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●『京の七夕』二条城、その2
どもの姿をほとんど見かけなかった。大半がカップルで、夕方以降のデートといったところだ。子どもが楽しめないかと言えばそうでもない気がするが、無料の堀川の河川敷の会場がよりいいかもしれない。



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あるいはそれも退屈か。『京の七夕』は昭和30年代にあった夜店を思い出させる。毎月3回ほどそれが近くの商店街に交差する道沿いで開かれたが、娯楽の少ない頃で、また真夏は家の中にいても暑いだけで、外で涼むのが習わしであった。東京では夏の風物詩として両国の花火があるが、京都市内では花火を打ち上げられる場所がない。昭和40年代までは嵐山でも花火大会があったと聞くが、今では宇治や琵琶湖辺りにまで行かねば大がかりな花火は見られない。そこで京都市が考えたのが『京の七夕』ではないだろうか。これはLEDの発展によるライトアップのおかげとも言える。このライトアップという方法で、クリスマスや桜の季節、それにおそらく紅葉の間も人を呼ぶことが出来る。そのほか京都では10数年続いている「花灯路」があるが、これもライトアップで、『京の七夕』は「花灯路」から生まれて来たと考えてよい。そしてさらにそのルーツとなると、阪神淡路大震災後の神戸のルミナリエであろう。そう思いつくと、では東北の大震災の後、似たようなライトアップの催しが始まったのかと言えば、関西にはなかなかそういう情報は伝わって来ないが、観光地でなければまずそんな催しを開いても人が集まらない。神戸がルミナリエを開催したのは、死者への鎮魂の意味合いと、やはり観光客を取り戻したい思いによるだろう。京都や大阪にはまだ大地震がないので、ライトアップの催しはただの人集めのためだが、そう言えば筆者は割合そういうライトアップのお祭りにはよく出かけている。呑気なもので、死者の霊を思うこともない。だが、さすが京都と言うべきか、五山の送り火という、炎による大規模な文字や文様のライトアップの行事が昔からあり、それが『京の七夕』の最終日の翌日にあることは、『京の七夕』はよく考えられている。五山の送り火の夜は、街中の灯りが可能な限り消すことが求められる。そういう時に『京の七夕』のライトアップはない。それはさておき、二条城の二の丸庭園のライトアップはチラシによれば「大政奉還150周年記念」とある。これは小さな文字で印刷されていて、ライトアップの第一の理由ではないだろう。また、その上には「歓迎文化庁京都移転決定」の文字もあって、今年は市長も知事もTVへの出番が多くなったが、とにかく記念にかこつけての夜間の特別公開を宣伝している。一方では外国人観光客の急増が大きな理由のはずだが、寺町や新京極の商店街が午後8時にはもう半分以上が閉店するという中、午後9時まで『京の七夕』によって観光客に楽しんでもらおうというのは、京都市のサービスと言ってよ。だが、それには当然入城料を当てにするという思惑もあり、また二条城は本格的な修復のために大金が必要で、一口城主の募金を受け付けている。それが7月末日現在で3億5600万円ほどで、20年の修復期間で必要とする100億にはほど遠い現状となっている。そのためにも『京の七夕』で大勢に訪れてほしいのだろうが、チラシを刷るにしても金で、宣伝があまり行き届いていない気もする。
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 名古屋城を2020年までに木造で建て変える話が出ているが、現在の老朽化したコンクリート製を取り壊して、その後に建てるとして3年ほどで竣工するのだろうか。またその費用が気になるが、現在のコンクリート製を耐震補強する費用の10倍は必要で、数百億円だ。二条城の本格的な修理が100億というのであるから、300や400億円で木造の天守閣が出来るのであれば安い気がするが、名古屋市の財政からしてそれはどうなのだろう。また、鉄筋コンクリートは60年が寿命と言われるが、二条城は400年もそのままで、補修費用はかかるにしても、木造の雰囲気のよさからすれば、鉄筋コンクリートよりも安上がりではないだろうか。そこで思い出すのは尼崎に天守閣を復元するために5億円だったか、寄付した家電販売会社の社長が去年話題になった。5億では鉄筋コンクリート製となるが、それでも天守が出来ると、阪神尼崎駅南の雰囲気はかなり変わって、人の流れも変わると思う。今の尼崎は長い商店街のイメージしかないが、それだけではさびしい。二条城にも天守があればもっと楽しいが、それがあった場所はそのまま保存されている。かなり小さく、尼崎の天守とあまり変わらない大きさのものが建っていたように想像する。修復の費用だけでも思惑が全く外れているので、まさか天守の復元まではまず無理だが、筆者は二条城を思うと、いつも天守のない状態をさびしく感じる。名古屋のように発言力の強い市長が現われれば、話はすぐに動くような気もするが、文化庁が移転して来ることを契機に、何か記念事業として国から金を出させる動きを採ればどうだろう。その文化庁の建物は当初は府警の建物を活用すると前文科省の大臣が言っていたが、その後京都国立博物館を見学し、その中の敷地がいいと言い始めた。ところが、その大臣はあっさりと先日更迭され、京都としても当惑したようだ。前大臣の考えを踏襲しながら、京都のためを思ってくれる大臣であればいいが、だいたい政治家は文化に関心のあるのがほとんどいないと思っていい加減で、文化庁の移転もどこまで京都のためになるかどうかだ。だが、二条城の天守閣と、箱物行政の一貫として、政治家には歓迎されるアイデアではないか。どのような天守が建っていたかは、絵画資料しかないが、昔の姿を知っている人は誰もいないのであるから、だいたい大きさだけ合っていれば、デザインはさほど気にしなくてもいいだろう。
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 二条城の天守を復元する話など、誰も発言していないと思うが、その天守に上って周囲を見わたすと、御所が迷惑するだろうか。筆者の想像では御所は近いが、紫宸殿などは屋根しか見えず、御所のプライヴァシーを侵すほどのことにはならないと思う。城と言えば今年1月に家内と一緒に彦根城に行って来た。やはり天守内部やそこからの眺めが印象深く、城というからには天守だろう。その次に庭だが、二条城ではそれが完璧と言ってよい状態に保たれている。今回は二の丸御殿の庭をまず見るルートが設定されているが、今日の最初の2枚の写真はそれを撮った。一昨日書いたように、今年の4月に訪れた時にはその庭は立ち入ることが禁止されていた。『京の七夕』のホームページを見ると、そのトップ画面の写真は、今日の2枚目と同じ角度からの撮影となっている。今日の最初と2枚目は、左右にはつながらないが、ほとんどそのように思っていい。最初の写真は水辺に映る岩や樹木の影が面白く、いかにも武士に似合う無骨さがある。撮影位置の背後は二の丸御殿がすぐに迫り、江戸時代は季節のいい頃は、毎日その御殿から障子を開け放って庭を眺めていたのだろう。『京の七夕』に合わせてその御殿内部を明るくし、その光が障子から洩れるようにされていたが、江戸時代でも殿様や家来はそのようにして夕暮れは過ごしていたのかと想像すると、何とも贅沢な気分になる。2枚目の写真を撮ったのは、大きな蘇鉄が2株ほど見えたからだ。それは鍋島藩からの贈り物というが、樹齢は150年ほどで、まだ若い。だが、それが植わる土地は充分広く取ってあって、高松城や伏見の御香宮の蘇鉄のように、巨大に育っても周囲に邪魔するものがないような場所が選ばれている。300年ほど後には貫禄充分になるはずだが、それまでの間、二条城は何度大規模な修理を必要とするだろう。チラシによれば、二の丸庭園は小堀遠州が造ったとされるが、御香宮の庭もそうで、小堀さんはいったいどれくらいの庭を造ったのかと思う。庭は建物以上に維持管理が大変で、夏場は1日でも手入れを欠かすと雑草が生える。数坪ほどでも雑草の手入れは大変であるから、二条城全体となるとそれほどの人員が必要になるか。そういう費用を入城料だけで賄うのは無理な話で、形のある文化遺産はその現状維持に永久に金がかかる。それを一般人の寄付に頼らねばならないということに、理解を示さない人もあるだろう。7月の市民しんぶんの第1面は、小学館の雑誌『小学2年生』のタイトルデザインを模して、赤字に白抜きで『二条城!!』とあった。子ども向きに二条城の修復についての特集が最初にあって、今年に入って市民しんぶんはかなり面白くなっている。これは自治会に加入していない世帯にも無料で配布されるが、あまりにも情報満載で、必要な情報を探すのに苦労する。すぐに処分してしまうが、ネットで全文が見られることを先ほど調べて知った。
●『京の七夕』二条城、その2_d0053294_23314432.jpg

by uuuzen | 2016-08-11 23:31 | ●新・嵐山だより
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