●浅草にて、その4
の間のことなので、写真を撮りまくることはよくある。筆者が浅草でしたことはそうであったと言えるが、昨日書いたように、肝心なこと、つまりこうして書いていてしきりに思い出す道を歩いた時には1枚も撮影しなかった。



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今にして思えば、その道路沿いの全体の街並みがかもし出す雰囲気が独特で面白く、筆者の才能では写真には収めることが出来ない気がしたからだ。だが、撮影しなかったので、却ってよく記憶に残ったとも言える。写真を撮ることで安心し、見ているようで実際は見ていないか、見た尻から忘れている。そして、たいていはつまらない写真を撮ってしまう。今日の3枚もただ浅草寺に行って来たことを示すだけで、ネットに同じような写真が大量にあり、あまりの平凡さに呆れる。だが、浅草に初めて家内と行ったことを証明するには最適とも言える。筆者しか目に留めないようなものも少しは撮ったが、その写真を見ても家内はピンと来ないはずで、子ども時代の遠足と同じで、どこへ行ったのかがすぐにわかる写真は必要だ。そしてそういう写真は、次回ならもっと別なものに目を向けることをほのめかしている。ところが、その次回が訪れるとは限らない。そうして結局のところ、人生はデジャヴ感溢れるつまらない写真ばかりを撮るのだろう。ただし、そういう写真でも100年くらい経つと、撮影した時代のたたずまいと空気を刻印しているとみなされ、新たな価値が出ている場合がある。筆者はそこまで考えていないが、雨の降る午前中に浅草を訪れ、気が向くまま家内と歩いたことを思い出すよすがにはなると思っている。とはいえ、それは写真を見た時に思い出すのであって、普段は忘れているか、あるいは写真には撮らなかった場面をふとした拍子に思い浮かべる。ということは、写真は旅の思い出を全部覆うものではなく、それとは別のものと言える。そのため、こうして書くことは浅草そのものの思い出ではなく、その写真との関係や撮らなかった場面の記憶を含めたものになるほかはない。つまり、旅の思い出を整理して書いておくというより、浅草を歩いたことの記憶を中心にした思いつくままの記述だが、わが家の扉を開ければすぐ目の前に雷門があるような思いになることは簡単で、またそのように想像することが出来るのは実際に現地を歩いたためだ。謝しや映像からでも想像力が逞しければ同じ思いを抱くことは出来るだろうが、視力よりも肌全体で感じることが効果的であるのは言うまでもなく、一度でも実際に訪れ、あちこち歩き周ることは大きな意味がある。
d0053294_00011770.jpg 今日の3枚の写真は浅草寺の宝蔵門とそこに下げられている大きな提灯だ。小舟町と書いてあるのは、おそらくその町からの寄進を意味するのだろう。提灯をぶら下げた門は京都や奈良では見かけないが、これは夜間の照明になる実用品ではなく、奉納の飾りとしての役割だろう。この門は両側に大きなわらじが吊り下げられていて、関西では2年前の正月に訪れた中山寺に同じ例がある。同寺のその大きなわらじはすぐ隣りに仁王像があって、仁王さんが履くものとの意味合いだが、浅草寺の宝蔵門でもそれは同じだ。今日の最初の写真は北から南を向いて撮り、2枚目は宝蔵門の外に出て提灯を、また3枚目は門から離れて北西を向いて撮ったが、3枚目の左端は仲見世方向だ。法蔵門の内外は広域避難場所に使えそうな広場になっていて、これが風通しがよくてなかなかよい。その広場の南東には平和地蔵尊があるなど、時間が許せばじっくりと見たいものが点在している。だが、たいていの人は仲見世のにぎやかさに吸い寄せられ、また雷門へと向かう。筆者らは仲見世に平行して仲見世から10メートルほど東の南北を走る道を南下し、途中でまた仲見世に入ったが、付近一帯は旅館や食堂、お土産店などが密集した網の目状の商店街となっていて、すべての道を歩くには一度の訪問では無理だ。だが、地図で確認すると、繁華な場所の規模はさほど大きくない。それらの商店などが連なる道を合計しても2キロはないだろう。そのことが筆者には東京における浅草のレトロ感を強く思わせる。大阪の千日前や道頓堀の同じような繁華街の道を合計すると、浅草の数倍にはなるはずで、また活気の程度も大阪の方が圧倒している。そのことは外国人観光客も感じるだろう。とはいえ、東京に浅草があることはほっとさせられる。高層ビルばかりでは人間味がないし、また高層ビルだけの東京には絶対にならない。人口が異様に集中する東京だが、どこもかしこも高層ビルにしなければ人口を収容出来ないことはない。国が経済的に豊かになると、欧米に倣って高層ビルが林立するが、建物を高くして地価の高い土地を効率よく使おうという考えは、貧しさの表われだ。本当に豊かであれば、と同じように土地を存分に確保して、そこに平屋をわずかに建てる。浅草寺界隈は高層ビルが目立たず、昭和の雰囲気を濃厚に残し、古い人間には懐かしさを感じさせる。
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by uuuzen | 2016-06-12 23:59 | ●新・嵐山だより


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