●クバリブレ、アゲイン
閲されて文章がズタズタということにはならないのはいいとしても、他人の眼が入らない分、全くどうでもいい暇つぶしの文章を連ねてしまうことのアホらしさがあることを自覚しておくべきこのブログだが、年齢を重ねて還暦を越えると、人格の硬直化が進む。



そして肉体もそうなって、熱中症で死に至ることが珍しくもなくなるが、それは神様の慈悲であるかもしれない。もういい加減に人生舞台から退場しなさい。恥は充分かいたでしょうというわけだ。それで、全くどうでもいい文章の恥のかき捨てもついに終わることになるが、筆者のブログもちょうどそんなことになって来ているのではないかとふと思う。話は急に変わるが、最近ファスビンダーのことを思う。ただし、一瞬だ。その一瞬が毎日何度かある。それはせっかく買ったのに半分も見ていないDVDがあるからで、大事に1本ずつ見て行こうと思っていたのに、随分そのままになっている。そのひとつの理由を書くと、2年近く前に見た1本は、あまり面白くなく、それについての感想を書きそびれたからだ。それでもう一度見ようと思いながらそのままになっている。その1本にこだわらずに、ほかのものを見ればいいようだが、1本ずつ制覇して感想を書いて行こうと決めたので、そこで躓いたままになった。そういう融通の利かないところが、老人の硬直化の表われであろう。それはさておき、その1本はファスビンダーは出て来なかったように思う。これまで見た彼の映画で面白いと思ったのは、彼自身が役者としてチョイ役にしろ、登場するものだ。そこで前述した一瞬思うことだ。ファスビンダーは夭逝したが、そのために作った映画は未完的と言えばいいか、完璧な娯楽作品という感じに欠けるところがある。素人的と言えばいいだろう。だが、それが面白い。この場合、プロ的な作品というのは、どの場面も熟考されていて、文句のつけどころがないとの意味だが、それを言えばファスビンダーは憤慨するかもしれない。彼とてどの場面も完璧なように作ったと主張するだろう。だが、筆者が言う完璧性は少し違う。ファスビンダーの作品は、どの場面もファスビンダーの影が見える。つまり、ファスビンダーは自己表現を映画で行なった。それを言えばどの監督もそうかもしれないが、ある脚本があって、それを最大限に面白く見せる職人的手腕というのが映画業界にはあるはずで、昔からそういう映画がたくさん作られて来たし、またそういう映画から名作と呼ばれるものが出て来た。そして、そういう映画の手法が映画の古典的技法となって後輩監督は模倣するが、そのことによって映画は90分や110分程度で見事にまとまった娯楽というように造られるに至ったが、そこに映画の没落があったような気がしている。もちろんそれはハリウッド映画のことだ。起承転結がはっきりしていて、泣かせられる場面が必ず決まったところに仕組まれている。そうした映画はそれはそれで面白いのだが、あまりにも「ああ、楽しかった」がはっきりしている映画は、ほとんどすぐに忘れる。通俗的な楽しませられ方に乗せられたからとも言える。その点、ファスビンダーの映画がどうかと言えば、そういう手法に倣おうとした作品もあるが、これまで見たものは、実験的と言えばいいか、普通の映画とはどこか違う印象がある。それは監督の自己表現の思いの強さのせいかもしれない。また、筆者はファスビンダーその人があまりに魅力的であるので、それでその作品にその人格の影を見ようとしているところがあるが、そういう映画ないし、映画の見方というのは、本道ではないだろうか。
d0053294_6533660.jpg 作品はどのようにも見られるが、作品は作者と不即不離の関係にあり、また作者が面白い人でなければ作品は面白いものにならないと筆者は思っている。この場合の面白いは魅力的と同義だ。作品が面白いと作者も面白いと言い代えてもいいようだが、この言い方の場合はかなり注意を要する。作品が職人的面白さに負っている場合があるからだ。作品の仕上がりは立派かもしれないが、面白みに欠ける場合がある。それは職人的技術が確かにあるが、個性が欠けるからだ。またこの個性は、悪く言えば作品に一種の傷をつける。ファスビンダーの作品にはそれがある、だが、その傷こそが見所でまた面白みになっている。その傷を見たいために作品を見ると言ってよい。その傷は作者の人間的魅力で、ファスビンダーの作品にはそれが濃厚に漂っている。それで最初に書いた2年ほど前に見たDVDに戻ると、一回見た時に、その傷と言ってよい部分が悪い意味で別の作品の繰り返しに思えた。それがつまらなかったのだが、どの作品も秀逸ということにはなかなかならないだろう。夭逝した監督であればなおさらだ。だが、その繰り返しの一種平凡さがファスビンダーから生まれたものであり、そういう部分を持ち合わせていたことは作家像を知るためのひとつの手立てになるので、もう一度作品をよく見てファスビンダー像を再確認しようとは思っている。さて、急に話が変わる。今日は七夕で、家内がぽつりと言う。昔家内は家出をして筆者と駆け落ちした。その日が七夕であった。筆者はそんなことを忘れているが、家内にすれば結婚記念日と言えば七夕しかないと思っている。形だけの式は後に挙げ、写真も撮ったが、不思議にその日は家内も覚えていない。やはり大きな決断をした家出の日をよく覚えている。ま、この話もさておき、最近飲んでいる酒のことを書く。古酒をあれこれ飲んでいることは先日書いた。全く知識のない珍しい酒を次から次へと飲むというのは楽しい。真夏は冷えたビールがお決まりのようだが、筆者は今年はそれを飲まないように決めた。というのは、体重が増えているからだ。今は65キロ台で、60キロほどに戻すと言いながら、一向にそうならない。運動不足はわかっているが、多忙のために家に籠ったままの日々だ。ビールで体重が増えるとは限らないが、イメージとしてほかの酒よりもビール腹になる気がしている。そう言えばファスビンダーもかなり太ったまま死んだ。不健康の塊のようになって死んだが、ファスビンダーが生きていると、筆者は接近して親しくなりたかった。そのように思わせる男の魅力がある。男でも女でもつまらない人はわんさかいるが、そういう連中がネット社会になっていっぱしの意見を吐くのが大いに困ったもので、文盲が減って行くことはいいことばかりとは筆者は思わない。言葉の美しさや価値を知らない、文盲以下の連中がうじゃうじゃいて、ヘイト・スピーチを言論の自由とほざくのであるから、学校教育で言葉を教える前に人格、人徳といったことを徹底して子ども頃に教えた方がよい。だがそれは無理だろう。国語力もつかないままに、英語を教え、それで国際人になれるとのたまう教育ビジネスが蔓延し、言葉はどんどん悪用される。
 さて、古酒の1本に、KAPINOというのがあった。ネットで調べても出て来ない。瓶の裏側のラベルはフランス語なので、フランスの酒だ。細かい文字を読むと、ウォッカにピノー・デ・シャラントをわずかにブレンドしたとある。つまりカクテルだ。ピノー・デ・シャラントはワインで、それそのものを筆者は飲んだことはないが、ネットで調べると甘口で食後酒とある。だが、KAPINOはアペレティフによいとあるので、食前酒だ。カクテルにはどちらもあるが、とにかく複数の酒を混ぜたものがカクテルだ。そしてウォッカが多いとなると、アルコール度は高いので、ショート・カクテルと言ってよい。それを筆者はガブ飲みに近いほど一度で多く飲むが、夕食の前に飲むとさすがフラッとする。また、古酒なので何かが変質しているのか、柑橘類の皮の苦味が強い。説明文をさらに読むと、レモン・フレイヴァー入りとある。レモンの皮の成分を入れて香りづけをしているのだろう。それで思いついたのは、2年ほど前に飲んだクバリブレだ。これはファスビンダーが映画を撮っている時に愛飲したカクテルで、筆者はラム酒とライムをスーパーで買って来て、コーラで割ってそれを何倍か作って飲んだ。クバリブレすなわちキューバの自由については、アメリカと国交が正常化、経済制裁もなくなって本当にキューバに自由がやって来たようなニュースが近頃あった。キューバではウォッカは似合わないが、KAPINOのレモンの香りから、実際にレモンをたくさん切ってコップに注ぎ、そこにKAPINOを注いで飲むと、これがなかなかおいしい。それでさらに思ったのは、そこに氷とコーラを混ぜることだ。ウォッカ・ベースにワインとレモンとコーラで、これでクバリブレのような味になった。ライムとレモンの差、ラム酒とウォッカの差も感じないではかなりの味音痴だが、真夏であるので、カーッと飲んで一瞬頭がクラリとするのがよく、またそれで少しの自由を感じている。ともかく、KAPINOそのままではさしておいしくないが、いろいろ混ぜておいしくする方法がわかった。何でも混ぜればいいものでもないが、今日の投稿はカクテルみたいにいろんなことを混ぜた。自分で勝手に酔いたいだけで、他人に文句を言わせない。
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by uuuzen | 2016-07-07 23:59 | ●新・嵐山だより


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