●ミッドミドリの親指豆のお多福顔
ELUXEな気分になれることは人さまざまだが、筆者は今頃なら深紅の大きな薔薇の花を間近に見ることやソラマメを買うことだ。後者は出回る期間が薔薇よりはるかに短いため、第一に挙げてもよい。



毎年ソラマメが出回る時期は何となく嬉しいが、めったに買わない。どれくらの値段か知らないが、重量の半分以上は食べられない莢で、中身は少しだ。ソラマメばかりたくさん食べるものでもないので、思い切って買えばいいが、安くなるまで買わない。一昨日に家内とムーギョに出かけた時、見切り品コーナーに5,6莢が入った袋をふたつにまとめたものが50円であった。莢は4分の3が真っ黒で、誰も買わない。完全に中身が腐っていると思うからだ。だが、そういう状態であっても、莢がかなり分厚く、中の豆はほとんどの変化がないことを筆者は知っているので、すかさず篭に入れた。帰宅して莢を剥くと予想どおりで、すぐに家内に茹でてもらって酒の肴にした。今年初めてのソラマメで、たぶん最後だろうと思った。それにしても今年もデラックスな雰囲気のソラマメが食べられた。充分満足していたが、今日また家内とムーギョに行くと、今度は2袋をひとつにしたものがふたつ売っていた。以前と同じ50円で、ふたつなので100円だ。今日はトモイチにも寄り、家内ともども両手にずしりと買い物をし、家内はもうひとつのスーパーに立ち寄るので筆者は先に帰宅した。家に着いて真っ先にしたことは半分腐りかけたソラマメをビニール袋から取り出し、莢を剥いて豆を取り出すことが、どの莢も片方の半分が墨のように真っ黒になり、しかもドロドロに溶けていた。気持ち悪いと思いながらも莢を破って豆を取り出すと、一莢の3個はすっかり黒くなって腐っていたが、そのほかはみなきれいであった。そうして取り出した豆を水で洗い、タオルで拭いて3階に上がって写真を撮ることにした。どういう写真にするかはトモイチの店内を回っている時に決めた。そのとおりに動き、豆を並べ、撮影した。そしてこのブログに以前ソラマメについて投稿したことがあり、それを調べた。2009年7月10日に「ミッドミドリの親指豆」と題して「おにおにっ記」のフィナーレに投稿している。その題名をそのまま使うことは面白くない。しばし考えてそれをもじった題名にしたが、ソラマメはおたふく豆と呼ばれることを思い出したからで、それは今日の写真はソラマメを「福笑い」のパーツのように使ったからだ。「福笑い」はもう正月の子どもの遊びとしては廃れてしまったであろう。筆者が小学生の低学年頃つまり昭和30年代の前半までは盛んであったが、筆者はその遊びに対して強い思い出がある。今のコンピュータ・ゲームには求められない偶然と創作の要素が混じった優れた遊びで、外国にそれに似た遊びがあるのかどうか知らないが、そう言えばロジェ・カイヨワは知っていたであろうか。
d0053294_23233270.jpg

 ソラマメは空豆の漢字を充てるが、その理由をつい先日のTVで知った。莢が元気よく空を向くためと言う。実っている様子が映ったが、茎の周囲に360度に莢が45度より垂直寄りの急角度で突き出ていて、思わず元気のいい男根を連想した。豆は黒い筋が一本入っていて、筆者にはそれが垢の溜まった親指に見える。だが、おたふく豆と呼ぶのは「福笑い」の輪郭つまり下膨れの顔のお多福に似ているからで、その方がはるかに詩情がある。筆者の連想はいつもかなり下品で、これは育ちによるか。そう言えば今話題になっている都知事は吝嗇ということで総攻撃を受けている。金を使わないのはケチではなく、美徳とされることもあるが、自分に対してそうであるのはいいことだ。誰からも文句を言われる筋合いはない。たとえば筆者が見切り品の50円のソラマメを買うことだ。だが、その豆を誰かに買ってあげるということになると途端にケチとなる。自分に対してのケチは美徳であっても、他者にはケチであってはならない。それを都知事はどうもそうではないらしい。そのことを育ちのせいと分析する人もあるが、ほとんど関係がない。ずっと金持ちであるのにケチである人はいくらでもいるし、反対にきわめて貧しいのに、いつも気前がいい人がいる。ケチであるから金持ちになり、気前がよすぎるので経済的に困窮するという見方もひとつの真実だ。そして世の中は後者をお人好しと好意的に呼ぶことがあるが、内心は馬鹿だからと侮蔑している。特に前者はそう見る。都知事が汚名を挽回するには、死ぬ間際になって全財産を恵まれない人に寄付すると遺言をしたためるようなことをするしかない。「ああ、あの人はあれだけケチで人生を過ごしたのは、大きな目的があったからだな」とみんなは思うだろうが、ま、そんなことにはならないことは目つきからわかる。筆者は都知事の顔を見ていると、「福笑い」のように、目鼻口のパーツを全部置き直したい気になる。それはさておき、筆者は家内からケチと思われているが、それは一方で資料代として毎月何十万円も使っていて、ほかに回す金に乏しいからだ。食べるものを始末して本などを買い集め続けるというのは、たぶん狂っているのだろう。家内でなければとっくに家を飛び出ているかもしれない。筆者はもう少しの辛抱と家内を説得し続けているが、家内は信用していない。どうせ死ぬまで今の生活は変わらず、資料で隣家までいっぱいにして挙句の果てにそらはみなゴミ同然に処分されると想像している。それは笑いたくても笑えない真実であるような気もして、筆者は黙って家内の先を歩く。そして50円のソラマメの見切り商品を見つけて小躍りし、急いで帰宅して思ったとおりの写真を撮ってお多福のような笑顔になっている。今日の写真を撮って10分後に家内は豆を茹でて酒の肴に出してくれた。半分は明日の夕方に食べる。
[PR]
by uuuzen | 2016-05-27 23:23 | ●新・嵐山だより


●白梅の青梅の勾配 >> << ●ラッキョウのピクルス
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
以前の記事/カテゴリー/リンク
記事ランキング
画像一覧
ブログジャンル
ブログパーツ
最新のコメント
ご指摘どうもありがとうご..
by uuuzen at 12:22
Frank zappa ..
by ザッパ at 08:30
何年も前に書いた文章に感..
by uuuzen at 16:20
はじめまして。興味を引く..
by 文学座支持会元会員 at 11:15
最近あまりに多忙で録画は..
by uuuzen at 15:31
唐突に失礼いたします。ど..
by タイタン at 14:59
暴力事件は訴えても警察が..
by uuuzen at 15:11
地下鉄の件事件になります..
by ネイル at 19:07
上から目線で頭が悪い人
by 名無し at 08:13
上から目線で頭が悪い人
by 名無し at 08:13
最新のトラックバック
http://venus..
from http://venusha..
ファン
         ブログトップ
  UUUZEN ― FLOGGING BLOGGING GO-GOING  © Copyright 2017 Kohjitsu Ohyama. All Rights Reserved.