヒ・ビールの本社ビルと、その向こうにスカイツリーが見える様子を確認し、川幅の大きな隅田川を目の前にしたことで、もう充分という思いで、筆者が吾妻橋を東にわたって少し歩こうかという誘いを拒否した。また、筆者は勘違いしていて、吾妻橋の東詰めから1キロ程度で国技館があると思って家内にそう言ったが、後で地図を見ると、国技館は両国国技館と耳覚えがあり、その両国の駅は浅草橋を東にわたってすぐのところにある。それに、筆者は江戸東京博物館に今回行ってみようかともぼんやり考えていたが、それも両国にあって、次回の東京訪問の際には浅草橋駅で降りてそこから歩いて浅草橋を越え、そして国技館や江戸東京博物館辺りをうろつくことを計画に組み入れる。
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 筆者は吾妻橋を越えた地域や両国、つまり隅田川左岸は歩いたことがないが、何年か前にもっと下流の清洲橋と新大橋は歩いてわたったことがある。地図を見ると、新大橋は両国橋から1キロほど下流で、これまで東京を点的に訪れていたことが頭の中で線で結ばれ、距離感がわかる。それで、やはり次回は両国橋を歩いてわたることを実行する思いを強くする。それはさておき、国技館や江戸東京博物館は隅田川の左岸側にあるが、岸に近いところで、岸から離れるほど辺鄙になる感じが地図からはわかる。隅田川という大きな川によって右岸と左岸の町の様子はかなり違うと想像するが、左岸にアサヒ・ビールの本社ビルが建ったのは、左岸の地価が右岸より安価であったからではないか。その傾向は今も続いているだろう。東京の中心から離れるほどその傾向が強いのは当然として、大きな河川があると、川を越えた向こう側は一気に辺鄙なところになるのは当然であろう。そして、そういう土地は、新しいマンションや古くからの貧しい地域が隣り合わせに同居していることも東京に限らず、どの大きな都市でも同じではないか。東京の東北部の見所は、浅草や隅田川を越えた両国国技館辺りまでで、それより東は古い歴史のある名所はほとんどないだろう。隅田川は大阪の淀川に相当するが、江戸東京博物館には隅田川に関する歴史などを紹介するコーナーがあるかもしれない。大阪の歴史に淀川が欠かせないのと同じように、江戸、東京と隅田川は強く結ばれているはずで、そのことが関西人にはなかなか実感出来ない点が、大阪人による東京への敵対心の原因のひとつにもなっていると思う。そのため、筆者は吾妻橋西詰めに立って川を見わたした時、東京駅に立った時以上に東京、いや江戸にいることを実感した。そこで思うのは、隅田川の両岸は淀川と同じように、堤上かあるいはその下を歩くことが出来るかどうかだ。阪急電車から見える淀川は、殺風景はあっても堤を散歩する人が見え、その様子を筆者は電車の中からちらりと見ることが好きだが、吾妻橋から見る隅田川は淀川よりさらに大きく感じ、また淀川のように土が露出した堤はなく、人間が歩くことは出来ないような圧迫感がある。実際は散歩道が続いていると思うが、それがそのように下流までつながっているのかは、川岸に近い住民にしかわからないかもしれない。
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 今日の3枚目の写真には家内つまり吾妻が写っているが、1枚目の写真とともにわかるように、橋の欄干が独特の赤に塗られている。3枚目の写真では背後の社型の地下鉄の出入り口と同じような色であるのがわかる。この欄干の塗装は浅草寺の雰囲気に合わせたものだろう。また、この赤はアサヒ・ビール本社の金色や黒と調和していて、橋の西詰めから東を見た眺めをより印象的なものにしている。逆に東から浅草方面を見た場合にどのような眺めであるかは、今では実際に行かずともグーグルのストリート・ヴューで確認出来るが、浅草側には特に背の高いランド・マーク的な建物はないだろう。2枚目の写真の奥に見える橋は、地図によると200メートル下流の駒形橋だが、写真ではもっと距離があるように見える。手前の船は、赤い提灯が見えるので、淀屋橋にあるような料理を供するのだろう。これも地図で見ると同じ右岸の上流側には水上バス乗り場がある。この点も淀屋橋と共通する。4枚目の写真は遠景を写すためだけに撮ったものではない。左下隅にバスの後方の円形窓が写っている。バスは信号待ちで、その窓を見かけた時、バスに近寄り、また窓を真正面に見て撮影しようと思った。だが、窓の中に若い男がいて、じっとこちらを見ていた。雨で窓はかなり曇っていたが、男が見ているのはよくわかった。きっと筆者らを田舎から浅草見物に来ていると思ったのでろう。筆者はバスに接近せず、遠景を撮るついでにその窓を収めた。バスが動き出して筆者により接近した時、今度こその円形窓を中心にもう1枚撮ろうと思ったが、結局シャッターを押しそびれた。そのバスは市バスではないようだが、観光バスにしても珍しく、初めて見た。このブログにたまに投稿している「○は○か」のシリーズのためにその円形窓を真正面から撮りたかったが、同じ写真をトリミングして、窓をもっと大きくした写真を加工済みで、いつか使うつもりでいる。吾妻橋を東に歩いて行く人がちらほらいたが、筆者らは雨宿りの意味もあって、スカイツリーラインの発着駅ビル内に入った。細長い建物で、北の突き当たりまで行って館内をぐるりと一周してまた南の端に戻った。ほとんど客はおらず、たくさん並ぶお土産売り場の各店員は、みな手持ち無沙汰であった。スカイツリーに行く人もほとんどいなかったはずで、雨天ではあたりまえかもしれない。店員たちは通り過ぎる筆者らをどのように見ていたのかと思うが、地方都市の観光物産売り場のようで食べてみたいものはなかった。その後、通りをわたって浅草寺東のアーケードのある古い商店街に行った。
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by uuuzen | 2016-06-14 23:59 | ●新・嵐山だより


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