●『WHO THE F*@% IS FRANK ZAPPA ?』アレックスのメール54
肉なことにと言えばいいか、大方の予想を裏切ってトランプが大統領選で勝利した。これでヒラリーはもう望みを捨てたであろう。次回となれば80近い年齢になるはずで、それではまず無理だ。



それでもトランプも70歳で、これは歴代では最年長というから、アメリカが若返りを求めるのであればもっと若い人がいいのではないかと思う。それにトランプが不動産で大儲けした人物で、一般庶民からすれば別世界の人間だが、一方のヒラリーも知識人かつ金には不自由しない階級で、アメリカの大統領になるには大金持ちであることが条件になることが今回の選挙で判明した。トランプの人気が高いのはアメリカン・ドリームを夢見る庶民が支持したためで、彼らはヒラリーやその取り巻きの言うことを信じないのは、頭がよくてしかも巧妙に金儲けもするという点で、それに引き替え、まだトランプは頭のよさはないだろうが、自分たちに近いと思っているからだろう。だが、それは錯覚だ。トランプは大金持ちの息子で、一度破産しかかったが、また持ち直し、庶民的な暮らしの実態を知らないだろう。そこで思うのは、日本でも同じだが、民主主義といっても大昔の王国と一緒で、権力者は半ば世襲制となり、あるいは親の七光がなければとにかく何が何でも大金持ちにならねば多くの票を集められない。この現実が芸能界にまで波及し、世界的に希望の光というものが遠のいている気がする。近年は日本の若者は外国の音楽をあまり聴かず、日本のミュージシャンに熱を上げることが増えて来たというが、日本の音楽をほとんど全く聴かない筆者もそれは実感する。そして、たとえば日本のアイドル・ブームが世界に出て、メタル系の音楽と合体して外国のメタル・ファンを喜ばせるという状態になっていることも知っているが、一方ではTVでは海外から日本のアニメやアイドルの文化を求めてやって来るオタクの若者に取材することが行なわれ、日本はもはやアメリカやイギリスの音楽に学ぶ必要はなく、逆に輸出を企てる時代になって来ている。それはそれでいいことで、筆者は文句を言う筋合いもない。日本が高度成長したその挙句に、自国の模倣文化に自信を抱き、そこに模倣だけに終わらない何かを得たと自負するのは、これまでのどの国の歴史を見ても大なり小なりあることで、当然と言える。だが、その爛熟したと言ってよい文化の先に何があるかと言えば、もう没落がぽっかりと口を開いているようにも感じる。つまり、最後の光芒を放っているような状態に見えるのだが、その光が今後どれだけ続くかと言えば、数百年程度は保つだろう。歴史的な時間で物事を見ると、戦後の日本はそれ以前の日本とはがらりと姿を変え、国家としては末期に入ったと感じる。それが悪いとはいいとかの話ではなく、国も人と同じで、成長期があれば没落期もあるという見方をすれば、日本はすでに末期に入った。そういう状態では海外の文化を貪欲に吸収しようという考えは減少する。今は物珍しさもあって日本の文化は大いに海外にもてはやされているようだが、それも100年、200年と経つと飽きられるはずで、そうならないための底力が日本にあるかと言えば、今の若者が日本の音楽に熱を上げている状態では悲観的になる。
 さて、アレックスからまたメールが届き、今回は3本の映像を紹介している。1本はアレックスのやっているプロジェクトのメンバーやその仕事場の紹介で5,6分間だが、バーバンクのとある平屋の施設での映像の編集作業が見られる。もう2本はアンサンブル・モデルンの練習をザッパが指揮するリハーサル映像で、これは数十秒と短い。最初の映像では、アレックスとジョー・トラヴァースはその施設の前、建物の看板前で会話を始めるが、これはアレックスの企画に賛同した人たちへの一種のサービスで、実際に作業が進んでいることを見せたかったようだ。建物の前庭のすぐ傍らにいかにも郊外の道路があり、車が走って行く。グーグルのストリート・ヴューですぐに確認出来るだろう。天気のいい日の撮影で、ザッパの音楽がそういう気候の中で生まれたことを改めて思う。ふたりが建物に入ると、扉からすぐ左の部屋がテープやフィルムの編集作業室が、ジョーは録音テープ担当で、別の施設か部屋で作業しているのだろう。映像担当の別の人物も映るが、映像に関してはアレックスがドキュメンタリーで使う以外、今後のザッパ・ファミリーが企画する映像作品に使われたり、またドキュメンタリー映像作品を作りたいという人に貸し出されるのだろう。ファンとしてはそっちの楽しみは当然あるが、もっぱらレコード、CDでザッパの音楽を楽しんで来た者は、ジョーの今後の考えに関心がある。ゲイルが亡くなってから、俄然勢いづいたジョーのようで、数枚先のアルバムまではもう音源が用意されているのではないだろうか。アレックスの今回のメールでは、まず1974年のハロウィーンの8ミリ映像のリールが紹介される。何本見つかったのか知らないが、映像では2本が映る。1本で3分のはずで、これではヴィデオ時代に生まれた人は物足りないが、これまで紹介されたことのないものとなると、短くても貴重なものに思える。ザッパはそれらを撮影した後、現像したものが返って来て一度は見たはずだが、それ以降そのまま保存されたのだろう。録音録画魔であったザッパは、いつかそれが商品になることを知っていて、その読みが当たったが、陽の目を見たのは40数年ぶりで、これはたとえばビートルズと違い、ザッパ人気の程度を表わしていると言える。ビートルズなら、数分の未発表の映像が見つかったというだけで世界的なニュースになり、それでまた会社は大儲けする。ザッパの場合は、アレックスが紹介したその映像は、今後どれほどの人が見るのか、ほとんど話題にもならないだろう。アメリカでそうであれば、日本は推してしるべしで、日本でザッパと言ってももう若者はほとんど音楽を知らないだろう。先に書いたように、もう欧米の音楽から必要なものはみんな吸収し、それに日本らしさをまぶした音楽を輸出しようという時代で、今さら60年代から70年代に全盛期を迎えたザッパの音楽など、もう学ぶ何かなどないというのがミュージシャンの思いかもしれないが、筆者に言わせれば、日本はザッパに学ぶことをほとんどしないままにやって来た。それは特に政治に関することだが、今の日本ではTVを見ていても、昔の言葉で言えば反体制的な意識を持っているミュージシャンや芸人は皆無だ。それではTVに出られないからだ。背に腹は代えられないとばかりに、TV会社つまり、スポンサー、つまり与党の考えに素直にしたがう。それで大金持ちになれるのであるから、何も文句はないというわけだろう。そうであるから、その芸も面白くも何ともない。それで、骨のある芸人はTVに出ず、ほかの場所で活躍するしかないが、一方で政治家は反体制を唱える者が集まっただけで逮捕出来るような法律を作ろうとしている。これではますます芸人、ミュージシャンは体性に迎合し、人気取りに奔走させられ、金に踊らされる。また、当人たちはそれを当然と考えるのだろうが、おかしいことをおかしいと主張出来ないような人間に自由はなく、有名になったところで、死ねばすぐに忘れ去られる。そこでザッパだが、アレックスやジョー、あるいは世界中に細々とながらもいるファンたちは、あるいはその一部たちは、ザッパの音楽がろくでもない政治家に物申すという立場で生涯貫かれていたことを知り、どうにかしてその埋もれた録音や映像を発表し続けることで、創造者、音楽家の自由とは何かを後世に遺そうとしている。だが、日本ではこれまでと同じ、あるいはもっとそれを理解しようとする人は減って行くだろう。トランプに話を戻すと、さて来年はどのような政策を披露し、アメリカがどうなって行くのか、天国のザッパは苦々しく見ているのではないか。大金持ちが大統領になるようなアメリカはもう夢がない。自由もない。日本と同じく末期を迎えているように思うが、多くの人種が混在し、多様な考えがある点で、まだましかもしれない。何しろザッパを生んだ国だ。日本では望むべくもない。
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by uuuzen | 2016-12-16 23:59 | ●新・嵐山だより(特別編)


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