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●ムーンゴッタ・2016年8月
くに出かけて満月を撮影する。それが筆者の毎月の満月の夜の願いだが、9割は自宅の近くだろう。だが今夜は違う。今日か明日のどちらにしようかと思っていたが、明日は明後日の早朝の地蔵盆に備えていつもより2,3時間は早く寝る必要がある。



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それで今日しかないと考えた。幸いというは不幸にというか、猛暑の快晴だ。家内にはいつものようにどこへ出かけるかは言わずに一緒に出かける。滋賀県で展覧会をふたつ見るためだが、電車代が最もやすくつき、しかも移動時間も短くて済む方法を選ぶのが常で、それには徒歩の区間が生じる。だが、炎天下を数キロも歩くとなると、筆者はよくても家内は怒る。あたりまえのことだ。それでいつものように筆者は家内の前方50メートルほどを歩くが、そうすると家内はしぶしぶながらでも筆者の姿を見失わないように追って来るしかない。というのは、筆者は財布を持っておらず、交通費などの出費はすべて家内任せで、前方を行く筆者を見捨てて途中で駅に引き替えし、ひとりで帰ってしまうことは出来ない。それはともかく、今日は炎天下を10キロは歩いた。帰宅すると筆者の首元が三角形に真っ赤に焼けている。シャツから覗いていた部分と両腕、それに鼻の先端が日焼けしたのだ。帽子はもう少しつばの広いものを被って行けばよかったが、家内はその帽子をいつも被るなと言う。女性向きのようにつばが大きいからで、変だと言うのだ。だが、それなら鼻の先端が日焼けせずに済んだ。もう遅いが、これからはその帽子を被って出かけよう。10キロほど歩いたのは合計で、展覧会場などで涼んだのでどうにか予定したことはみなこなせた。それどころか、筆者のちょっとした一言で展覧会場の係の女性に教えてもらい、予定していなかった場所にも行った。それは今日は予定していなかっただけで、10年近く前から一度行きたいと思っていた場所だ。そこへ行く予行演習のために今日は出かけたようなものだが、すぐ近くまで筆者らが来ていたことを知り、予定をこなした足でそこへ出かけた、つまり、今日は10年ほど前から気になっていた場所をついでに見ることが出来て、家内の機嫌もぐんとよくなった。午後4時に展覧会をまずひとつ見たが、家内はその足で京都駅に戻ると思ったらしい。だが、筆者はそれとは反対方向に行くことを主張した。家内にもうひとつ展覧会に行くと言うと、家内は午後5時まで1時間しかないので、今から電車に乗るのであれば、駅前の会場でもなければもう見られないと応える。全くそのとおりだが、駅から2、3キロのところにその会場はある。そしてバスに乗っても最寄のバス停から徒歩10分とあって、会場に着けばおそらく10分か15分しか見られないだろう。それでもいいと思った。もう何年も気になっている会場で、せっかく近くまで来たのであるから、そのついでに足を延ばすべきだ。また次となると2,3年先になるかもしれない。だが家内は自分だけ京都駅に戻るので、ひとりで行けと言う。暑い中を数キロも歩いた後で、さらに歩かされるのはまっぴらであるのはもっともで、ほとんど筆者はひとりで行く気になった。家内は筆者がお金を持っていないことを知っているので、1000円札を1枚くれたが、それを受け取りながら、筆者はなおも一緒に行こうと粘った。するといつものように根負けして着いて来たが、駅に着くとバス停がどこにあるかわからない。時刻はすでに4時15分で、初めて降り立った駅から美術館まで、地図を片手に筆者は歩くことにした。バスに乗ったところで最寄のバス停から徒歩10分なら、もう歩いた方が早い。だが、方向音痴の筆者だ。道に迷うともう5時に着くのは無理だ。今日見た展覧会などのことについてはまたいつか書くが、今日は満月の夜で、筆者は出先からその写真を撮ることを夢想した。月が昇るまでに帰宅すると、いつものように自宅近くで撮るしかないが、夕暮れに帰っても暑いだけで、なるべくどこか涼しいところで月が出るまで過ごすことをぼんやり考えた。
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 さて、どの駅に降り立ったかを言えば、JRの近江八幡駅だ。そこには家内の姉の娘や息子の家があるが、家内は電話番号を知らない。それに知っていたとしても訪れるつもりはない。展覧会のついでに来たと言えば快く会場か駅まで迎えに来てもらえるが、前もって知らせておらず、また家内もぜひとも訪問したいというほど親しい交際はしていない。家内には姪や甥がたくさんいるが、数年に一度程度しか顔を合わせない。筆者も同じようなものだ。それはそうと、先月筆者は東近江市の湖に近い地域に用事があって人と会って来た。その帰り、いくつかの神社を巡ったが、彦根市や東近江市、そして近江八幡市や野洲市はみな似た雰囲気がある。その中でも近江八幡市の歴史的風土地区はよく映画やTVで紹介されるように、観光地としては湖東ではかなり有名だ。京都から1時間ほどで、その気になればいつでも行けるが、京都に住むとどういうわけか滋賀県は遠く感じる。それは筆者や家内が大阪市内の生まれで、だだっ広い田舎が退屈と思っているからだが、たまには京都にはない古い町並みを歩くのはいい。話を戻すと、筆者はスマホを所有しないので、初めての土地を訪れる時はヤフーの地図を印刷し、その紙を持参する。だが、それは駅から数キロ離れた目的地までを1枚に含む場合がほとんどで、細い道や目印となる建物はごくわずかしか載っていない。そのため、おおよその道のりはわかるが、幾分かは勘に頼る必要がある。その勘が筆者はかなり鈍く、全然違う方角へ行ってしまうことがたびたびあるが、心配になれば道行く人に訊ねる。ところが先月東近江市に行った時は、訊ねた相手が筆者の持つ地図がよく飲み込めないようで、全く違う方向を20分ほどうろつく羽目になった。ま、それも後で思えば楽しい思い出で、迷わずにまっすぐ目的地に着くことは便利な反面、きわめて味気ない。人生とはそういうものだ。つまり、迷うことを楽しむ余裕が必要だ。筆者の後をついて来る家内に、表向きはただただしんどいだけの経験だが、たとえば炎天下を数キロも歩くことが終わった後、それもまた楽しい思い出と筆者は思わせる自信のようなものがあるし、実際いつもそのようになる。クーラーをつけた部屋で終日TVを見ている方が気楽かもしれないが、自分の足で暑い寒いを感じながら、初めて出かける場所を巡る方が強烈な思い出になる。金があればタクシーでもっと快適に回ることが出来るが、筆者の目的は展覧会をただ見るだけではなく、その途中の見て歩きにもある。そして今日は満月であるから、夜までその目的地に滞在し、そこで写真を撮ることに決めた。さて、今日の最初の写真は午後8時半頃、食事を済ました大型スーパーを出た直後だ。月が眼前に上がっていて、カメラを取り出してかまえたが、電池切れでシャッターが下りない。それでまた店内に戻り、電池を買って入れ直したが、後で電車に乗って家内は、前回電池を買ったのは大阪の桜宮で、4月であったと言う。そのとおりだ。ドンキホーテで単3電池4本を100円で買った。安物なので4か月しか持たなかったが、今夜買ったのは400円以上もした。単純計算で1年以上持たねば100円の安物の方がいいが、これまでの経験からすれば1年以上は持たない。ともかく、電池を入れ直して玄関前に戻ると、満月に雲が覆い、しかも晴れそうにない。先ほどはもう少しましであったが、やはり雲に一部は隠れていた。右下に一方通行の標識を入れたつもりが、ほとんど入っていない。駅に向かうまでの間、また晴れることもあるだろうと思って歩き始めると、見知らぬ場所に出て、それが地図のどこに位置するかがわからない。暗闇の中のかすかな光の下に行き、地図を広げるとどうにか駅の方角がわかった。ちょうどその時、白シャツに黒ズボンでいがぐり頭の高校生が、ひとりは徒歩、もうひとりが自転車に乗ってやって来た。人通りがほとんどない暗闇で、家内は彼らを呼び止めて駅の方角を訊いた。すると、「ここを真っ直ぐ行くとあります。ぼくたちも駅に行きますので」と言う。家内はすぐにそのふたりの後をついて行き、筆者は暗闇の中で残されたが、駅に向かって左手上空の満月がちょうど雲が途切れた。そうして撮ったのが今日の2枚目だ。高校生が行く方角は、地図では市役所が遮っていて、筆者は迂回するつもりであった。だが、市役所内敷地に細い道があり、そこを抜けると午後4時20分頃に筆者らが歩いた道に出た。そこまで来ると家内も思い出した。今日の3枚目はその道の途中にあった焼肉店「霜月」の看板と満月だ。11月の三日月を背景にこの看板を撮ると面白いだろうが、筆者は満月しか撮らない。駅まではもう迷うことはなかったが、高校生のふたりはゆっくりと進み、筆者らが迷わずに追って来るかを気にしているようであった。高校野球の選手のような感じで、駅前の自転車置き場に着いた際も筆者らを振り返っていたが、筆者は別の被写体に気を奪われ、彼らに挨拶しなかった。家内がしきりに彼らの優しさについて話したが、おっさんが女子高生の親切さに微笑むのと同じことだ。
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by uuuzen | 2016-08-18 23:59 | ●新・嵐山だより(シリーズ編)
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